北海道西部・日本海にある焼尻島のまたアザラシ たちが魚を食ったり、網を破ったりするなど漁業被害も出ています。焼尻島の5kmほど西にある天売島も同様にアザラシの越冬地でして、焼尻島と同じ問題を抱えています。
1年中居座ってるとしたらいつ行ってもアザラシがいるはずですが、やはり越冬アザラシのシーズンは冬です。そこで2006年10月27日に、そろそろ越冬アザラシどもが島に来たかなという思いと、真冬の訪問は天気も辛いし島内での移動に自転車が使えなくなるしという思いで焼尻島に行ってきました。焼尻島で は前述したようにアザラ シが漁業被害を出しています。よって被害を受けている漁師さんがいらっしゃるわけで、私も厳粛な面持ちで焼尻島に向かいます。漁師さんにとっては害獣をわざわざ見に来る観光客なわけですから。
焼尻島へは北海道本土の羽幌町からフェリーに乗って向かいます。(焼尻島も行政的には羽幌町に属します。)10月~4月は島へのフェリーは1日1便、午前9時発です。これに乗るためにまだ暗い午前5時半に札幌を出発。札幌~羽幌町は180kmほど。
羽幌のフェリー乗り場には8時半頃に到着。車は北海道に置いていき、車に積んできた折り畳み自転車を引っ張り出し、こいつで焼尻島内の移動をする予定で す。羽幌港発は定時の9時。焼尻島まで55分の航海です。運賃は2等で片道1530円。(私は学割で1200円ほどで乗りました。)
まだ暗いうちに札幌を出発します。時刻は午前5:30。 日が短くなったものです。写真は私が通った自動車学校の前で。
羽幌のフェリーターミナルにあったトドの剥製生首。
普通に展示していますが冷静に見るとすごい展示の仕方かも(^^;
天売島・焼尻島へのフェリー「おろろん2」
一ヶ月前に天売島に渡ったときもお世話になりました。
徐々に島が見えてきます。右が今回の目的の焼尻島。
左奥は先日行った天売島。
焼尻島のフェリーターミナル。
小型にして天売島と同型です。
焼尻島に上陸。
焼尻島は暑寒別天売焼尻国定公園に指定されています。
島に着き早速自転車を組み立てます。まずは動き出す前に港付近でアザラシ情報収集を、と 思ったのですが、この日は観光シーズンを外れているせいかお土産屋さんも観光案内所も閉まっていました。港付近には漁師さんがいっぱいいましたが、アザラシが漁業被害を出しているこの島の漁師さんに「アザラシを見に来ました。どこにいるのですか?」と聞くのも気が引けたので素通りします。
この付近は海岸に岩礁が続き、アザラ シがいそうな岩礁がずっと続きます。自転車で少し走って、断崖の上から岩礁を双眼鏡で一つ一つ確認しながら進んでいく、という作業の繰り返しです。これは時間がかかりました。これほどアザラシが転がっていそうな岩礁が続いているとは思っていませんでしたので。
地図を片手に焼尻島灯台付近をうろうろします。焼尻島灯台の西部にはサフォーク種の羊の牧場が広がっています。
焼尻島特産の羊。食肉用。
超高級食材です。
焼尻島の道。牧場までは2車線の道路が整備されていましたが、牧場から先はほぼ無人地帯。道も細くなります。
その辺をうろうろしていると、妙な訪問者 が気になったのか牧場の職員さんが話しかけてきてくださいました。こちらも「人を探して情報を聞かないと埒が明かないなぁ」と思っていたところなので非常 にありがたいです。アザラシを見に来たことを告げるといろいろ情報をくださいました。
岩礁はたくさんあるがアザラシは特定の岩礁でよく見かけるとのこと。その岩礁がよく見える断崖への行き方も教えてくださいました。ちょっとわ かりにくいがなんとなく踏み跡がついているそうですし、見たところ焼尻の海沿いの崖に生えている草の丈は低いようなので根性を出せばなんとかなるでしょ う。
牧場の職員さんは「この季節に観光とはご苦労なことだね」とちょっと笑っていました。そういえばこの日、観光客は全く見かけませんでした。平日だから仕方ないかな。職員さんにお礼を言って早速、件の岩礁がよく見える断崖の上まで移動です。
断崖の先端は道から少し離れているので自転車を道に置き、軽い藪のなかへ徒歩でわけ入ります。藪の中はサンダル、ハイヒール等で歩くのは不可。スニーカーも辛いかも。私は履き潰した軽いトレッキングシューズのようなもので行きました。ソールが磨り減っていたので、笹や茅のような草ですべり怖かったです。
藪の中で管理人の足元を写してみました。 10月で膝から腿くらいまで草が当たったかな。
私は身長があるのでこのくらいで済みましたが、 女性や子供はもうちっと辛いかも。
なおこの時は焼尻島では毒毛虫が大量発生中でした。訪問される方はその辺も十分にご注意を。
崖の上に出ると岩礁がよく見えました。アザラシのほうは確認できました!このアザラシを見つける瞬間が野生アザラシウォッチングの醍醐味ですね(^^)
肉眼でも確認できるので先日の天売島よりかなり近い場所に転がっています。とはいえアザラシまでは100~150mほど。肉眼ではゴマ粒程度にしか見えないので、双眼鏡は必須ですね。双眼鏡で確認すると6頭のゴマフアザラシが手前に転がり、その少し奥にさらに1頭転がっていました。
中央の岩礁がアザラシがよく上陸しているらしい岩礁。
断崖から最も直線距離の短い所で撮影するともろに逆光でした…。
アザラシが転がっていました!
中央に6頭写っています。が、逆光なのでまともに写りません。光の向きを考え断崖の上を右往左往します。
アザラシは転がっているだけなのであまり動きの無い動画です。
標高が高いので見晴らしが良いです。
このように沿岸に岩礁はたくさんあるのですが、アザラシがいるのは上記の写真を撮った岩礁のみでした。上記岩礁には彼らの居心地の良さを決める何かがあるのでしょうね。
断崖から道路に戻り、島を見るべく自転車を漕ぎます。
焼尻島はこの写真のように岩礁がたくさんあり、
どの岩にアザラシがいるのかわからないとアザラシ見物には苦労することうけあいです。こ
焼尻島の景観。雄大な景色です。
左奥の島は天売島。
島を一周する道路。
時間の都合で島一周はしなかったのですが、
かなりの激坂な予感…(^^;
少し島の内部に入ってみました。
羊の牧場(牧草地?)が広がって
その奥には林がありました。
この林が焼尻島で有名なオンコなのでしょうか。
広葉樹も混じってたし遠かったのでよくわかりません。
海岸沿いの空き地に止めて自転車を撮影。
思えばこのような理由で私の元にやってきた彼です。まさしく本領発揮。DAHON社BOARDWALK D-7。安いモデルですがよく走ります。
港に戻りフェリーへ。わずかな滞在でしたが
最低限の目的は果たせたかなという気持ちです。
また行きたいなぁ。
今度はゆっくり来たいですが果たして願いはかなうのか…。
本日のお供。
日帰りなので身軽身軽。
かばんには財布と双眼鏡とデジカメと予備の電池とスタンプ押印用ノートくらいしかはいってないです。
駆け足な訪問でしたがひとまずアザラシを見ることができて満足です。ただ島の東側と南側の一部しか回っていないので他のとこにもアザラシがいたかもしれない。
それからここで紹介したアザラシの観察場所は断崖の上でうっかり落ちると死ぬかもしれません。その辺のところは十分に留意してください(^0^)
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