野生のアザラシを見に行こう~事前準備と必要な装備~

野生で生きる海獣の姿は海で力強く、やはり水族館や動物園で飼育されているものとは一味違います。きっとその姿を見たら感動できると思います。

そして最近ではITの進歩により情報収集が容易ですし、またウォッチングツアーなども盛んになってきました。なので以前より、手軽に野生の海獣に会うことができる時代です。

ここでは野生の海獣を追いかけ続けた私が捜索のコツや観察時のルール、観察に必要な装備などを紹介したいと思います。

生息地に行く前に行う準備

野生の海獣はたいてい人間目線ではなかなか行きにくい不便な場所にくらしているので、事前に生息地の情報チェックを入念に行わければなりません。観察できる場所そのものの情報はこのサイトにいろいろ載せていますが、生息地周辺がどのような場所かは把握しておきましょう。私は最低でも以下の項目くらいは調べて行きます。これらの情報のリサーチに役立つサイトはこのページの最下部に掲載してあります。

・アクセス方法(生息地までの道・距離・所用時間・公共交通なら時刻表・レンタカーなら営業所とその営業時間)

・当日の天気予報(特に気温・風・波・潮の干満・日の出日の入り時刻)

・平年の天気(特に気温←装備・服装の参考のため)

・付近の人家の有無(人家が無い場合は食料(車の場合、ガソリンも) の準備も欠かせません。)

余裕をもった計画を立て、特に真冬の訪問時は決して無理をしないでください。生息地付近で事故があった場合、助けてくれる人はいないと思って慎重に行動してください。いや、冗談ではなくこんな場所もあるので。。。↓

↑天売島。細い農道をきこきこ自転車を漕ぎアザラシを見に行った。周囲は無人地帯。冬期はほとんど人が通らないので遭難したら春まで気づかれないかも\(^o^)/

上記の情報にも周辺の観光情報・美味しいもの情報・温泉情報サーチも欠かしません(私の場合)。魚が主食の海獣たちがうろうろしている≒魚が豊富≒港が近い≒アザラシ生息地周辺の魚介は旨いです。特に北海道は都道府県別温泉の源泉数第三位の温泉大国。アザラシを見た後の冷えた体で入る温泉もまた格別。野生の海獣を見に行く際の楽しみの1つです。

・コンビニを当てにしない。

野生の海獣生息地周辺にはコンビニなどはほぼありません。食料やカメラの予備電池等を現地で購入するのはほぼ不可能なのでその辺の準備も入念に。

・携帯電話も当てにしない。

最近では携帯電話の普及に伴い、野生のアザラシを見に行っても「こんなところにも電波が届く」と感動することが多いのですが、基本的に携帯電話は使えないつもりで行きましょう。

抜海港・宗谷漁港・焼尻島・網走湖・襟裳岬の各野生アザラシ生息地では携帯電話(ドコモ)が使えたと思います。

生息地近くに行ったら

アザラシの生息地近くに行って一番最初に行う重要なことは「地元の人からアザラシ情報を聞く」ことです。野生アザラシを見に行くという事は、あまり見ないモノを知らない場所で探す事です。ですから当然その場所に詳しく、探しモノを日常的に見ている人から情報を貰うのが、探しモノを手っ取り早く見つける方法です。恥ずかしがらずに聞きましょう。

野生の海獣を見るときのルール

静かに見る。

これは一番重要なルールでもあり野生アザラシを見るコツでもあります。野生のアザラシは大きな音や声には驚いてしまうので逃げていきます。野生アザラシを見つけると「アザラシだーーー!!!」と絶叫する方、「ゴマちゃーん」と大きな声で呼ぶ子供。また手を叩いて音を出す(呼んでいるつもりなのかな?)方もいます。野生アザラシはぬいぐるみのように見えてもペットじゃないんだから、音を出しても人間に寄って来るわけはありません。むしろ音を出すと海獣は警戒してしまい、ドボンドボンと水中に潜ってしまうこともあるので、物音は極力出さないようにしましょう。声以外にも、例えば近くまで車でアクセス可能な場合は、車のエンジン音などにも注意しましょう。

派手な動きをしな い。必要以上に近づかない。

野生動物は危険を感じたらあっという間に逃げてしまいます。そのためには警戒させないことが重要です。相手が野生の中で生きる生物であることを自覚しましょう。

お菓子のような食べ物を与えない。

これも絶対に守るべきルールです。野生動物が人間の食べ物を貰うことに慣れるとそれに依存してしまい、最悪狩りをしなくなるなど自力で生きていけなくなります。また人間の食べ物には野生動物が通常摂取しないような物質も含まれています。(海に暮らす海獣が人間のお菓子のようなものを食べているわけはありませんよね。)海獣の健康に害を及ぼす可能性があります。もちろん食べ物以外でも物を与えたりしないようにしましょう。

ゴミを残さない。

海獣に関係なく、アウトドア関係の基本的なマナーですが…。ゴミも全て持ち帰りましょう。タバコを吸う方は携帯灰皿も忘れずに。

生体・死体を問わ ず野生のアザラシには触らない。

あまり無いケースだとは思いますが、触ることのできる場所に海獣がいても触らないようにしましょう。野生の海獣は寄生虫や何らかの病気を持っている可能性があります。また野生の海獣は凶暴です。うかつに近づくと威嚇してくることもあります。むやみに捕まえたり拾ったりしないようにしましょう。実際2007年6月から7月にかけては野生アザラシに近づき過ぎた女性がかまれたり引っかかれたりして救急車が出動するという事故が相次いで起きました。野生の海獣には必要以上に近づかないように。まして触るのは論外です。

基本的にはアザラシは野生動物でむやみに捕獲する必要はなくそっと見守るのが原則です。

衰弱しているアザラシを見つけた場合、これもなかなか判断が難しいところ。”野生動物の生死に人間が干渉すべきではない、衰弱して死んだとしてもそれは自然のこと。”という考えのもと、放置するというのも正しい考え方だと思います。

”そうはいっても弱っている生物を見過ごしにできない”という人情もこれはこれで正しい考え。衰弱して海岸に打ち上がっているのを発見したら、最寄の水族館・動物園・獣医さん等の専門家がいる施設に連絡して指示を仰ぎましょう。これらの施設の連絡先がわからなかったら最寄の市役所・町村役場に連絡し相談するのも手です。

ただし、上述のとおり野生動物に必要以上に干渉しないという考えのもと、これらの施設や役所が捕獲に動かないというのも正しい一つの考え方だと思います。特にゴマフアザラシは一部地域では増えすぎることによって漁業被害が出ており、場所によっては駆除をしていますので。)

さまざまな立場の方の考えにも配慮を

海獣たちと人間の関係はとても複雑です。わざわざ海獣を見に行く方は海獣たちに対してプラスの感情をお持ちだと思いますが、すべての人が海獣に対して良い感情を持っているわけではありません。例えば北海道には海獣による漁業被害に苦しんでいる猟師さんもおります。海獣が好きな方もこの点は理解した上で、海獣ライフを送るべきと私は思います。

海獣観察に必要な装備

防寒対策

北海道は真冬は気温が氷点下になるのが普通です。さらに海獣の生息地は沿岸部なので風が強く、体感温度は恐ろしく低くになります。真冬ではない無雪期でも急に寒くなることもあるので油断は禁物です。防寒対策はしっかり!服装はもちろん冬靴・手袋・カイロなども用意したほうが良いと思います。そして一番油断して忘れがちなのが「耳」です。北海道の冬で風がある場所では10分も耳を外に晒しておくと痛くてたまらなくなります。耳あてがあれば一番良いのですが、忘れた場合や持っていなくてもタオルやマフラーを巻くだけでも結構防げます。これは海獣観察のための装備というか、北海道の冬の屋外活動を行う上では基本です。

双眼鏡

海獣捜索に必須のアイテムがこちら。双眼鏡です。海獣探しに必要な双眼鏡ですが、どのように選べばよいかわかりにくいものです。手ごろな価格(5000円以下から1万円くらい)で手に入る優秀な双眼鏡の選び方についてはこちらにまとめました。参考にしていただけたら幸いです!

海獣捜索の事前情報収集に使うサイト

少し古いサイトも多いのですが、ご参考まで。

気象情報の検索

気象庁|電子閲覧室(過去の20km間隔に設置されているアメダスデータと、気象台によって観測されている過去の気象統計データを最高一時間間隔で検索できます。すごい世の中になったも のです。訪問前に気温等を調べておくと便利です。)

気象庁|潮位表 (文字通り潮の干満を調べるサイト。)

Yahoo 天気情報-波予測アニメーション- (波の高さ・向きはどこの天気予報サイトにも出ていますが、ヤフーの天気情報が優秀なところは波の長 期予報をアニメーションにして波の変化を表示して直感的にわかりやすくしているところです。)

Yahoo 天気情報-風予測アニメーション- (上記の風速・風向きバージョン。)

国立天文台>こよみの計算>日の出日の入り (日の出・日没時間を検索できます。市町村レベルでの検索が可能だけどそんなに細かいのはいらないかも(^^;)

JWA-気象協会(気象協会提供の携帯電話対応の天気情報サイト。かなり細かい現在の各地の天気情報(気温・降水量・風向・風速)が一 時間おきに更新(多分アメダスと連動している)され、天気予報(風速・風向・波高情報あり)、さらに各地の日の出・日の入り、潮の干満情報まで無料でカ バーするサイト。モバイル用もあるのでアザラシ生息地の現場付近でも情報が入手できるので重宝するサイトです。

北海道内各地やアクセス道路の状況を画像で見られるサイト

北海道開発局 道路画像リンク集(北海道各地の国道に仕掛けられ たカメラから現在の道路の画像が見られるページ。道路が凍っているか一目瞭然。トップページのみリンクフリーなので、トップの上記メニュー内から「道路」 →左記メニューから「北海道の道路画像リンク集」へ入ってください。)

北の道ナビ【峠情報】 (北海 道の峠の画像・気温・風向き・路面状態が見られるサイト。厳冬期には重宝します。携帯版あり峠に差し掛かる直前まで情報をチェックできるのでそちらも忘れ ずに。携帯版へは最上部メニューにアクセス方法が書いてあります。北の道ナビトップページでは北海道内 での各市町村間の距離と時間検索もできるので重宝します。)

地図・ルート検索サイト

地理院地図・電子国土(日本国政府が整備している地図。二万五千分の一の地図では等高線も描かれ、岩場に接近するルートなどを検討するのに重宝します。下のGoogleマップでは3次的な地形は掴みにくい・・・)

Google maps (航空写真と連動し現地の岩場の状況なども確認ができる野で重宝します。その他ルート検索が可能で、ご存知ストリートビューで現地の道路状況も結構わかります。あまりに細い道はストリートビューでは写らないけども。)

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