野生アザラシを求め北海道の北側にやってきたのですが、この日の道北の天候は大荒れ。なので、フィールドをあきらめて、稚内市のノシャップ岬にある稚内市立ノシャップ寒流水族館に行くことにしました。日本最北の水族館です。
アザラシをたくさん飼育している水族館で、私は2008年2月以来、14年ぶりの訪問になります。前の訪問からそんなに経つかー・・・。
先回の2008年訪問時も立ち寄る予定はなかったのですが、天候が大荒れとなって訪問したので、訪問しや事情は今回の2022年5月旅行と一緒。このパターンの訪問が多いのが若干申し訳ない。今回もフィールドが順調なら寄るつもりはなかったので…。究極の空振り防止のセイフティネットです。
それはともかく、来たからには楽しまにゃー、、と思いながら、カメラのレンズも望遠レンズから明るい30mmの標準レンズに交換したカメラだけを持って、ぷらっと入館します。
14年ぶりのノシャップ寒流水族館へ
外壁に掲げられていた看板。
新しそうな看板です。大人は入館料500円。確か先回来たときは大人が400円台だった気がします(サイト内検索したらここに大人400円の記述が。)ので、若干値上がりか。それでも内地の水族館基準で考えたら激安価格でしょう。。。北海道の水族館でも最安クラスになります。さすが公営の水族館。稚内は道北の拠点都市ではありますが、人口は3万ちょっとの市です。頑張っています。
印象的な赤白のツートン模様のノシャップ岬灯台直下にある水族館。
入館ゲートは、看板が新しくなったりペンキが塗りなおされている様子はありますが、14年前とほぼ変わらない雰囲気です。懐かしくてしんみりしてしまいます。造りは変わらないものの、新しい看板やきれいな塗装を見ると、大事に使われている感があってうれしいですね。愛称の「わっかりうむ」は以前訪問した際にはなかったと思います。
アザラシプール(メインプール)の様子
入館して入口すぐのところにあるアザラシプール。アザラシプールは2か所に分かれているのですが、まずはメインプールから紹介です。
これも14年前の記憶のとおり。数段階段を登って、上からプールを覗き込むんですよね!ノシャップ寒流水族館のアザラシプールは、完全屋外なので天候が良い時のアザラシの見やすさは素晴らしいものがあります。雨や雪、冬季だときついかもしれませんが、まぁそれはそれ。
水族館本館側の階段からプール全体を見下ろすとこんな感じ。
それにしても、、、アザラシが近くて、30mmの標準レンズでもアザラシを大きく撮れる!こんなにあざとい写真が簡単に!
アザラシ写真を一枚一枚解説するのもあれなので、写真はギャラリーでまとめました。
数百メートル離れた岩場の野生アザラシを追いかけていると、水族館のアザラシの近さには笑ってしまいます。が、楽すぎて物足りないぞ!と思ってしまうのも、また事実。自力で苦労して野生のアザラシを見つけるから楽しいのかもしれませんね。
さて、上のプール全体を見渡した写真をご覧いただくと、プール本体の右奥に小さなスペースがあり、そこに2頭の若いアザラシが入っていました。夏の間、利尻島の仙法志御崎公園に出張する2頭のようです。
隣の大きなメインプールにはたくさんアザラシがいて、何となく音や気配が伝わるので、気になって仕方ないいる様子。ので、腹筋を使って、勢いよく起き上がって、起きあがった頂点で隣のプールの様子を見て、再び寝て起き上がる、、という動作を繰り返していました。写真で瞬間を切り取ると面白い構図になりますが、これで良いのか、、、うーん。
その他アザラシ関係の展示。
エサやり体験の餌は売り切れ。100円は安いもんなぁ。。。
個体の名前や性格の紹介・個体間の関係性など。ご覧のとおり、ノシャップ寒流水族館は非常に飼育頭数が多いので紹介スペースも広い。飼育個体は保護された個体もいれば水族館で産まれた個体もいるようでした。
アザラシプール(小プール)の様子
アザラシメインプールの向かいの水族館の建屋側にもアザラシとペンギンが暮らす小プールがあります。
こちらには若いゴマフアザラシが4頭ほど。
小プール側の住人の紹介板。以前来た時は小プールにはワモンアザラシがいたように思いますが、現在はゴマフアザラシのみが暮らしています。
水族館本館の館内展示(魚とかカニとか)
さて、ここはアザラシサイトなのでアザラシを最初に&手厚めに紹介しましたが、ノシャップ寒流水族館はアザラシプール以外も面白い。この日はアザラシプールより水族館本館のほうが滞在時間は長かったかもしれません。
北海道に住んでいた頃は、水族館に来るとアザラシ一本槍気味だったのですが、あれから私もダイビングも覚えて、海中の生き物への視野や興味は当時に比して飛躍的に拡がっている、、、はず。知床の海で潜って北海道の海の中の様子も体験したので、その経験も大きいなと。年も重ねて失ったものもあれば、積み重ねて得たものもあります。
水族館本館に入ると、いきなりクリオネが出迎えてくれます。ちっさくて暗いので写真を撮るのは大変。これも何年か前に知床の海の流氷の海に浮いた経験を思い出します。
北海道の水族館らしく食用海産物の展示が多い。キタムラサキウニ。ウニ自体が高級品ですが、これまた高級品の利尻昆布を食べて穴をあけるやつでもあります。
ノシャップ寒流水族館の白眉は回遊水槽。水槽規模も大きいのですが、淡水に住むサケ科の巨大なイトウと海に住むホッケやオオカミウオ、カレイの類いがいっしょに暮らしています。自然界ではありえない組み合わせの展示。
個人的に好きな魚のホッケ。干物にすると激旨で、稚内を始め北海道の重要な食用魚ですが、多分泳いでいる姿・一本丸のままの姿より、↓のような加工後・調理後の姿のほうがメジャーであるという、なんとも可哀そうな感じが好き。
丸のままの生きたホッケはこんな姿をしているんです。。
アイナメの仲間です。お腹側から背側に開いて、干物にすると皆さんがご存知のあの姿になります。干物になると裂いた体の内側を見せるように売られるので、姿形の知名度はイマイチ。。。
ケガニ。目力が強い。
次いでタラバガニ。地場のこういった生物の展示は好き。
「タラバガニはカニじゃない」と「タラバエビもいるよ」の展示
稚内の水産業を紹介する紙展示。あまり人気がある展示ではないかもしれませんが、個人的には興味深い。重量取れ高と金額ベースの水揚げ高の差があるんですね。ホタテはどちらもぶっちぎりでトップですが、タラやホッケはとれまくるけど安い、ナマコやタコやカニは高級品。
以下は水族館に貼ってあった稚内市の観光ポスター。キャッチコピーと写真が素敵だったので思わず撮影しました。
ポスターに使われている写真は、宗谷丘陵ですね。私が初めて訪れたときも、日本離れしている風景に衝撃を受けました。
宗谷丘陵は非日常感があり、稚内にいったら是非訪ねていただきたいところです。今回の私の旅はエクストリーム・アザラシ旅なので宗谷丘陵には行かないけども・・・。
水族館本館の最後にいるフウセンウオ。寒い地域にいる魚で愛嬌のある姿をしているので、ノシャップ寒流水族館のシンボルの魚としても扱われています。
さて、ノシャップ寒流水族館は17時に閉館。この日は結局閉館時間近くまで滞在しました。水族館の隣にある青少年科学館は今回も訪問できず。
しかし、5月の稚内の日は長い。日の入りは19時以降です。天気が悪いとはいえ、この明るさの中宿にこもるのは惜しいので、抜海港の様子を見に行くことにしました。
かつてはアザラシの一大生息地(集結地?)として名を轟かせていた抜海港ですが、最近はアザラシを以前ほど見かけなくなったというという話も。果たしてアザラシを見ることができるのでしょうか。
抜海港の様子は次回紹介いたします。
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