さてさて昨夜の夜行列車で札幌を発ち今朝6時ころに釧路駅に戻ってきました。せっかく朝早く釧路にいるので、冬のタンチョウのねぐらに寄ってから阿寒湖に戻ることにしました。
冬の間、タンチョウは川の中で寝ます。釧路の辺りは真冬の早朝時、-20度くらいに冷え込みます。ですから空気中より流れている川の中のほうが暖かいので、彼らはそんなとこで寝るわけです。で、そのねぐらになる川が湿原周辺に何本かあり、一本の川に数箇所ずつ寝ている鶴を撮る「撮影スポット」があります。なんでもメジャーな撮影スポットでは休日の朝に数百人のカメラマンがずらっと並ぶそうな。
私は厳冬期のタンチョウのねぐらを見たことが無いので、それを見たさ半分、人間のカメラマン見たさ半分で行って参りました。
まずはメジャーねぐらスポットの雪裡川音羽橋。
今日は平日だったのに30人くらいの見物人がいました。しかもみんな一眼レフカメラに30~40cmくらいの長さの望遠レンズをつけて三脚に立てています。いやー、私のカメラもコンパクトデジカメの中ではそれなりにがんばっているとは思いますが、なんか私のデジカメを出すのが気が引けるような雰囲気でした。そしてほとんどの人はカメラを剥き出しで使っていて防寒対策らしい対策をしている人がいなかったのが意外でした。
ツルのほうはというと音羽橋にしては少なかったようです。距離のほうも近いつがいで100mくらいありましたし。
(↓音羽橋からみたツルのつがい。今調べてみたらここでの撮影は600mmレンズが標準だそうです(^^;ちなみに下の写真は380mm相当のデジカメで撮影したものです)
ちと雰囲気に付いていけてないですし、タンチョウも遠くにしかいないので音羽橋を後にします。続いて訪れたのは道道53号の幌呂川に掛かる橋の上。交通量は多いのですがタンチョウのねぐら場所としてはマイナーな場所なので誰もいませんでした(^^;
タンチョウは一番近いつがいで50mくらい。子供を連れていました。今日は音羽橋より幌呂のほうが良かったです。
(↓幌呂川から見たタンチョウ親子)
この辺で少しまじめな話を。上の音羽橋がかかる雪裡川も幌呂川も写真を見ていただければわかるとおり、人間の手によって流路がまっすぐにされた河川です。この事からもわかるようにタンチョウは原生的な自然にのみ生息する生物ではないのですね。春~秋は牧場や農家の庭先で餌を食べたりしていますし、道路のすぐ側で営巣したりします。冬は人間の巻く餌によって飢えをしのぎ、今では冬季の給餌なくして個体数の維持はできないくらいにまで増えています。優雅に見える鳥ですが結構図太くカラス一歩手前のふてぶてしさも持つ鳥です。
(↓直線化された幌呂川とタンチョウ)
つぎは伊藤サンクチュアリ。伊藤さんが餌付けをしたからこの名前。わかりやすいです。
そしてここは環境庁(現環境省)日本の残したい音風景100選定の内の一つなんだそうな。で、音風景に選定された看板が出ていますし、野生動物の撮影に来ているにもかかわらず、エンジンをかけっぱなしにして撮影をしている人の多さに辟易しました。車の保温だけのためにエンジン回す事ないのにと思います。(音羽橋にもいましたが…)
説教臭いですが写真に音が入っていれば画像は綺麗でもエンジン音が聞こえてくる写真なんだろうなー、と思います。寒いのはわかりますが、北海道の冬の早朝の屋外動物撮影に来て、いまさら寒いってなんだかなーと思い、ここも早目に切り上げてきました。
(↓早朝の伊藤サンクチュアリ)
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