先月のマレーシア行きの時の話。マレーシアの首都・クアラルンプールに、マレーシアの経済成長の象徴といえるペトロナスツインタワーという超高層建築物があります。
クアラルンプールの紹介には必ず掲載されている建築物で、こちらです↓
”20世紀の超高層ビルとしては最も高い高さ452mの88階建て、マレーシアの国立石油会社ペトロナスによって建築された。この塔はイスラム様式であり、マレーシアのモスクに似せて作られており特徴的な尖塔を持つ。建設当時は(中略)、超高層ビルとして世界一を誇っていたが、2003年10月17日に中華民国(台湾)の台北101に世界一の座を譲り渡した。ただし、二本のビルが対になっているツインタワーとしては依然として世界一の高さを誇っている。日本のハザマがタワー1を、韓国のサムスン物産建設部門がタワー2を、それぞれ建設した。”
とあります。この2つのタワーが日本と韓国の異なる会社によって建てられたということが、興味深い噂を振りまいています。
その噂は
「韓国側が建築したタワーが傾いており、入居者が入らず、夜になると日本が建設したタワーは明るく、韓国側のタワーは暗い」
というもの。近年の日韓関係の難しさと相まって、まことしやかにインターネット上では語られています。(ペトロナスツインタワー 手抜きとかでgoogle検索するとその手のサイトが出てくると思います。)
この噂を知ったときから、”クアラルンプールに行ったら是非自分の眼でペトロナスツインタワーの様子を見比べて確かめてこよう”と思っていたのですが、クアラルンプールに行ける機会があったので実際に様子を確認してきました。
上述したようなタワー間で利用状況の明確な違いは見てとれるるのでしょうか?
ペトロナスタワーの位置関係の確認
実際の夜のタワーの様子を紹介する前にペトロナスツインタワーの位置関係を紹介しておきます。Googleマップで現地を表示するとこんな具合↓
ちょっと分かりにくいので以下の地図で解説すると、、、

①が日本のハザマ建設が建てたタワー1、②が韓国の現代建設が建てたタワー2。当サイトでは便宜上、正面玄関がある北側を”表・正面”として扱い、 池のある公園側を”裏側”として表記します。ペトロナスツインタワーは表から見ても、裏から見ても美しいデザインで、かつ表・裏のデザインがとても似ています。
このデザインの対象性が”例の噂”の検証には曲者になります。つまり、正面から見れば向かって右側が日本の建設したタワーになりますが、裏側から見れば日本のタワーは左側になります。ネットに出回っているタワーの様子を紹介した写真もこの点に留意しないといけません。実際のタワーはよく見ると表・裏でデザインが微妙に違っており簡単に見分けられますので、その辺も解説しながら紹介したいと思います。
夜のペトロナスツインタワーを見に行く!
さて、いよいよ実際に夜のペトロナスツインタワーを見に行きます。時刻は2016年2月の日曜の夜21時頃です。
日曜日の夜


正直な所、明るさの差はよく分かりません。少なくともどちらかが一方的に明るいということはないと思います。なお表側と裏側のデザインの見分け方ですが、表側には下層階から途中階まで半球状のフロアの出っ張りが前方に突き出ており、この有無で表側・裏側が見分けられます。
こちらを見に行った日は日曜日。ツインタワーの高層階の大半はオフィスフロアと思われるので、やはり平日での比較も必要であろう、ということで翌月曜日も見てきました。
月曜日の夜
時刻は作日と同じ21時~22時頃。


正直なところ、この辺でタワー1とタワー2でそれほど窓の明るさに差が無いような気がしてきます。実際にタワー周辺を歩いたり内部の様子を見たりしてもタワー1とタワー2の扱いに差があるように見えないですし。。。しかしある程度サンプルを集めないと統計上は問題がありそうなので、翌火曜日も行ってきました。
火曜日の夜


水曜日の夜
もう日課になりつつあるので、水曜の夜も見に行ってきました。滞在もペトロナスツインタワーから徒歩5分くらいのホテルだったので。。。


木曜日の夜
そして木曜の夜。


金曜日の夜
そして金曜の夜。この日はちょっと遅くなって23時頃の様子です。


夜の窓の明かりのついている様子は、こんな具合でした。
左右のタワーの夜間のライトの明るさに関する私の結論
実際に1週間に渡ってペトロナスツインタワーを観察し続けて得た結論としては、少なくとも完成から20年ほどたった2016年現在、夜のタワーの照明が点灯している部屋の数に顕著な差は無いように思いました。あくまで個人的な体験をもとにした私の見解ですが。。。
テナントの入居状況を示した看板の噂も検証しよう
そしてもう一つ韓国側のタワーは閑古鳥で日本側タワーが盛況とされる根拠に使われるのが、テナントの入居状況を記した看板パネルに関する噂です。
これは”日本側タワーの看板パネルにはたくさんの企業名があるのに、韓国側タワーの看板パネルには企業名が少ない”というものです。
これも自分の目で確認したい、、と思いまして、写真に収めてきました。
日本側のタワー1の入居テナントの看板
まずは日本側のタワー1の入居テナントの看板です。

三枚の看板にテナントや入居している会社名が列挙されています。確かに多い

一番左の板をアップで撮影。タワーを建設した「PETRONAS」の名を関したグループ企業が多いのがお分かりいただけるかと思います
韓国側のタワー2の入居テナントの看板
続いて韓国側のタワー2のテナントの入居状況を写した写真です。

1.5枚くらい。これがすべてです。確かに会社名はタワー1に比べると少ない。
ぱっと見で入居者数の看板に掲載されている入居テナント数を単純に見ると、日本側の圧勝。
ただし「看板に記載のある入居の企業数=実際のタワーのフロアが埋まっている状況」と解釈するには、違和感があります。
テナント入居看板からの考察
入居企業表記の看板の書きぶりから受けた私の印象です。(以下、真実かどうかはわかりませんが。)
・日本側のタワー1はタワーを作ったペトロナス社系列と思われるペトロナス~という会社がやたら多く列挙されているのと、フロア番号まで書かれていない、ということが気になります。
・韓国側のタワー2について、この看板にある企業が1フロアずつの入居していると仮定すると、韓国側のタワー2は88階建てのうち半分以上のフロアが入居していないことになります。しかし上で紹介したとおり、夜の明かりからはタワー1と2で明かりの数に大きな差があるようには見えなかったので、さすがに半数のフロアが未入居ということは無さそうに思います。
なので、タワー2には、何らかの事情で看板に掲載されていない入居企業があるのか、あるいは複数のフロアを使用している企業があって、看板には入口のあるフロアしか表示していないとか、事情があるように、思いました。
実テナントの入居状況は実際に両タワーの中を登っていって各フロアの様子を見るのが確実だと思うのですが、当然ながら展望階以外のオフィス部分は厳重に警備されており、用もない外国人が立ち入ることは難しそうでした。
このペトロナスツインタワーはクアラルンプールの象徴でもあり、実際立地も良いので、テナントもすぐ埋まるように思いますし、周囲をウロウロして現地の方の様子やフロアを見た感じでも、タワー1とタワー2で異なる運用をされているようには見えなかったです。
まとめと私の所感
以上をまとめると、私の所感としては
- ペトロナスツインタワーの夜の明かりは、日本の会社が建築したタワー1側と韓国の会社が建築したタワー2で、顕著な差はなかった。
- 入居企業を掲示している看板パネルには日本側のタワーのほうは入居テナントが多く記載されてあり、韓国側のタワーの入居テナントの記載は少ないのは事実。
しかしながら実際の各タワーの入居状況・入居率と看板の入居掲載数が一致しているのかは、夜の明かりやタワー周辺の混雑具合などから、疑問が残る。
といったところでしょうか。
テナント数や日韓の建築の違いはともかく、現在のタワー裏側には公園があって、熱帯っぽい植物や鳥が暮らしておりますし、日が落ちた夜にはライトアップされたタワーの麓でマレーシアっ子が池の畔に座って夕涼みをしており、噴水を眺めたりしています。そんな彼らに混ざってぼんやりペトロナスツインタワーを見上げるのも異国情緒があり良いものでした。
ペトロナスツインタワーも美しい建築物ですし、タワー周辺はクアラルンプールに行ったら一見の価値ありの界隈だと思います。クアラルンプールは飯も旨かったし、また行きたいですね。今度はペトロナスツインタワーの展望台も登ってみたいですし。


コメント
最近は韓国に対して根拠のない嘲笑ネタ多くて辟易していました.このように確りとご自身の目で確かめられた情報は大変価値のあるものです.共有してくださりありがとうございます.