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列車の栓抜きでビールの栓を抜く夢を求めて~続き

国鉄時代の汽車でビールの栓抜きを探す旅の後半戦です。

列車の栓抜きでビールの栓を抜く夢を求めて
・・・かつて、列車の4人がけ席の窓側のテーブルにには、センヌキ(栓抜き)が備えられていた。子どもの頃、大人になったらアレで瓶ビールの栓を抜きビールを飲むのが夢だ...

いすみ鉄道の大原駅から国鉄時代のディーゼルカーに乗ります。
車内に一歩踏み込んだ瞬間、広がっていた風景がコレ。
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いやー、懐かしすぎるでしょう。写真だと写っていませんが、カランカランと軽い音を立てるエンジン。饐えたような(というと言葉が悪いですが)排ガスとニス?と人の体臭が何十年も重なって混じったようななんともいえない車内の匂い。この青というか紺というかモケット地の椅子の見た目と手触り。

すっかり20年くらい前の新潟のローカル線に乗っていた頃の感覚に戻ってしまいました。嗅覚、聴覚、触覚、視覚にダイレクトに訴えかけてきます。
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そして窓際のテーブルにはありました。センヌキ!「セソヌキ フタのカドにひつかけて ビソを上へこじる」
字体といい配色といい模式図といい完璧です。
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栓抜きはやっぱり動き出してから揺られながらビールを飲みたいですので、それまでは車内を検分します。多分製造したところのプレート?帝国車両 昭和39年の文字が。昭和39年。、私産まれてないです。。。昭和39年(1964年)といえば東海道新幹線が新大阪まで開通し東京オリンピックが開催された年。その頃から現役のこの車両。もう50年位前から動いている機械ってなかなかすごいですね。
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コレも懐かしい。窓を開けるあのツマミです。子どものころは一人で開けられず兄と力を合わせて開けていたような。一人であけられうようになったのは小学校高学年くらいか?大人になった気分でした。
もちろん本日の車両のツマミも現役。雨が降っていたので全開にはしませんでしたが、一瞬開けたらディーゼルエンジンのかほりが漂うのすら懐かしい。
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これは座席より上側の壁についているコートや帽子掛け。幼い頃は思いつきもしませんし使った覚えも無いですが、改めて見るとコートと帽子掛けが同時に機能している。帽子掛けが汽車の中にある余裕が偲ばれる。古き良き昭和の一面を感じます。完全に懐古趣味ですが。
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そうこうしているうちに動き出しました。動いたらカーブに差し掛かるたびにプシュプシュいいながら、キシキシ音をたてます。千葉県の小さな私鉄ですからお世辞にも路盤の整備は良いとはいえない。新潟のローカル線感たっぷりです。目を閉じたら20年前の飯山線とか米坂線とかを思い出します。
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1964年製の車両の運転席。速度のメーターやブレーキの圧力計などアナログ感満載。野郎どもが好きな雰囲気。
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さて今回のたびの最大の目的は「列車に備え付けのセンヌキでビールのフタを開け飲む。」という子どものころの夢をかなえる旅。列車も動き出したしそろそろ夢をかなえて良いときでしょう。
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いざっ、センヌキっ。
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雨が降ってきました。郷愁感が増します。
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友人は友人なりにおんぼろ車両には思い入れがあるようで、出身も全く違いますがなんとなく相通ずるものがあり、車内ではあまり話さず相手を邪魔せずお互い雰囲気に浸っていたような。なかなか甘酸っぱい想いを思い出させてくれるいい旅でした。

しかしよくよく幼い頃の列車の旅を思い出してみると、センヌキは付いている昭和の頃でも、車内でビールを飲んでいる大人はいなかったような?まぁそりゃ車内でセンヌキしてビールをラッパ飲みしている大人が入ればそりゃアル中ですよね・・・となると「列車のセンヌキでビールを飲む」という夢は原体験ではなく、家で大人が調子よくビールのセンを抜いていたのを見つめていた体験や家でなかなかセンヌキが出来なくて悔しかった体験と電車の中のセンヌキの記憶が混ざって、今に出てきているのかもしれません。
最後の一枚は千葉から戻る総武横須賀線のグリーン車(友人に誘われて奮発したのです。事故かなんかで品川で運転打ち切りになってしまいましたが・・・(´・ω・`)

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横須賀線・総武線のグリーン車のテーブル、ドリンクを置くと思われる少しへこんだところ、瓶ビールのビンが妙にしっくりはまるのです。もちろんセンヌキは備えられていませんが・・・。

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