昨日に引き続き、石垣島のダイビングの二日目です。
起きた瞬間、宿の窓越しに強烈な南国の日光が部屋に差し込んでおりテンションは上がります。部屋は灼熱だけど。。。 ダイビングは海の中に入ってしまうので、雨の日でも可能なアクティビティですが、やはり海の中の水の青色も海中に差し込む日光も晴れの日のほうが美しく、神秘的です。
宿から宿泊棟からご飯を食べる食堂棟へいくため、外に出ると、今日の風は穏やかで、どこのポイントでも行くのは可能そうです。運が向いてきたようで、今日はどこに行けるかな??
この「朝のどこに行くかのわくわく感」は、他の地域の場合はまるで知らない土地に対する全方位的な好奇心によるわくわく感ですが、八重山の場合、土地勘がある場所なため、旧友に会いに行くような独特なわくわく感です。
さて、二日日も朝の石垣港を出港です。この日の船は港を出ると進路を西方向へ。竹富島方面へ向かいます。
石垣港を出て、石垣から八重山の離島へ向かう定期船やダイビング船が行きかう賑やかな航路をしばらく進み、やってきたのは竹富島の南で黒島の北東の海域。地図ではこの辺↓(海の真ん中なのでgoogleの衛星写真地図は詳細版は写っていないのが残念・・・。)
このポイントは石垣ダイビング初日記録に書いた「石垣の海で見ておきたい3つのポイント」の一つ、”③真っ白な海底の砂地と岩礁に拡がる生物の楽園”が拡がる海域。真っ白な砂の海底は日光が差し込むと神秘的に美しいので、晴天の今日は期待値は上がります!
海の中に入った瞬間、深い海の青と、生き物がたくさん付いていそうな根と真っ白な砂地が目の前に拡がります。
海底に着底して、改めて周りを眺めると異世界っぷりに言葉も出ないです。
わずかなサンゴがあれば、そのサンゴが生息基盤・生産者になって、そこにふさわしい生態系がちゃんと構成されます。↑この小さな生態系は、我々が訪れなければ、誰に知られるでもなく、直径30cmほどの卓状ミドリイシとその上の30cmほどの海域を中心に、20匹ほどのスズメダイが一日中ふわふわ泳いで完結していたのでしょうし、彼らにとってはその50cm四方くらいの空間で収まる生活を何日も何日も維持し、この世界を飛び出すでもなく、相変わらずサンゴの周囲をふわふわ漂っている彼らの生活をちょっとうらやましく思ったりもします。
卓状のミドリイシ系サンゴの上に群れているのはミスジリュウキュウスズメダイ。危険を察知するとサンゴの中にさっと逃げ込む習性を持ちます。サンゴは生産者でもあると共にこのような魚の生息基盤にもなる。そしてこのようなスズメダイを餌とする生きものも必ずいるはずで、その生きものはさらに上位の捕食者(人間を含む)の命を支えているのでしょう。
大きな根では体が透明のスカシテンジクダイの圧倒的な数で群れています。一匹一匹は小さな体ですが圧倒的な迫力。
スカシテンジクダイは変な人間の侵入者が来るとサッと向きを変えたりしつつも、結局その場を離れません。ここは高さ3m、直径3mくらいの根(岩場)ですが、そこに何千~何万匹の生き物の暮らしを支えています。海の豊かさを感じます。
圧倒的な数の生き物の群れに囲まれるというのは、なかなか陸上では味わえません。この非日常な世界を味わいにわざわざ2000kmくらい離れた海にやってくる理由です。
こちらは健康的で美しく大きな枝状のミドリイシの下に群れるヨスジフエダイ(これは昔、石垣の港で釣った魚。。。懐かしい)。2日前の石垣島のスノーケルでは健康なサンゴがあまりいなかったので、このような元気いっぱいのサンゴを見るとホッとします。
今まで紹介したのはどちらかというと群れで圧倒するような生き物たちですが、根の廻りは一点モノの珍妙な生き物もたくさんいます。これらを探したり、写真に残すのも楽しいです。
こちらは鮮やかな青と黄色の体色と、本気モードでぶち切れて口を大きく開けて威嚇してくる様子が人気のハナヒゲウツボ。
根やサンゴにくっついているのは魚だけではなく、エビやらカニやらウミウシやらも潜んでいます。これらミクロな生き物を探すのも楽しいです。
↓これはタイヘイヨウイロウミウシ。ウミウシの中ではそんなにレアなものではなりませんが、配色が綺麗。ザ・ウミウシって感じです。
根付きのサンゴの隙間から顔を出すのは、石垣では”ザ・普通種”扱いのヒトスジギンポ。
石垣の海ではよく見かける種ですが、触角みたいのが頭から生えていて目が大きくくりっとしていて、なかなか絵になるギンポだと思うのです。よく見ると、体色のツートンと目玉のツートンがシンクロして同一ラインを形成しているという芸の細かさに感動します。あまりありがたがられない魚だけど。。。
こちらはヒトスジギンポよりさらによく見かける”超普通種”のアカエソ。
平べったい顔で目が上についています。のんびりした顔つきをしていますが、これも肉食魚なので、上の写真に写っているスズメダイやらスカシテンジクダイやウミウシやギンポ類なんかをバクバク食って生きているかも。エソたちはみんなで集まって狩りの相談でもしているのでしょうかね。
もちろんエソもさらに大型の魚や動物の餌になっています。(我々人間も含む)
砂地のダイビングでは我々ダイバーは根やサンゴを見ては砂地をの上を移動し、次の根へ。。。と飛び石伝いに離島を繋ぐように生き物を探します。
そんな砂地の旅の最中、砂地に暮らす変な生き物を追っかけるのも楽しいものです。砂地で見つけた生き物たちを紹介しましょう。
ふわっふわの白い砂の上に寝転がって眺めている先には、、、
砂地の人気者、チンアナゴ。海底から生えています。
次は砂地に暮らすハゼ三種。
鮮やかな黄色体色に白い斑点がきれいなギンガハゼ。巣穴を作る係りのテッポウエビと共生しています。↓の写真でもハゼの下に写っているやつです。近づきすぎると巣穴の中に引っ込みますのでなかなか撮影が難しい。ギンガハゼという優雅な名前は美智子皇后陛下が命名されたそうな。(天皇陛下がハゼ類の研究者であるので。)
次はヤシャハゼ。異様に背びれが発達し、色も赤系統が入って、観賞魚としてもなかなか人気があるハゼ、、、のようです。私はこのダイビングの時に初めて見ました。ギンガハゼは何度か見たことはあったので、私の中のレア度ではヤシャハゼのほうが上です。なかなかの面構え・ヒレ構えで夜叉のような見た目からの命名なのでしょうね。
ヤシャハゼもテッポウエビ君と共生するようです。
このハゼと共生するテッポウエビも何種類かいるようで、ギンガハゼと共生しているのはシンプルな配色のテッポウエビでたが、このヤシャハゼと共生しているのは、なかなか派手なテッポウエビでした。派手なハゼには派手なテッポウエビが共生するのでしょうかね。。。
最後のハゼは一日目も出てきた「ザ・普通種」のダテハゼ。今日は上の二種とそろえテッポウエビ君と共生バージョン。
ダテハゼよりテッポウエビにピントが合ってしまいました。さすが影が薄いザ・普通種。。。ダテハゼと共生しているテッポウエビも宿主に似て大人しめな配色。
チンアナゴやハゼ以外にも変な魚は砂地にいます。フラフラ漂っていたのはノドグロベラの幼魚。逆さに泳ぐ、、、というより漂っていました。
魚以外の生き物では、砂地を移動中のハナミドリガイ。これは内地でも見るウミウシの仲間。
いつまでも海に入っていたいところですがですが、肺呼吸の我々はいつかは浮上しなければです。これがダイビングで一番嫌な瞬間(^^;
船に上がるときに海底を見下ろした写真。
白い砂の中に根があり、その中にサンゴがたくさん生え、この根に支えられている無数の魚が根の回りを泳いでいます。
石垣2日目のダイビングは1日目に書いた「個人的に思う石垣島のダイビングでこれだけは見ておけ!」の3つのポイントのうちの”③真っ白な海底の砂地と岩礁に拡がる生物の楽園”を思う存分楽しめました。やっぱりのんびり暖かい海のダイビングはいいです。
しかし、石垣のダイビングは明日3日目が最終日。3つのポイントのうち①のマンタと②のサンゴは紹介できるのか、暗雲が漂ってまいりました。
どうなることやらですが、3日目のダイビングはこちらに続きます。
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