10月24日、作家の北杜夫氏が亡くなりました。84歳とのことで最晩年はさすがに著作も少なく、氏の動向を伺う機会が減っていたものの、娘さんのエッセイや、友人の阿川弘之さんの娘さんの阿川佐和子さんとの対談などでお姿を見かけることがありました。
私は北さんの本が好きで数十冊の氏の本が実家に置いてあります。どくとるマンボウ航海記、青春記、楡家に輝ける碧き空の下で、天井裏の子供たち、さびしい王様、高みの見物、幽霊、木霊、白きたおやかな峰。。。印象深い作品はたくさんあります。そういえば松本の松高記念館にも行きました。氏の作品は私に大きな影響を与えてくれました。
引っ越しを繰り返していたので本は溜まった側から実家に置いてきていますが、中学の頃に買った新潮文庫の「どくとるマンボウ航海記」はよれよれになっていますが、ずっと手元にあります。北氏が「航海記」を出したのは昭和30年代ですから50年前の古い話。しかし全く古さを感じない文体。幾度となく読み返しましたが、久しぶりに、作中に出てくる「船が日本を離れる辺りに出てくる海の詩」が読みたくなりました。
北さんのご冥福をお祈りいたします。
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