年も明けて平成30年。平成もついに30年になったかと思うと年をとったな、と改めて思います。平成20年とか2008年とか最近な気がしますが、10年前になるのですね。今年はどんな年になるのかな。昨年は一度も海獣の”ひれあし”を見ずに終わってしまったので、願わくばサイトのタイトル”海獣記”という名前どおりひれあしの海獣を見たいと思います。2018年もよろしくお願いいたします。
さて私の年末年始は単身赴任先の九州から、娘と妻が帰省している義実家がある四国方面に旅立つことにしました。2017年は公私共に忙しく、ろくに一人旅も出来なかったという想いと、妻子が実家に帰省しているので少し旅をしてから向かっても許されるのではないかという甘えから、遠回りの一人旅をして九州から四国に向かうことにしました。
ルートはこんな具合です。本州に上陸してからは日本海側を延々と東へ向かい、山陰の米子から山陽へ縦断しさらに四国へ渡るというもの。
下関から日本海側を回るルートを取ったのは二つの理由があります。
一つは鉄道紀行作家の宮脇俊三氏の著書『旅の終りは個室寝台車』の最初の”にっぽん最長ローカル列車の旅”の章で「偉大なるローカル線」と表現された山陰本線の雰囲気と、この章で宮脇氏と相棒の編集者が早朝の門司・下関を出て延々と東に向かっていく長距離鈍行列車の旅の雰囲気を味わいたかったこと。
もう一つの理由はこれも鉄道関係の著書が多い作家の阿川弘之氏の著書『南蛮阿房列車』の”アガワ峡谷紅葉列車”の章で、自身の苗字と同じカナダのアガワ渓谷を訪ねる、、、という旅行記の中で、自身の出自である山口県山陰本線の山間の小駅として「阿川駅」があることが紹介されてあり、阿川駅とカナダのアガワ渓谷の祖先たちがつながっているのではないかという想像をされており、これを読んで阿川駅を実際に見てみたいと思っていたのです。
西国の防人の任も終焉に近づき、ぼちぼち帰還命令が出て来そうなタイミングになってきております。東国からはなかなか行きにくい本州最西端山陰側、2017年の年末年始を逃したら一生行けないかもと思いまして、駆け足にだけど思い切って行ってみることにしました。
前置きはこのくらいにして、旅立ちは2017年12月29日。私の仕事納めは前日28日なのですが、仕事が終わらず29日も泣きながら半日出勤した後に午後の博多駅にやって来ました。ようやく東へ向かいます。
博多駅2番線から門司行きの快速に乗りこむ。
今回の切符は青春18切符。学生時代に札幌から2500円分くらいで新潟まで帰ったりするなどでお世話になった懐かしい切符。今は自動券売機で買えるのでした。しかし券売機で買ってみるとやたら発券されるので焦る。
合計8枚(↑のほかクレジットカードの控えがありました)。切符本体は左下1枚で済むのですが、アンケートが2枚、注意書きのような物が4枚も出てくるたいそうな物です。しかし”旅客鉄道会社全線”の文字が限りない自由感を与えてくれる。
小倉駅で本州に抜ける下関行きに乗り換え。関門海峡をくぐります。
九州を脱出して本州へ!まだ日も暮れておらず、なのですが、山陰本線を東進するのは宮脇氏の”にっぽん最長ローカル列車の旅”に倣い、早朝の列車に乗ることにしたので、本日は下関で投宿。
駅を出ると、すぐ近くに釜山門。
下関からは韓国・釜山市への国際航路である関釜フェリーが出ています。韓国っぽい店もさすがに多いので駅前にもこんな門があるのかな。
、、、下関の町をウロウロ撮影してしているあたりでカメラのトラブルが発生です。いや前からたびたび同様トラブルは起こっていたのですが、ここにきて発生頻度が多くなり、いよいよ駄目かなと。どんな調子かというとカメラにつけてきたレンズ(Canon EF50mm F1.8;通称”撒き餌レンズ”)の調子が悪いのです。シャッターを切ると3回に1回くらいの頻度で”カメラとレンズの接点エラー”表示が出てしまうのです。これがなかなかのストレス。タイミングを見てシャッターを切ったのにエラーが出て撮影できないとモヤモヤすることこの上ないです。エラーメッセージに従い接点を磨いたりしますが改善しない。うーん。。。せっかく娘に会いに行くのにエラーで撮りたい写真が撮れないというのも嫌だし、我が家の撒き餌レンズも購入してから8年半になる代物の旧型で、ぼちぼち寿命かなとも思います。
さて、どうしたものか。もう旅に出ているのでネット通販で購入するわけにはいかず、実店舗で買うしかありません。この九州を含む西国付近で一眼レフ用のレンズの在庫が品揃えが豊富なのは、、、おそらく博多駅前のヨドバシカメラ。そして手にはJR全線を乗り放題(普通・快速に限りますが)の切符。まだ日暮れ前の17時くらいのタイミング。ヨドバシカメラの営業時間は22時まで。下関からは約1時間半~2時間の距離。
、、、これらの条件からして戻るしかありません、出発地の博多駅に。
ということで下関駅に戻ってきました。
駅の売店で地酒ワンカップを買い、九州・小倉行きの古い普通列車の車両に乗り込みボックス席で景気付け。
購入した酒は地元山口県の岩国市の酒井酒造の”五橋”という銘柄のワンカップ。やはりぼろい列車にはワンカップです。
下関から博多への移動の間、スマホでカメラのレンズの情報を集めます。当初は私が持っているCanon EF50mm F1.8の新型を購入しようと思っていたのですが、本当に欲しいレンズはこれなのかと自問自答します。
私が使用しているカメラはCanonの7DMark2です。正直APS-Cサイズの7DMark2で娘など人を撮影するに使うにはもう少し広角のレンズが欲しいところです。室内での娘撮りを考えると明るいレンズが欲しく最低でもF1.8は欲しい。撒き餌レンズもこの価格の割にはすばらしい写真が撮れると思うけど、せっかく買うならもう少し自分のニーズにマッチしたレンズを買ってもいいんじゃないかなーと。。。ワンカップで酔っ払って気も大きくなっているし。
博多⇔下関を1往復半して、下関の本日の宿に落ち着いたのは22時半頃。そして小汚い旅行用ザックの中に入っていたのはこのレンズ。
購入したのはSIGMA DC 30mmF1.4。上述条件で手ごろな値段で買えるレンズとなるとこれのほぼ一択で、衝動買い。クリスマスも関係なく働き、久しぶりに仕事から解放され旅行に出ているので、気も大きくなったのでしょうね。
下関のホテルで開封。
フードとケースがついていました。フードはともかくケースはいらないかな、私は。。。まだ旅は始まりですがザックに詰め込む物が増えてしまいました。
30mmF1.4は博多のヨドバシカメラで39000円ほどで購入。10%がヨドバシのゴールドポイントになります。このポイントを利用してmarumiの保護フィルターも購入して来ました。撒き餌レンズの2倍以上の価格になりますが一眼レフのレンズにしては安価なレンズです。
下関のビジネスホテルの部屋で追加で買った酒を飲みながら試し撮りをしたりします。やはり30(×1.6)mmの画角は人間の視界と違和感がない。明るいところでもシャッター速度が速いし、カメラの液晶に”F1.4″と今まで見たことが無い数字が出るのもうれしく、翌朝は5時起きにもかかわらず結構遅くまでニヤニヤしながら一人で盛り上がってしまいました。しかしビジネスホテルのシングルルームは何故あんなに楽しく盛り上がれるのかと思います。
出張に出てもビジネスホテルのコンビニの酒とツマミの一人酒盛りは最高です。
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