先日このブログでも取り上げた、ポールマッカートニー夫妻の続報が来ました。ポール夫妻はアザラシを抱きかかえたため問題が起こったようです。
ソースサイトをまとめると
「ポール・マッカートニー&へザー・ミルズ夫妻が、アザラシを抱きかかえたため、海洋哺乳類侵害罪に問われるところだった。監視員は彼らの行動に憤慨したものの、これ以上アザラシ狩猟のことでメディアに注目されることを恐れ、夫妻を告発するのを断念した。
地元の漁師の話「深刻な違反ではない。子供一頭に触っただけで群れの調和を崩したわけでもない。もし、それ以上のことをするようだったら、こちらも何か行動を起こすつもりだったが、これ以上追求するつもりはない」
ソース:http://music.yahoo.co.jp/music_news/d/20060309-00000944-bark-ent
私は大学に入って6年くらい自然科学の勉強をしていますが、いわゆる自然保護団体・動物愛護団体が好きではありません。なぜなら感情だけで「綺麗だから・可愛いから・賢いから」殺すな、と言っているだけで、動物を利用している人の事情・文化を見ず、ただの自分の価値観のごり押しにしか見えないから。《特に某緑豆!(かなり前の独日本大使館の前の鯨放置エントリーでも触れました)》
結局このポールマッカートニー(あるいは彼にくっついていったマスコミに「抱いた写真を撮りたい」とでも言われ踊らされたか?)もアザラシがぬいぐるみのように抱きかかえたいほど可愛いからという理由だけで保護しようとしたのでしょうか。
このサイトの掲示板にもゴマスケさんが「アザラシを抱きかかえるのは問題があるのでは?」(前のエントリで紹介した男性がアザラシを抱える画像に対して)と指摘してくださいましたが、このアザラシ保護を訴えるポールマッカートニーも同じ事をしていたわけです。
もう一つ気になったのは「監視員(=政府側?)は彼らの行動に憤慨したものの、これ以上アザラシ狩猟のことでメディアに注目されることを恐れ、夫妻を告発するのを断念した。」という項目。「アザラシを適正に管理しているから狩猟に問題ない」と言い張るなら堂々と告発しろよ!ポール側に過ちがあるんだから。「アザラシ猟に注目して欲しくないから」という理由で訴えないということは何か隠しているのではないのかと思いますよ。訴えれば注目されてむしろアザラシ猟に問題がないことをPRできるチャンスだったのに。
私はもしアザラシの生息地が守られ、観光客が抱きかかえても狩猟をしても数が増えつづけているデータがあるなら、これらの行為はOKだと思います。アザラシが狩りで死ぬのも観光客が近づくことにより何らかの問題が生じて死ぬのも、人間に利用されるという点で同じことであり、利用のされ方に線引きをする必要はないと思います。もちろん、冒頭にも書いたように、アザラシが増えて適正な管理がなされている状態ならという前提での話です。
現在のカナダではポールが子アザラシを抱いて怒られるくらいの状況なので、なんともいえません。
野生動物に対し何かしらの行動をする時点で、彼らを多少なりとも野生から離れさせていることを自覚すべきです、野生動物を見たり触ったりする人々は。(その行動を良い・悪いと言いたいのではありません。私だって野生のアザラシを見に行きますし、アザラシ意外にもいろんな野生動物を見にいきますから)そしてどこまでの行動が彼らに影響を与えないのか考えて行動しましょう。
また、感情だけで犬愛護団体が韓国の犬料理を責めるのも、鯨保護団体が日本の捕鯨を責めるのなら、ヒンズー教徒が欧米の牛食文化を責めたら欧米人は牛を食うのをやめるのかと言う話です。アザラシは私にとっては好きな動物の1つです。ですが、アザラシの適正な数と生息環境が守られている限り、アザラシ漁・あるいはアザラシ観光をやめろは思いません。私にとってはアザラシは好きな動物ですから、毛皮を欲しいとは思いませんけどね、それは価値観が違うと思うだけで、とやかく文句は言いません。感情としては目を背けるだろうけど。自分の好きな子が美人じゃないと言われても、価値観の違いだろうなーと思うのと同じ。
適正な管理をされている・されていないの客観的なデータがあって、初めてアザラシ猟に反対・賛成を意見できると思います。海の向こうの研究者はきっと何らかの研究をして論文を出していると思いますが、そこまで検索して論文を読む余裕は今の私にはない(^^;すばらしき日本の海洋哺乳類学者達が今後そのような資料を翻訳紹介してくださるのを待っております。
今回のケースではカナダ政府側は「アザラシの適正な管理をしている」としているので、それに対する客観的なデータがあれば、アザラシ漁には反対です。カナダ政府も何を根拠に「適正な管理をしている」と言っているのかはわかりませんけど。
要するにカナダのアザラシ猟・アザラシ観光について反対・賛成かを聞かれても、私自身が判断できるほどの情報を持っていないので判断のしようがない。またアザラシ猟によって生活している方がいて、タテゴトアザラシが緊急対策を要するほどの絶滅の危機に瀕しているわけでもない(=何万頭単位で狩る位の数がいる)限り、わざわざ他国からよく事情を知らない者がしゃしゃり出て意見を言うべきではないのではという考えです。
アザラシ猟の反対活動をしているサイトもアナウンス(活動への協力依頼?)を受けたので拝見しましたが、猟の反対している理由やアザラシの生態的な内容も「?」な感じでしたし…。いずれにせよ、私はカナダのアザラシ猟に反対ではありません。もちろん積極的に賛成でもないですが、、、。
強いて言えば異国からのアザラシ猟反対運動には反対と言ったところでしょうか。みんなもっと情報を集めようぜ!という気分です。もうちょっと情報や状況がわかればアザラシ猟そのものに対して意見が言えるのでしょうが、今のところ猟そのものに関しての知識も少なく私には判断しようが無いというのが実情です。
私自身はアザラシは好きですが、アザラシの数が安定している限り、アザラシが人間の利用によって(猟であれ観光であれ)死ぬのは止めようとも思いません。
(重大なお詫び)当初このコーナーにはアザラシを抱きかかえることによりそのアザラシが親とはぐれてしまい死ぬ可能性があるといったことを書いておりましたが、現実的にはその程度で親と子がはぐれることは無いそうです。現在カナダでは観光客がアザラシをその場から抱き上げて動かすことは禁止されていますが、触ったりするのはOKだそうです。2009年4月25日に訂正しました。
なお2009年のアザラシ猟についてはこのブログの「2009年のカナダのアザラシ猟~「アザラシ猟反対」って正しいのでしょうか~」に書いてありますので興味のある方はご覧ください。
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