我が家にはダイニングテーブルには四脚、書斎に一脚の椅子がおります。全てリノベーションした部屋に引っ越してきてから吟味して選んだ大切な椅子たちです。
そして、一脚目にやってきたのが今回紹介する「鉄と革の椅子」です。この椅子以外の四脚は独立したエントリーで紹介済みなのですが(^^;、最初にやってきたこの椅子はいまだ紹介しておらず、不遇を託っていた可愛そうな椅子です。今回は張り切って紹介しようと思います。
「鉄と革の椅子」の外観
さて、この椅子は文字通り”鉄”と”革”で出来た椅子。見た目はこんな具合。
鉄と革の椅子です。革は1枚の革を裁断して作ってあります。そして我が家では唯一の三本足の椅子。
後ろ・横から見ると独特の風貌です。
座面・背面の革は撓んでいるので、座る人の体型に合わせてフィット。
後ろからの風景。こんな後姿の椅子も珍しいかと。
「鉄と革の椅子」とメキシコと陶芸家の濱田庄司氏の深い関係
こちらの椅子は民藝運動の中心人物で人間国宝であった陶芸家・濱田庄司氏がいなければ誕生することもなく、我が家に来ることもなかった椅子。
陶芸家と椅子というのも不思議な話ですが、濱田氏が自ら収集した国内外の民芸品の中にこの椅子の基となったメキシコの椅子があったのです。
濱田氏が収集したメキシコの椅子は、栃木県益子町にある「濱田庄司記念益子参考館」に展示されています。この参考館は濱田氏が「自ら参考とした品々を、広く一般の人々にも「参考」にしてほしいとの意図のもとに、開設された美術館」です。(上記リンクの参考館の公式サイトより)
これが我が家にいる”鉄と革の椅子”のもとになった濱田氏のコレクションの椅子です↓
濱田氏や氏の収蔵品を数多く展示している益子参考館と椅子の話を書き出すととても長くなるほどおもしろいので、それはまた別のエントリーに譲るとして、この椅子が我が家にやってきた「鉄と革の椅子」の原型になりました。
「鉄と革の椅子」を世に出したstarnetさん
この濱田氏のコレクションのメキシコの椅子をまさに「参考」にして、製作・販売したのが益子参考館からも至近の距離にあるstarnetさん。
お店はこんな感じ。おっさん一人で入るのが気が引けるくらいおしゃれ。
starnetさんのお店の中に置かれている鉄と革の椅子。
いい革の色ですね・・・。
椅子の上に置いてあるポップ。
(残念ながら現在では”鉄と革の椅子”の販売は中止されているようです。)
私自身も益子参考館でメキシコの皮椅子(※参考館では”皮椅子”と表示されてあり、starnetさんのほうは「鉄と”革”の椅子」なので、当サイトはそれぞれの表記に従います)を見た際に、「非常に面白い品だな」と思い、この椅子は深く記憶に残っていました。
そして参考館を出た後、近くのstarnetさんに立ち寄った際に、鉄と革の椅子が置いてあって私も試座した覚えもあります。
しかし、帰宅後に妻が電撃的にstarnetさんにこの椅子を発注するとは思わなかった。
それだけ気に入ったということでしょうか。そして一脚目の椅子として我が家にやってきたのでした。
「鉄と革の椅子」の座り心地など
メキシコルーツの独特な見た目ですが、和のリノベーションをした団地の一室である我が家のヒノキ床や漆喰壁、障子戸とも違和感無く馴染んでくれます。
我が家の椅子の比較的初期メンバーの三脚たちの集合写真。個性が違う椅子がそろったなと思います。
「鉄と革の椅子」の座り心地ですが、見た目どおり、革がぴったりと座った人の体にフィットする座り心地です。座面は小さめなのでどちらかというと女性向きでしょうか。私には物理的に座面が小さすぎるのと、体の重みでフレームと革を繋いでいる部分が切れたり伸びたりしないか、と心配になってしまいリラックスできないので、私はちょっと苦手です。なので我が家で主に座るのは妻になります。
夜の「鉄と革の椅子」の表情。
何か腹黒な表情。我が家の使用者の影響を受けているのか(^^;
ルーツまで遡ると不思議な縁で我が家にやってきた椅子だと思います。濱田庄司氏の益子参考館は非常に面白かった場所で、また改めてエントリーを立てて紹介したいと思います。
我が家の椅子の紹介エントリーは以下のとおりです。もしご興味があればぜひご覧ください。
1脚目・starnet「鉄と革の椅子」(ダイニング・大人用)※本エントリー
2脚目・飛騨産業「腰にやさしい椅子」(書斎用)
3脚目・宮崎椅子製作所「DC09」(ダイニング・大人用)
4脚目・Schmidinger Möbelbau「Fatty container」(ダイニング・大人用)
5脚目・豊橋木工「UPRIGHT」(ダイニング・子ども用)
コメント