マラカル島近くに眠るゼロ戦を訪ねたあとはパラオの海に出ます。
パラオ海域には波の浸食のせいか、↓このようなキノコのようなハンバーガーのような形の島が多い。
海面部分が侵食されてくびれているのがよく分かります。このまま浸食を受けて崩れていくるのかな?
時折り、海上を飛ぶ鳥を見るのですが、向こうも高速で飛んでいるしこっちもゆれるボートの上なので撮るのは至難です。
パラオの海も三日目になると、特徴のある島の形を覚えてきます。
これはアゲハの幼虫島(命名は自分)。ちゃんとウンコも付いています。一般的にクジラ島やおじさんの島と呼ばれている島もあるので、それはパラオに行かれた時に探してみてください。
そんな風に船に揺られること小一時間。本日2本目のダイビングポイント、ブルーコーナー近くの”ニュードロップオフ”と呼ばれるポイントに到着します。
このニュードロップオフでのカメラの撮影データを見るとナポレオンフィッシュ、オオメカマスの群れ、ヨスジフエダイの群れ、カスミチョウチョウウオの群れ、ノコギリダイ、アオウミガメ等の姿があり、派手さはないけど手堅いダイビングです。でも私はマスクが曇ってしまってどうしようもないダイビングになってしまいました。迫力ある魚の群れを前にマスクの中に少量の海水を入れてマスクの曇りを取るアホらしさ、、、。集中力が著しく削がれ、結果、ロクな写真が少ないのです。仕方ないので妻の写真を一部借りて振り返ると、、、。
↓写真に写っているのはヨスジフエダイ。名前のとおり四本のスジが体の側面に入っている綺麗な黄色の魚なのですが。。。
正面のやつはもちろん、上のやつも下のやつも横を向きかけているのもほぼ全ての個体がこちらに眼差しを向けている中、一匹のヨスジフエダイだけが目の前でこっちにお尻を向けて大きく写っている。なんなんだこの写真は・・・。(妻が撮影)
こちらはノコギリダイの小群れ。
背中側の黄色がまるで蛍のように光っていて、非常に美しい魚です。(この写真も妻が撮影)
頭のコブが特徴のナンヨウブダイ。鋭い口で硬いサンゴをかじりとって食べます。その口が印象的な写真が撮れました。
ブダイは目が小さくて表情が怖い。ブダイは美味しい魚で沖縄ではよく獲られており海の中に大きめなやつは少ないのですが、パラオのは大きかった。これは私が撮影。
オレンジフィンアネモネフィッシュ。
ようやく登場の感がありますが、これは日本にはおらず南部太平洋海域にいるクマノミの仲間。日本にもいるクマノミに似ているのですが、体に入る二本線が蛍光ブルーというか独特の青みがかった白色なのです。
ニュードロップオフの次は昨日に引き続きパラオが誇るブルーコーナーに向かいます!本日のブルーコーナーは昨日の群れ狙いと趣向を変え、マクロな小さい生物狙いになりました。私はちっこいのを一匹ずつ撮影するより、群れのほうがわかりやすくて好きなのですが、早朝のゼロ戦ダイブに自分の希望を通したので、ここはマクロ系が好きな妻に譲ります。まぁ、私もパラオは初めてなのでいろんなタイプのポイントで潜りたい気もありますし。
ブルーコーナーでは、まずは深場(マクロ穴と呼ばれる)にいるらしいレアなハゼを目指して潜行です。レアなハゼが暮らすというポイントでは、、、ちゃんといました!定住しているようです。さっそく撮影、、、と思ったら、まともにカメラが動きません。ホワイトバランスなどのメニュー調整ボタンが動かず、ピントの調整もまともに出来ない。電源は入っているのですが挙動が怪しいのです。
マクロ穴は水深30m超。長時間の滞在は不可能なので焦ります。深いので窒素酔いかなんかで自分の頭がボケているのかな、、、と思います。落ち着いて一個一個確かめるようにカメラを操作しますがやっぱりダメ。
結果、深場のハゼ写真はほぼ全滅。ピントが合わないのは致命傷でした。証拠写真程度はあったので載せておきます、、、。
鮮やかなアケボノハゼ。色彩は何とか写ってたけど、これじゃなー。。。
シコンハタタテハゼ。漢字では紫紺旗立鯊と書くのかな、優雅な名前です。カメラがまともならピントを調整して追い込むのですが、カメラが言うことを聞かないのでこの程度で終わります。
深場から浮上し、水深15~20mくらいに戻ってきたらカメラが正常に動くようになりました。おそらく、深場の水圧で何かのボタンが押しっぱなし状態になってしまって、浅場に戻って水圧から開放され、再び正常に動き出したと思われます。
気を取り直してせっかくのブルーコーナーですから、他の海の生き物たちを探し回ります。
みんなが大好き、モンツキカエルウオ。オレンジの斑点、目の中までオレンジ縞、目の上から生えている触角のように見える変な突起、目の前の方には鼻毛のような触角が対になっています。この生き物をみていると何でこんな進化をしたのか?と思えてきます。
穴に潜むミナミギンポ。
この色は幼魚カラーのようです。体の青い線が目の中にもつながっている。。。これもよくこんな進化したな、と思います。
ミナミギンポを正面から撮った写真を拡大してみました。ちょっとノイジーですが笑っているように口が半開きです。肉食で結構残忍な性格らしいですが。。。
今回のパラオ旅行記ではあまり出てこなかったハナビラクマノミ!
オレンジの眉毛のようなアイシャドーのような目が印象的。イソギンチャクの中を泳いでいます。
再び、オレンジフィン・アネモネフィッシュ。
やはり蛍光がかった青白い帯の色が不思議。可愛く見えますが、この口元の歯から性格がにじみ出ています。クマノミ類は可愛い見た目をしていますが、結構性格悪そうなのが多い印象です。海にいると向こうから寄ってくることが多いですが、多分彼らにとっては威嚇や攻撃のために寄ってきていると思われます。
赤と白の配色がおめでたいツユベラの幼魚。
大人になると全然違う体色になります。これもよくこんな進化をしたなぁ、、、と思う生き物。
浮上して、船上でカメラが深場で動かなかったことを話してみたら、この時カメラを持ち込んだ4名のうち3名(私と妻ともう一名のゲストさん)が深場でカメラの動作不良に落ち込んでいたことが分かりました。この3名に共通していたことはCanon製のコンパクトデジカメに純正の防水ケースを使っていたこと。私や妻は5年くらい前から使っていますが、深場でまともにカメラが動かなくなるのは初めてでした。さらに妻のカメラは浅場に戻ってもカメラが動かず、正常に動き出したのは結局船上に戻ってから。もう一名の方が使われていたのは新しいG7X。しかもパラオに来る直前に購入されたとのことなので防水ケースも新品なはずでした。
Canonの防水ケースは水深40m防水(防水性能:IEC/JIS保護等級「IPX8」相当。)として販売されていますが、水深30m以上で挙動は怪しくなるかもしれません。防水ケース内に浸水は無かったので、”防水”性能は確かに40mはあるのかもしれませんが、、、。
ちなみに深場でも撮影できた一名の方はOLYMPUS製のカメラと防水ケースでした。OLYMPUSは昔から海関係にも力を入れているメーカーでダイバーが使うカメラでも圧倒的なシェアを誇っているのでさすがです。次のダイビング用カメラはOLYMPUSにしようかな・・・。
みんなでぼやいているうちに、船は次のポイントに向かって移動。次は昨日マンタを見たジャーマン・チャネルです。
ここで一つの選択をすることになります。というのは私が利用したショップは最大1日4本のダイビングが可能されております。一日の流れは、早朝ダイビング(希望者のみ)・日中に通常ダイビング3 本・その後(希望者があれば)オプションダイビングとなり、物理的には1日5本潜れるわけですが、さすがに5本は潜り過ぎなので、安全からも最大4本のダイビ ングにセーブされております。
なので、この5本のうち最大4本を選択して潜ることになります。大抵の方は体力のバランスを考え日中の3本を選択していました。連続で4本潜るようなのは貧乏性の我々くらいなものです。
この日の私たちは朝のゼロ戦、午前中に↑のとおり、ニュードロップオフとブルーコーナーに潜っており、潜れるのはもう一本を残すのみ。そしてこの日の午後のオプションダイビングは”マリンレイク”という内海性の雰囲気が違う小物生物が豊富なポイントに行くことが決まっていました。
ここで一つの選択というのは、ジャーマン・チャネルでマンタを追いかけるか、それともマンタをパスしてマリンレイクに行くか、です。私は”マンタは昨日同じジャーマ ン・チャネルで7~8匹が舞う姿を見ているし、本日午前中のダイビングでこの辺の海の状況は変わっておらず、マンタがいたとしても昨日と似たダイビングになるか、、、”と判断し、それよりは雰囲気が全然違いそうなマリンレイクに行くことにしました。
ということで世界に名が轟くマンタポイントのジャーマン・チャネルで船上待機です。船上待機というとつまらなく昼寝でもしていても良いのですが、このジャーマンチャネルの線上待機ではとても珍しい瞬間をカメラに収めることができました。その様子は次のページで紹介しております!
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