2024-2025シーズンの冬も深まってまいりました!この季節になると、北海道内はもとより全国津々浦々のアザラシ好きたちが野生のアザラシを求めて北海道の海岸へ繰り出すことになります。
冬の北海道でアザラシが転がったり泳いだりしているのは、吹きさらしの海岸。彼らの体はぶ厚い脂肪に覆われており、北海道レベルの寒さなら平気な顔で転がっておりますが、人間側はそれなりの装備を用意して臨戦態勢を取らないと、快適に観察ができないどころか死に至りかねません、、、。
私も冬の北海道で野生のアザラシの観察や撮影を20年くらいしてきましたが、私のアザラシ観察の歴史は、防寒装備の試行錯誤の歴史であります。その試行錯誤は現在も続いているのですが、防寒装備の中でも最重要アイテムが手袋です。防寒用の服なども重要ではあるのですが、ある意味服は厚着をすれば何とかなるのですが、手袋は防寒性と機能性の両方が求められるのです。
真冬の北海道のフィールド下では素手では数分も持たずに指が動かなくなるので、手の防寒はとっても重要です。一方でアザラシ観察のために双眼鏡を使いたいし、記録のためにカメラ、スマホなども操作したいので指を軽快に動かしたい。最近のスマホやカメラなどはタッチパネルで動くのでそのような操作性もとても大事。これらを両立させる手袋はとても重要なアイテムなのです。
今回は真冬のアザラシ観察・撮影時の手袋について何個か紹介してみようと思います。真冬の北海道で野生のアザラシや動物を撮影をしたいという同好の方、流氷観察や冬のアクティビティ体験に行かれる方、そこまでいかなくても真冬のオホーツクとっかりセンターや旭山動物園などのアザラシ施設(北海道の水族館・動物園は屋外率高いです)の訪問を検討している方の参考になれば幸いです。
北海道の真冬のアザラシが転がる海岸はどんな環境?
まず装備の前提となるアザラシがいる真冬の北海道の海辺の環境ですが、だいたい↓な感じを想定しておけば大丈夫です。
アザラシが生息する海辺は、北海道の内陸・高山に比べれば比較的気温は高めです。海のおかげですね。厳冬期でも最低気温はだいたいマイナス10度で、冷えてもマイナス15度前後。マイナス20度に行くことはまずないでしょう。それに最低気温になるのは夜間や明け方ですから、日中はマイナス5度~マイナス10度くらいでしょうかね。
このように気温は内陸部や山間部に比べて暖かめなのですが、海沿いなのでは風はビュービュー吹きまして、体感温度は低くなりがちなので、防風面もよく考える必要があります。
、、とそんな感じの環境ですが、厳冬期でない晩秋や早春期ならそこまでハードな装備ではなくても十分なこともあるわけで、訪れたフィールドの状況で手袋はこまめに変えましょう。具体的なものを紹介していきます。
最酷寒の撮影用の装備:メリノウール グローブ タッチ(モンベル)×フィンガースルーミトン オリジナル(AXESQUIN)の二枚重ね
まずは最酷寒な環境で使用する手袋から紹介。酷寒時は以下2つの手袋を重ねて使用します。手袋重ねは厳冬期の雪山登山と同じような考え方ですね。
・インナーグローブ:メリノウール グローブ タッチ(モンベル)
二枚重ねの内側に着用するのがインナーグローブ。これはモンベル社の「メリノウール グローブ タッチ」を使っています。モンベルのロングセラー的商品。メリノウール生地で、これだけでもそれなりに暖かいです。そして、この商品の魅力は手袋をしたままタッチパネルを操作できるので、撮影時には便利!値段もそこまで高くないです。(2200円:2024年12月現在) 手袋したままスマホやカメラのタッチパネルを操作できるのは本当に便利。
私が使っているのは極めで普通な色の黒。Lサイズを使っています。
モンベル製品は使用している方が多くて、ちょっと引くくらいではありますが、やはり値段と品質のバランスを見ると、使用している方が多いのも理解できます。
欠点は、生地は耐久性には乏しい感じなところ。数年サイクルで買い替えです。値段もそこまで高くないので消耗品のような扱いです。あとさらさらした生地で手触りは良いですが、滑り止めは無く双眼鏡やカメラのグリップはいまいちなので落下させないように気を付けなければなりません。
・アウターグローブ:フィンガースルーミトン オリジナル(AXESQUIN)
二重の手袋の外側に着けるのがアウターグローブで、これが重要です。私が使っているのはAXESQUIN(アクシーズクイン)というブランドが出している「フィンガースルーミトン オリジナル」という商品です。見た目はこんな感じ↓
この商品を見つけた時は小躍りしてしまったくらい、おすすめの商品です。
というのは、上でも書いた通り、北海道の屋外で二重に手袋をしつつも、アザラシを観察するために双眼鏡をのぞいたり、ちょいちょいカメラやスマホの操作をするような操作のしやすさも重視なのですが、このミトンはそのようなわがままに応えてくれる工夫があるのです。
ミトンの側面にファスナーが付いていて、そのファスナーを開けると、、、、
にゅにゅにゅーーっと手袋の中の親指を除く4本の指をエイリアンの子供のように手袋の外に出せるのです。
親指以外の指を出すとこんな感じ。
インナーグローブ(をしてなければ素手)越しにでカメラやスマホをちゃちゃっと操作することができます!そして、指を出して操作したら、またミトンの中に指を引っ込めるのが簡単なので、そこまで指を冷やすことはないです。指を4本出すこともできますし、そこまで不要なら指を2本だけ出したり、何なら指1本の先っぽだけ出す、といううようなこともできます。これは真冬の屋外で撮影なども行う際にはとても便利。
ミトンの脇のファスナーもYKK製の止水性のファスナーで造りもしっかりしています。
値段も7000円程度で、この手のアウトドア手袋としてはかなりのお手頃価格帯の商品だと思います。
なおミトン型なのでサイズ選びがちょっと難しい。特に手袋を重ねて着用する&オーバーグローブとして、こちらのミトンを使うなら少し大きめサイズを選ぶのが良いと思います。
東京駅直結の大丸の中に「AXESQUIN 東京ハナレ」というなんというか直営ショップまではいかないけど、石井スポーツの中にAXESQUIN製品を多く扱っているコーナーがありまして、実物を見て選ぶことが出来ます。私はインナー(上で紹介したモンベルの手袋)を付けて試着した上で、Lを選びました。私の手のサイズは通常の男性サイズ程度だと思うのですが。
なお「AXESQUIN(アクシーズクイン)」は日本発のアウトドアブランドで公式サイトによると「1988年にフィッシングブランドを展開する株式会社双進から、子会社として登山用ウェアメーカーの株式会社アクシーズクインを設立。登山用ウェアブランド「AXESQUIN」を展開。」とのこと。サイトを拝見すると癖強の一風変わったアウトドア商品も展開していて、面白いです。フィンガースルーミトン自体もファスナーで開閉ができ手袋の脇から指をにゅにゅっと出すアイディア商品。このような商品はなかなか他では見ませんし。
今のところ、メリノウール グローブ タッチ(モンベル)×フィンガースルーミトン オリジナル(AXESQUIN)」の二枚重ねが真冬のアザラシ撮影時の手袋としてはベストかなと思っております。
最近ではタッチパネルの操作が可能な防寒カメラマン用手袋も出てきていて、ビックカメラやヨドバシカメラなどでも売られています。そういった製品も「アリ」だと思います。ただインナー手袋でスマホやカメラの細かな操作が可能である機能性と高い防寒性を「メリノウール グローブ タッチ(モンベル)×フィンガースルーミトン オリジナル(AXESQUIN)」以上に両立していそうな商品はまだ私は見つけていません。
他の手袋①:定番中の定番!「防寒テムレス」(ショーワグローブ)
防寒作業手袋の定番、ショーワグローブ株式会社の「防寒テムレス」。北海道でも真冬の屋外作業従事者の方がよく使っていますし、何より値段も1500円くらいのコスパ最強の手袋です。
私も防寒テムレスは持っております。もちろん真冬の北海道の屋外で使える防寒性を持っております。
ですが、私がメインで使用しないのは、手袋をしたままカメラのボタン操作などの細かな操作はしにくいのと、手袋をしたままタッチパネル操作やスマホ操作はできない点で、上で紹介した組み合わせより使い勝手が劣るのです。カメラの細かいボタン操作やスマホやタッチパネルを操作しようとすると手袋を脱ぐしかありません。防寒性は問題ないのですが、このような細かな作業は出来ないので出番は減りました。
「細々としたカメラやスマホの撮影は行わない、基本双眼鏡で観察する程度の操作性があればよい、防寒性重視!!」ということでしたら防寒テムレスは最強手袋かもしれません。
他の手袋②:WORKMAN(ワークマン)で購入した激安手袋たち
酷寒時には上で紹介した「メリノウール グローブ タッチ(モンベル)×フィンガースルーミトン オリジナル(AXESQUIN)」を使いますが、正直そこまで冷えこまない晩秋や早春の頃はコスパ重視の楽な手袋で済ますことも多いです。
そんな手袋たちを紹介します。↓左の手袋と真ん中の手袋は作業服や最近はオサレかつ低価格なアウトドア服も出しているWORKMAN(ワークマン)で買った手袋。右は一つ上で紹介した「防寒テムレス」ですが、これもワークマンで買いました。
左の物は200円位の手のひら側全面にゴムの滑り止めが付いている薄い激安作業手袋です。気温5度~10度くらいで風が無ければこれ一枚で十分。物をつかんでも全然滑らないので双眼鏡やカメラをホールドしやすいですし、ボタンやダイヤル操作もしやすい。タッチパネルは非対応ですが、、、。
真ん中の手袋はさらに暖かい時の手袋で、気温10度前後で風が無ければ使うやつです。覆われているのは手の平と甲の部分だけで、指先は外に出るタイプの手袋です。お値段はなんと衝撃の99円でした!もちろんカメラや双眼鏡の操作はとてもしやすいです。
他の手袋③:激安!Can☆Doの「エンボス付き指切り フィットグローブ」
100均で売っている手袋もそこまで気温が下がらなければ使えます。これまで使った100均手袋の中で具合が良かったのが、Can☆Doで買った「エンボス付き指切り フィットグローブ」です。
値段はもちろん110円!これも安い。右利き用で、右手の親指と人差し指と中指の先が切られているので、スマホ操作やカメラの細かな操作をやりやすい。滑り止めも付いているのでカメラや双眼鏡のホールド性も高いです。
防寒性能はそこそこで、耐久性も高そうではないので、北海道遠征のためにあえて買う必要はないように思いますが、緊急時や使い捨て感覚で使うならありかな?
アザラシ手袋ライフまとめ
野生のアザラシ観察・撮影時の手袋事情はこんな具合です。私自身もこれまで、作業用手袋、カメラマン手袋、そしてアウトドア用の手袋をいろいろ使ったり検討したりしてきて、今のところ「メリノウール グローブ タッチ(モンベル)×フィンガースルーミトン オリジナル(AXESQUIN)」にたどり着いていますが、まだ試行錯誤中でもあります。より防寒性が高く、より使い勝手が良い手袋がないかを探し求める旅に終わりはないのです。
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