先回のエントリーでは書斎用の椅子として、ハーマンミラー社の”成功者の椅子・アーロンチェア”ではなく、飛騨産業さんの”腰にやさしい椅子”を選んだ話を書きました。
“腰にやさしい”というポイントは、腰にメスを入れて15年以上腰痛と付き合っている私にとって、椅子選びのとても重要なポイントだったのです。また団地の小さな書斎には大柄なオフィスチェアのアーロンチェアは辛いか、、、という事情もありました。
そして飛騨産業さんのショールームで何度も試座して、すわり心地もデザインも納得しての購入です。
昨年7月上旬の正式発注から約1か月後の8月。いよいよ我が家に”腰にやさしい椅子(スライド&ロールタイプ)”がやってきました!
我が家にやってきたのはこちら。
武骨な”椅子っ”という見た目なのですが、逆にすっとぼけている表情にも見えてきます。
さて、私が購入した”腰にやさしい椅子(スライド&ロールタイプ)”は背当てには大きな節が入ってあります。
節があっても強度が大きく変わるものではないですが、これは”背板 節あり”タイプを選んだためです。”背板節なし”指定より5000円安いです。この腰にやさしい椅子(スライド&ロールタイプ)は以下のように座面の高さと節の有無指定で4タイプの発注の仕方があり、さらに座面の素材や縫製で値段が変わります。
背板 節あり ロータイプ(座面42cm) |
72,000円 | 背板 節なし ロータイプ(座面42cm) |
77,000円 |
背板 節あり ハイタイプ(座面44cm) |
72,000円 | 背板 節なし ハイタイプ(座面44cm) |
77,000円 |
(これは座面の素材が一番安いタイプで、私が購入した当時の値段表です)
私がこの椅子を気に入ったポイントは”腰にやさしい”というコンセプトや座り心地、デザインのほかにもう一点あります。
それはこの椅子は座面高が低めの42cmタイプと高さ 44cmタイプの選択ができること。上の値段表で”ハイタイプ”と”ロータイプ”と書かれているのがこの違いです。メーカーにとって、座面の高さを選択できるようにしているのは、めんどくさいと思うのです。しかしそれを製品として実現させる飛騨産業さんの姿勢は素敵です。座面高はわずか2cmの差ですが、これが侮れなくて、座るときの座面の高さの差は地味に長時間の座り心地に影響してきます。特に無駄に身長がある私は日本の一般的な椅子の座面高さ(40~42cm)だと「低いな、、」と思うことが多いのでとてもありがたい。
節ありタイプを選んだので、我が家にやって来たこいつにの背板に木星の大赤斑のような模様があります。これがこの椅子の表情を作っており、私は好きですが、好みは別れるかな。
後ろから見ても武骨で可愛い。
この腰にやさしい椅子の材料はナラ材。ミズナラは日本にも自生していますが、この椅子では外材(確かロシアかドイツ)を使っているとのこと。我が家の木材はなるべく国産材を使おうということでやっていたのでこの点は少し残念。ただ素材の木材に何を使うかはその時々の木材市場や動向の影響を受けると思われるので、いつもナラ材なのか、さらにそれが国産材か外材かは変わるかもしれません。
腰にやさしい椅子は岐阜大学の整形外科の先生、県の研究機関と飛騨産業さんが共同開発した意欲的な製品。しかし2016年2月現在、”腰にやさしい 椅子”とgoogleで検索しても、この商品のオーナーさんのブログやコメントはほぼ引っかからないので、あまり売れていないのかな、、、と余計な心配をしてしまいます・・・(^^;
飛騨産業さんはこの”腰にやさしい椅子”シリーズを出し続けています。腰にやさしい椅子は公式サイトにあるとおり、座面の形状で4タイプが出ており、初代は座面の後ろが競り上がっているタイプ。2代目は初代の背面のせり上がりを段階的に固定できるタイプ。3代目が私が購入したタイプで座面が前後に傾いてスライドするタイプ。私が購入したとき、ちょうど4代目モデルとなるFreikline-360が発売になった頃で、これは座面がバネに応じてどの方向にも傾くタイプ。
私は4代目を含め、すべて試座して3代目を選びました。4代目は、私にとっては自由に座面が動きすぎて逆に腰に負担をかけるような感覚でした。腰にやさしい椅子シリーズは現在でも4タイプが並行して売られているので、試座して自分にあったものを買うべきなのでしょう。どれが良いかは人によって変わるかと思います。。
↓が私が購入した3代目の腰にやさしい椅子の座面の可動部の仕組み。
簡単に言うと、座面の下部がソリのようになっていて、ガイドの上を荷重方向に応じて前後に動いて傾くというものです。バネで止まっており、腰を浮かすと定位置に戻りますし、つまみで傾いたまま固定もできるようです。座面の固定は普段は使わないですが・・・。
私の書斎に置いた腰にやさしい椅子。肘置きの高さも机の高さにぴったり。 オフィスチェアのようにキャスターは付いていないですが、本体が軽いので椅子を引くのも問題ないです。小さな書斎ですから椅子に座ったままの移動もしませんのでキャスターは要らない。
無垢材の床なのでやはり木の椅子が似合うと思います。
さて、以前の書斎のエントリーでも書いたのですが、この椅子個体が我が家にやってきたのは偶然も混じっています。
”あらら、、、”と思って飛騨産業さんに連絡したところ、”すぐに注文通りの茶色の座面のものを届けるが、受注生産なので新しい物を届けるまで二週間程度かかる。新しい椅子が届くまで黒い座面の椅子を使っていてほしい、、、”ということになりました。まぁミスは誰でもあるし、そのフォロー対応も感じがとても良かったので、特段腹も立ちませんでしたが、ともかく黒の座面の椅子を書斎に運び込みました。
しかし、私の書斎にはパソコン本体、パソコンのモニタ、マウス、キーボード、カメラ用防湿庫等々、黒いものが多く、黒の座面の椅子はむしろこういう黒物と相性が良いように思えてきます。それに我が家に間違ってやって来たこの椅子には背当板に良い表情の節もあるし、逆にこれと交換した椅子に気に入らない節が入っていたら嫌だな、、、とも思います。
ということで、この黒座面椅子が届いた翌日、飛騨産業さんに再度電話し、誤って届いた黒い座面の椅子を気に入ったので取り替えなくて良い旨をお伝えし、間違ってやってきたこの写真に写っている椅子は正式に我が家の一員になったのでした。
これもひとつの縁だったのでしょうね。
そして7月の購入から半年近くたった頃、飛騨産業さんから一通の封筒が届きました。中を開けると椅子の10年保証書。椅子は家電製品のように壊れる可能性は低いと思いますが、特に私が買った腰にやさしい椅子(スライド&ロールタイプ)は座面が前後に動く可動部を持つので、普通の椅子より壊れるリスクが何倍もあるような気がしますが、それでも10年保証なのが素晴らしい。
さて我が家に腰にやさしい椅子。この椅子は試座した時の直感どおり、至極快適。長時間PCの前で作業をしても腰も悲鳴を上げませんし、とてもがっちり作られているので座っていても安心感があります。安心感があるので、見る度になにかほっとする気持ちになり、書斎にこいつが待っていてくれるのが嬉しい。もちろん今この瞬間もこの椅子の上に座って、この文を打っています。
おかげで小さな書斎は寛げる空間になりました。
次回はダイニング用の椅子と同様、悩みに悩み抜いてその挙句に購入したダイニング用の椅子を紹介したいと思います。
今回出てきた椅子。この素敵な商品はもっと広まれば良いなと思いますし、この零細ブログでも取り上げるのも椅子を迷っている方の一選択肢になれば良いなと思います。でも購入は絶対に試座してからの方が良いです。私は東京・神谷町の飛騨産業さんのショールームで試座しました。椅子は人を選びますので。。。
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