(改訂のお知らせ:従来の流氷速報に使われている衛星画像へのリンクを張り、記事に大幅に加筆を加えました。タイトルも変えました。)
北海道北東岸に流氷が近づいてきているようです。流氷情報サイトを載せておきましょう。
おすすめ流氷分布速報サイトはこちら。
オホーツク海の海氷分布(毎日更新)
赤い場所が流氷が厚い場所を表します。
これは日本の宇宙開発事業団(NASDA 現在はJAXAに統合)が開発したAMSR-Eセンサで流氷を観測しているそうな。
従来の観測方式よりこいつの観測がすごいところは、「夜間でも雲が出ていても観測ができるということ」です。
AMSR-Eによる観測の原理は「地上からの微弱な電波(マイクロ波)を複数の周波数帯で高精度に観測する」とのこと。
また流氷の他にも黒潮の状態やエルニーニョ現象の状態、水蒸気量、雲水量、降水、海面水温、海上風速、積雪、土壌水分なんかもわかるそうです。
この技術を突き詰めていけば宇宙から全ての気象情報がわかってしまうのですかね。風速・降水もわかるとしたらAMEDASがいらくなるかもしれませんね。
アナログチックなAMEDAS好きな管理人としては寂しい限りですが…。AMSR-Eは気温観測は無理なのかな?でもAMEDASの存在価値が気温だけというのも寂しいですし、気温も衛星から観測できそうなもんです(^^;
去年もこのブログ辺りで紹介したかもしれませんが、現在のところ、一番メジャーな流氷分布速報といったら第一海保の流氷情報センターのものでしょう。
(http://www1.kaiho.mlit.go.jp/KAN1/1center.html)
ただ、ここのデータは「雲の影響で観測が不可」ということが多く、もどかしい思いをすることもありました。
ここの流氷分布図は衛星に搭載された人間の目に近い(マイクロ波という怪しい物を観測するAMSR-Eよりはという意味で人間の目に近い…)MODISという光学センサの観測データを用いているので雲の影響を受けるわけです。
流氷情報センターの速報図の基になるMODISが捉えている画像は、以下のサイトで見られます。
Terra衛星MODISによるオホーツク海の海氷観測(毎日更新)
人間にとってはAMSR-Eよりとっつきやすい画像だと思います。さすが光学センサ。(かなり補正されているはずですが…)
今日(1/16)の画像だとサハリンの東に流氷があるのがはっきりと写っています。
でも雲の影響で見えなくなっている部分もあります。
冬は雲が出る日も多いので、流氷マニアにとっては雲の影響を受けないAMSR-Eのもたらす情報はありがたいです。
専門ではないのですが、AMSR-Eの凄さはなんとなく伝わってきました。観測機器も進歩して流氷速報の精度もよくなって欲しいです。
各観測用センサについては、私が怪しい説明をするのも気が引けるので、詳細については下記サイトをご覧ください(^^;
NASDA内 AMSR-Eとは
http://www.nasda.go.jp/projects/sat/aqua/index_j.html
JAXA内 AMSR、AMSR-Eのページ
http://sharaku.eorc.jaxa.jp/AMSR/index_j.htm
JAXA内 MODIS Near Real Time Data MODISのいろいろなリアルタイム画像が見られます。
http://kuroshio.eorc.jaxa.jp/ADEOS/mod_nrt_new/index.html
MODISとは?
http://www.fisher-info.com/info/modis.htm
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