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拾ったクジラの骨を、洗浄・漂白して標本にした方法の紹介

北海道の海岸で見つけたミンククジラの死骸

死後、相当時間が経過し、ほぼ肉は無くなり骨格のみの状態、かつ骨は周囲に散乱し、長時間放置されてきたようです。特に研究者や行政が回収、処理するでもなく、海岸で朽ちるに任せるという状態。妻が骨を持って帰りたい、と強く主張するので、散らかっている骨の中から手ごろなサイズを持って帰ることにしました。

今回は骨を持って帰ってから標本にした様子を紹介します。

方法は適当ですので、内容に責任は持てません。ちゃんとした骨格標本を作りたい、という方はしかるべき文献・サイト等を確認していただければと思います。素人の思いつき&ホームセンターレベルで手に入る材料で適当にやってもこのくらいはできるよ、という程度のご参考です。

①骨を選ぶ

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この中から持って帰る骨を選びます。クジラなので一個一個の骨も相当でかい。持って帰らなければいけないですのでザックに入るくらいの手ごろな大きさの骨を物色します。

②海水で骨を洗う

今回見つけたクジラの死体はウジまみれ、また7月という気温が高くなる季節がら、ものすごい匂いを発しています。
少しでもきれいにするべく、まずは手近な海水で洗浄。

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↑の写真は海に向かう妻の後姿。このくらいの大きさの骨を持って帰ることにしました。なお、やむを得ず素手で骨を持っていますが、真似しないでください。この日は道具が無く仕方なかったものの、動物の死骸は寄生虫やら感染症やらなんやら持っている可能性がありますので、素手で触らずビニール手袋や持ち帰る袋越しに触るべきです。(なお、うちの妻はその手の国家資格を持っているので、多分いろいろ心得た上で対応しています)。

骨についているウジやなんやらは海水であらかた落ちますが、匂いはいかんともし難い。

③運搬

車に持って帰って適当な買い物で貰うようなビニール袋に収納しますが、漏れ出てくる香りが強烈・・・。コンビニに寄って厚手のビニール袋を購入し、三重に包んで持って帰ることに。これでさすがに匂いは漏れ出てこなくなりました。骨はとがっている部分もありますので厚手のビニール袋が具合がよく、そして袋がザックやカバンの中で袋が破けたら大惨事なので袋はケチらずに。

北海道から羽田に戻る際、骨はビニール袋に包んだまま機内持ち込みのザックの底に入れておきました。手荷物検査ではひっかっかることは無く、中は検められませんでした。

しかしもし空港で袋を開けてくださいと言われれば、異臭騒ぎ、軽いバイオテロを起こせそうな気がします。麻薬取り締まり犬とかがいたら嫌だな、と緊張します。

持って帰ってきたビニールの包み。開けるとものすごい悪臭がすると思われて、さすがの私も帰宅後1~2日くらい嫌になって放置・・・。といっても、いずれも処理しないといけないので勇気を出して処理をします。水で流しながらの作業が想定され、屋外の流し場のようなところで作業を進めたい。。。
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↑問題のビニール包み。

覚悟を決めて、骨を洗う石鹸(といっても風呂場で普通にいつも使っているボディソープ)を用意し、水を全開で出しながら、息をつめて袋を開いていきます。無駄に厳重に密閉されているので、袋の口を解くドキドキ感が高まる。
出てきた骨がこれ。
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写真を撮る必要が無ければさっさと洗い流したいものです。臭いはやはりすごいですし、骨の陰や落ちきっていない肉からは上述の海水洗浄で取りきれなかったウジちゃん達が”コンニチハ”しています。ビニール袋に一週間入っていたくらいでは元気いっぱいなままなんですね。

写真中央右下の色が濃い部分はまだ少し肉が付いていてその上の小さな白い線はウジです。そんな情報は要らないですよね。わかっていますが書きたい。

④物理的な洗浄作業

さて骨を洗っていきますが、上にも書いたとおり思い付きで作業を進めます。
まずは水を流しながらボディソープで洗浄。とりあえず素手で触っても嫌じゃない状態にもっていきたいのと、この悪臭を何とかしたい。洗浄道具は宿泊先のホテルから持ってきた使い捨ての歯ブラシ。
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クジラだって哺乳類ですから、肉は熱を加えたほうが骨から綺麗に外れるかなと思いまして、シャワーの温度を最高にして洗い流します。ボディソープを付けては歯ブラシで擦り、熱水シャワーで洗い流すの繰り返しです。このくらいになると見た目はともかく、臭いはだいぶマシに。

⑤化学的洗浄

ボディソープ+歯ブラシで物理的に洗浄した後は、化学的に洗浄。

強力な異臭の素はクジラの肉が腐敗したようなものと考えられますので要はタンパク質。このタンパク質を分解すれば、ほぼ匂いと汚れは解決するのでは、、、と思います。タンパク質を分解するものといえば、トイレや風呂の排水溝の詰りを取る洗剤(分かりやすい商品名でいえばパイプユニッシュとか)

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これを骨にぶっ掛けて、静かにお風呂の温度くらいのお湯を注ぎ、骨がヒタヒタに浸かるくらいにします。
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その後、放置すること一昼夜。(子供がいじったりカラスがいたずらしない場所に放置)

出てきた骨がこれ↓
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だいぶまともな見た目になってきました! 匂いは分解されたタンパクと骨と塩素の混じったようなものが仄かにします。

⑥漂白作業

次は骨っぽい白さを出すためのに漂白作業です。⑤が終わった骨を一度軽く水洗いし、漂白剤に浸けます。家庭にある入手が簡単な漂白剤といえばやっぱりこちら。

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漂白剤の銘柄は何でもいいのですが⑤で使用する洗浄剤は塩素系のものですので、漂白剤も塩素系にしてください。くれぐれも酸素系漂白剤を使わないように。
漂白剤も適当な量を骨にふりかけ、骨がひたひたになるまでお湯を注ぎ一昼夜放置。
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当初、洗浄剤と漂白剤の濃度がよくわからず、あまりタンパクが分解されなかったり、漂白されなかったりということがあり、⑤と⑥を濃度を変え、2~3度繰り返しました。

そのあとの骨がこちらです。
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もう少し漂白剤を濃くすれば真っ白になるのかもしれませんが、濃い漂白剤は骨を痛めそうなのと、あまり真っ白すぎても好みではないので、この程度で漂白は終えました。

⑥乾燥

水で漂白剤と洗剤を綺麗に洗い流し、風通しの良い屋外で陰干しします。
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よーく乾燥させたら出来上がり。
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裏側はこんな感じ。
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一部にうっすらと茶色いシミが残っていますが、ひとまずコレで完成。茶色いのが気になったらまた漂白剤に漬け込めば白くなるでしょう。
匂いは完全無臭。

しかしこの骨はどこの骨なんだろうか。知り合いの獣医さんに聞いたところ、”頚椎か胸椎の辺りの骨なんじゃないかな?”とのこと。人間で言うと首から背中にかけての背骨辺りのようです。

使用した薬剤や道具(というほど大げさなものではないですが)

一応使ったものを紹介しておきます。これで楽しい骨ライフを送ることができるはずです。

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