2022年5月の抜海港(稚内市)で野生アザラシは見られるのか?~北海道日本海側アザラシ紀行⑥~

抜海港(稚内市)旅・北海道

ノシャップ寒流水族館は17時に閉館です。

しかし5月の稚内の日の入りは19時半近く。この日も天気が大荒れ模様とはいえ、まだ明るい。

そこで、稚内市中心部から南側の日本海沿岸に位置する抜海集落の漁港であり、冬季を中心に野生のアザラシが数多く集まるところで有名な抜海港を訪れてみることにしました。

抜海港にアザラシが集結していた2006年~2008年頃の様子

今回の抜海港訪問の様子を紹介する前に、かつての抜海港に集まるアザラシの様子や港周辺の状況をおさらいします。

たくさんのゴマフアザラシが越冬する場所として名を馳せていた稚内市の抜海港。このサイトでも何度も取り上げていました。最終訪問は2008年2月。その時の記録がこちらです。

当時の抜海港内のアザラシ関係の位置はこんな感じ。

↑のスケールの地理院の地図には細めの道が描かれていませんが、アザラシ観察所の脇まで車で行くことができました。つまりアザラシ観察することは極めて容易な場所だったのです。

これがゴマフアザラシ観察所。写真は2007年3月の頃。確か年々アップデートされ、周辺に簡易な飲食店?売店?があったこともあったようなうっすらとした記憶があります。

抜海港は天気が良い時には利尻富士をバックにアザラシを眺められる風光明媚な場所。一方で港の中なので写真の背景にテトラポッドの塊が写りこむので、抜海港で撮ったアザラシ写真というのは分かりやすい。

一番最後の写真は、アザラシが上陸できるよう人口の浮体物が海上にありますね。

抜海周辺における漁業被害&最近の抜海港に来るアザラシは減少傾向のようです

一方で、抜海港に集まるアザラシが増え続けることにより、漁業への被害は非常に深刻なものに。アザラシを見に来る観光客にとってはアザラシがいる事が嬉しいですが、アザラシの漁業被害はすさまじいものがあります。2012年の日経新聞の記事ですが、以下のような記載も。

「アザラシが網の中に入り込んで魚を食べるので、被害は甚大」。稚内市の抜海漁港周辺で漁業関係者が嘆く。昨年末には同漁港内に約1400頭が集まった。稚内漁業協同組合によると、ここ5年でタコやカレイなどの被害が目立つ。

2012年2月11日日経新聞 https://www.nikkei.com/article/DGXNASFC0800I_Y2A200C1L41000/

抜海港に集まるアザラシが全部が大人のアザラシではないと思いますが、大人アザラシは人間のアザラシと同じくらいの体重でになりますし、アザラシの食べ物は魚介類ばかりという超偏食な生物。そんなゴマフアザラシが1400頭。1400人の食事のすべてが魚とかイカとか。凄まじいものがありますよね。

2016年までは抜海港にプレハブのアザラシの観察所が設置されておりましたが、2017年からは設置されなくなりました。

※平成26年度まで、11月から3月まで観察所が設置されておりましたが、平成27年度から「ゴマフアザラシ観察所」を休止いたします。
※観察所の休止に伴い、観察所周辺の冬期除雪作業については行っておりませんので、ご留意ください。

稚内市公式ウェブサイト https://www.city.wakkanai.hokkaido.jp/kanko/midokoro/spot/bakkaiazarashi.html

あまりにも漁業被害が大きくて観光資源とするのが、辛くなったのかもしれません。。。

また、抜海港内の工事も行われ、港に入るゴマフアザラシの数もそれなりに減少傾向にあるとの報道も近年はありました。観察所の休止も港湾工事のためかもしれません。

稚内市内の抜海漁港にある「ゴマフアザラシ観察所」から見えるアザラシの上陸頭数が減少している。港内の砂浜が稚内開建の工事で削られ、上陸地点が減っているためだ。

北海道新聞 2014年1月18日 https://www.hokkaido-np.co.jp/sp/movies/detail/5293404858001

”2017年から抜海港では銃による追い払いを行っており、その効果で、抜海港のアザラシは減少傾向にある”という漁業者へのヒアリング結果を含む北海道の検討会資料もあります。

https://www.pref.hokkaido.lg.jp/fs/2/3/5/1/7/9/1/_/azarasisiryou6300326.pdf

現在の抜海港周辺では、ゴマフアザラシの本格的な追い払い・駆除が実施されているようです。アザラシ好きな方は多いとは思いますが、地元ではこのような状況になっていることも知っておくべきものと思います。私も含め。。。

このような動きの中で、現在の抜海港のアザラシは減少傾向にあるようです。

現地を訪問したら抜海港の様子が以前と違っていた。

さて、2022年の5月の抜海港に戻ります。2008年以来、約14年ぶりの抜海港。たどり着いてみると、以前と様子が異なりました。

こんな具合に簡易なバリケードが置かれて、立入が制限されていました。上の写真の左奥付近がかつてアザラシがよく転がっていたテトラポッドのエリアに当たるのですが、バリケード前から双眼鏡でこのエリアを確認したところ、アザラシは一頭も上陸していませんでした。

立ち入り制限エリアを地図に落とすとこんな具合。

立入禁止なエリアの外周を車でくるりと回ってみたのですが、こんな立札がありました。

再生資材等の一時保管場所。保管の期間は約1年で、令和4年3月14日から令和5年の3月31日まで。責任者は稚内開発建設部長となっているので、北海道開発局(国土交通省の出先)の工事ですね。

この立て札に記載される、保管の期間は令和4年度末になっています。令和5年3月末できっかり工事が終わって、ここが解放されるのか、令和5年度以降も工事は継続されるのかまではよくわかりませんでした。

抜海港でアザラシ探し。2022年5月の大荒れの抜海港でアザラシを見つけられる?

上に記載したとおり、抜海港でかつてアザラシが大量に転がっていた辺りにはアザラシはいなかった&近づくことも容易ではなかった、というのが2022年5月の現状でした。

が、この状況=抜海港にアザラシがいない、というわけではありません。私の勘では、”確かに数は少ないかもしれないけど、5月の抜海港にアザラシがゼロということは無いはず。”

なので、立入可能な場所から抜海港内のアザラシを捜索しようと思います。テトラポッドには上陸している個体はいない様子なので、海中にいて、息継ぎで海上に顔を出すアザラシを見つける作戦です。

この日の北海道の日本海側には暴風警報がでるほどの悪天候。車の外で安定して双眼鏡をのぞいたり、写真を撮ったりは無理すぎるので、車内から捜索です。
雨も降ったりやんだりで、抜海港にレンタカーを止めていると、潮か雨かよくわからないものが車のフロントガラスに当たります。また抜海港の立入禁止区域の様子を調べたりしているうちに、日も傾きかけてきた、、、という難儀な条件下でアザラシ捜索です。

↑こんな状態の海面を捜索。写真だと止まっているのですが、これが絶えず動いていて、波頭の三角の山が、海上に息継ぎをするときのアザラシの吻部に見えてくるんですよね。双眼鏡で大荒れの海面のアザラシを探す作業は、なかなか精神的に削られます。

が、ほどなく、海面からわずかながら飛び出ている海坊主頭を捉えました。イメージとしてはこんな感じ↓

目を双眼鏡からカメラのファインダーに移し、坊主頭がいた海域にレンズを向けて、アザラシが息継ぎをするために、海面上に顔を出す瞬間を狙います。

ゴマフアザラシです。

この写真では鼻の穴も確認できます↓

よく見ていると、最低でも2頭は抜海港内にいたようです。つかず離れず、2つの頭がひょこひょこ海面を漂っていたので。。。

日も暮れてきて、タイムアップ。あまり良い条件ではない、、、というより最悪に近い条件でしたが、なんとか抜海港での”空振り”は防げました。

抜海港を離れて泊地の稚内市街方面に戻ります。

(アザラシ外)モダ石油と山岡家のコンボには逆らえない体

さて、稚内市街に戻って夕飯になるのですが、店は事前に決めていました。

国道40号線沿いの「モダ石油」でガソリンを入れてから、隣の「ラーメン山岡家」に入る。これが北海道に住んで抜海や稚内に来ていた時の定番。今回もこの流れを踏襲します。

稚内市国道40号にはモダ石油・山岡家が並ぶ。右奥にはセイコーマートのフェニックスも写っていて、最強です。

モダ石油は北海道各地に展開するガソリンスタンド。↑の赤と黄色のド派手な看板が目印。
看板のとおりガソリン価格も安いのですが、私がモダ石油が好きな理由は、北海道の地方都市店舗でも夜遅くまで(or朝早くから)まで営業しているから。この稚内のモダ石油も4:00~26:00の営業時間で、おそらく稚内市界隈・宗谷支庁管内で一番営業時間が長いはずです。
かつて北海道に住んでいた頃は、日が暮れるまでフィールドに出ていて、そこから夜遅くに札幌に戻ったり泊地に向かう際にお世話になりました。北海道各地のモダ石油の位置と営業時間から逆算して、夜間(早朝)移動計画を立てたりしたこともあったなー。
夜間に営業している北海道の地方のモダ石油では、周辺の道路にはほとんど車の姿が無いのですが、それでもぽつぽつ給油に来る車があって、お互い言葉を交わすわけでもないのですが、夜中に他にも客がいる事にちょっとホッとしたり、何とも言えない深夜の旅情(?)がありました。

モダ石油SSマップ|モダグループ
モダグループ|モダ石油のガソリンスタンド拠点マップです。

次はラーメン山岡家。

山岡家も北海道内各地に展開するラーメンチェーン。最近では全国(北関東に多いイメージ)にもあります。

ガツンと来て、くせになる。ラーメン山岡家

この山岡家も普通のラーメン屋に比して夜遅くまで営業しているので、夜間移動中に小腹の減った学生にはガツンと暖かいラーメンが食べられるのが嬉しかったのです。稚内店もお世話になりましたが、美幌店とか釧路店によく行ってました。この赤い店舗を夜に見ると、当時の感覚がよみがえるな。醤油も味噌も塩も特製味噌もどれも好きで、一番は選べない。なんであんなに中毒性があるのかな、と思います。

飯も食ったら、稚内市街の宿に移動。途中セイコーマートに寄って、セイコーマートのプライベートブランドの甲類焼酎とストロングサワーを買い込み。ざっと風呂に入って、酒をガっと煽って、21時頃布団に潜り込んで就寝。

一人だけのエクストリーム・アザラシ旅では日が暮れたらさっさと寝て体力回復をするのです。。どうせ翌朝も早くからゴソゴソするので。。。

夜明けの宗谷岬で野生のアザラシを探す~2022年5月北海道日本海側アザラシ紀行⑦~
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