先回に引き続き、伊勢神宮旅の続き。
近鉄伊勢市駅からも歩いて10分くらいの市街地の近くにある伊勢神宮の外宮。門前には勢いよく幟が翻っています。
伊勢神宮では式年遷宮の一連の行事の中の一つとして「御白石持行事」の最終日で外宮。御白石持行事とは「お白石持行事」は、新しいお宮の敷地に敷き詰める「お白石」を奉献する民俗行事」で多数の市民が参加する行事。市民が参加する最大の遷宮関連の行事でその最終日ですから大変な賑わいになっています。
白装束に身を包んだ集団がひっきりなしにやってきます。一集団100~300人くらいで、それが途切れることなくやってきますので大変なことになります。白装束を着ていない我々のほうが圧倒的マイノリティ!
これ、伊勢神宮だからみんなためらいも無く参加しておりますが、変な新興宗教がやってたら多分白い目で見るんだろうなぁ、、、という気が無きにしも非ずです。。。
皆さん白い石を布に包んで持って行きます。こういうのはじいさん・ばあさんがやっているのかと思いましたが、そんなことも無いようで。世話役はそれなりの年の方が勤めているようでしたが、一般参加者はそんなことも無く案外若い茶髪のお姉ちゃんや兄ちゃんが参加していました。白装束を着ていないときは普通にオサレな感じの若者なのでしょう。こういうので文化が受け継がれていくのを見るのは嬉しい。
真新しい鳥居の前で一同がお払いを受けている様子。この後、境内に入っていくので私もくっついて外宮内に入ります。
日が差し込むと境内は大きな木も多く緑がきれい。この写真は現在のお社の前で。
外宮の門前。お祭りです。なお、この界隈のユニクロの白いパンツの売り上げが全国トップを記録したとかそんな話を聞きました。(気になって調べたらこんな記事がありました。全国トップではなくても相当の売り上げなんでしょうね。お白石持ちパンツとか売り出したらよく売れそうです。ただし20年に一度しかビジネスチャンスは着ませんが。。。)
石を引いているのはコマツの重機。こういうの好きです。日本の文化と産業が融合し、日本の神様の大らかさを象徴的な風景ぽくて、とても素敵だと思います。軽トラをデコレートした神輿とかも好きです。
外宮門前の赤福店舗で赤福氷を食べる。
なかなかの盛り。歩きつかれた体とお白石持行事の熱気にやられた体に沁み入ります。
抹茶味のか氷の中に赤福が二つ。
伊勢神宮を後にして二見興玉神社へ。古来、伊勢神宮に参拝する前、また、祭典に奉仕する前には、清き渚と称される二見浦で禊(沐浴)を行うのが慣わしとのことですが。今回の参拝は内宮→外宮→二見浦というコースで逆コースで申し訳ない。。。写真は二見浦のシンボリックな「夫婦岩」。案外小さい。。。
夫婦岩が象徴的な場所なので絵馬には夫婦円満、恋愛成就関係のお願いが多い。若いカップルにありがちな「これからもラブラブでいようね」的なものから、それなりのお年を召されたご夫婦の「新婚旅行で来て以来、30年ぶりの訪問です。これからも夫婦円満で幸せな家族でいられますように。」といったものまで、それぞれの願いが込められた絵馬が海沿いのさわやかな風にからから音を立てている様はなかなか風情がある光景。
二見といって忘れちゃいけないのがここ。時間の都合で寄れませんがまた来ましょう。後ろ髪を惹かれる想いで後にします。また来る理由を残しておくことも大事。
鳥羽から関東を目指して戻ります。帰りも名古屋を通らず、フェリーで渥美半島先端の伊良湖岬へ。
フェリーターミナルで買った伊勢神宮遷宮記念ワンカップ。
米と麹だけから作った純米酒。
フェリーから見えるのは三角形の神島。三島由紀夫の「潮騒」の舞台になった島。
フェリーには伊勢湾でイルカを見えることがあると掲げられていたので、疲れた体にムチを打って甲板で頑張っていたのですが結局イルカは見えず。。。
伊良湖岬が見えてきて、上陸です。なかなか高さのある岬。
フェリーターミナルにあった椰子の実掲示板。石垣時代、なもしらーぬ、とおきしーまよりながれーよるやしのみひとつーの島崎藤村の歌になぞらえて、石垣島を遠き島に見立てわざわざ椰子の実を流しに来るロマンを感じる集団を見かけましたが、それがここの伊良部岬の人々だったとは!
私も色々たどってようやく伊良湖岬まで流れ着いたわけですが、岬というのは陸に暮らす人間から見れば大多数の人から見たら端っこもいいところで、観光くらいにしか来ないわけですし、私にしても伊良湖岬に再び来ることがあるかなというくらいですが、海を流れる植物や海洋動物にとってはむしろ陸の最先端で陸を見つけるアンテナ的な位置。種やいろいろなものが流れ着く、進化の最先端かもしれません。
伊良湖岬のバスターミナノ。ここからは路線バス、ローカル私鉄、新幹線を駆使して横浜に帰ります。
お家について朔日餅を開ける。萩の餅。おはぎです。日本茶と共にいただく。
甘さ控えめの上品な味でした。甘いものが苦手だけど美味しくいただくことができるほどおいしゅうございました。
さて、伊勢神宮の次の式年遷宮は平成45年。伊勢神宮はすでに次の遷宮を見据えて材木の確保などに動いています。それどころかその次の次の次の次の平成125年くらいを見据えているはずです。お白石もち行事は伊勢の人に受け継がれていることでしょう。私一匹の視点で考えるとあと何回遷宮を見ることができるかですが、、、、人生の儚さと人の営みの永続性に襟を正す思いです。
旅の最中に立ち寄った鳥羽水族館の様子はこちら。
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