二本目のダイビングで仲の御神島の独特な地形を楽しみ、次は三本目になります。三本目は再び仲の御神島近海の激流ポイントでドリフトで大物を狙うそうな。しかし、大物ダイビングはあまり一本目で性分に合っていないことはわかりました。それでも通常なら”せっかく来たんだから三本目も!!”といくところですが、妻が船に貼られていた一枚のチラシを見つけした。”ナイトダイビングも受付中、サンゴの産卵が見られるかもしれない”という内容です。
サンゴの一斉産卵として有名なのは、圧倒的に生物量が多いミドリイシ系のサンゴの産卵ですが、八重山の場合、これは初夏の大潮の頃。でもサンゴはミドリイシ系だけではありません。八重山には350種以上のサンゴがいて、きっと産卵のタイミングもまちまちなはずです。
再度、青い海でイソマグロを追いかけて泳ぐよりは、夜になってから活発になっているサンゴや逆に寝ぼけている魚の生態を見るのも面白そう、ということで、この日は3本目は仲の御神島ダイビングはキャンセルし、ナイトダイビングに参加することにしました。なので、皆さんが3本目に潜っている間、我々は船上待機。待機中は島に渦巻いているカツオドリなどの海鳥たちを観察したり、ドリフトダイビングの様子を船上から眺めたりしていました。他の皆さんの3本目が終わり、仲の御神島から西表島に戻ります。
朝から一日のみの滞在ですがずいぶん名残惜しい島です。海中も陸上(の海鳥)も楽しめたし、日本最果ての無人島というシチュエーションが良いのでしょうね。
ちょっと感傷的になってたら、、、なぜか船をずっと追ってくる2羽のカツオドリを見つけました。
もちろんダイビング船なので餌付けなどしていませんし、何が彼らを駆り立てるのか、、、。動いている船へは警戒心は無いのか、ずいぶん近くまで寄ってきます。二羽が交互に船に近づいては離れてを繰り返します。
この↑写真は私の一眼レフ+望遠レンズで写真を撮っていますが、そんなものが無くてもタイミングとピントさえ合えばコンパクトなカメラでも撮影を楽しめる距離でカツオドリが飛んでいます。
↓はカツオドリを眺める乗客の頭や船の手すりを入れてみました。こんな距離感です。
ダイビング船の皆さんもダイビングが終わって手持ちぶさたですし、あとは帰港するだけの気軽で気だるい時間ですので、携帯電話や海中撮影用の機材でカツオドリを撮っていました。帰りはカメラの残バッテリー量も気にしなくて良いですから気楽です。
水の中の他、鳥も楽しめたら仲の御神島のダイビングの楽しさは2倍くらいになるはず!
徐々に仲の御神島も遠ざかり、島影は小さくなり、夕方の光の中に消えていきそうです。カツオドリも仲の御神島海域から離れたと察知したのか、島にUターンしていきました。ちょっと寂しいような夕方の海景です。
でも今日はこれで終わりではありませんっっっ!!!!本日三本目、ナイトダイビングです!
一度帰港し、他のお客さんを下ろし、ナイトダイビング参加チームは夕飯を食べたあと、夜の帳に閉ざされつつある港から再び出航です。
この日、ナイトダイビングを申し込んだ好事家は我々を含め9名、結構盛況で良かった、良かった。夜はにぎやかなほうが心強いし楽しい。
夜なのでそんなに遠くに行くこともなく港から10分くらいで停船。よく分かりませんが感覚としては西表島北部の陸域から繋がっている浅目のポイントのようです。
ロープを使って潜行し、海底に着底してからライトを付けます。ライトを付けると周りは夜の海。様子が昼と違い、サンゴが昼とは違って触手を出しまくっています。これを見るとサンゴは動物だな~、と実感します。
今回、サンゴの産卵は見ることはできたのですが、産卵していたのは↑のようないかにもサンゴ!な感じのミドリイシ系サンゴではなく、ノリコモンサンゴという地味系なサンゴでした。写真に卵が写らないほどだったので写真は割愛しますが、、、。
魚たちも夜モードになっていて、寝ぼけているようなやつが多くて、昼間は近付けないだろう魚たちに近付けるし、中には触れるくらいぼんやりしているやつも。ぼんやりしている魚たちの様子を少し紹介します。
↓はスジアラ(ミーバイ)かコクハンアラかよくわからない。顔はアラの顔をしていますが、体色の変化が著しい魚で、特に水揚げ後の姿と全然違うようです。この黒い部分の縁にある青い点模様も夜独特の体色の変化なのかな、、、。サンゴの下に隠れるようにぼんやりしていました。
居酒屋さんで馴染み沖縄らしいカラフルな魚の代表格であるハゲブダイも夜モードでサンゴの陰で休んでいます。
写真に写っていないのが残念ですが、ハゲブブダイは透明の膜を張ってその中で休んでいました。防御壁でしょうかね。ブダイの仲間は膜を張って寝るのが何種類かいるようです。
次はチョウチョウウオ系のヤリカタギ。
こいつは夜になって完全に模様が変わっています。体の側面ににわかせんべいの目みたいな白黒模様が浮かび上がっています。これは外敵への警告モードなのかもしれません。陸の生き物でも蝶の幼虫や蛾の仲間は目玉のような模様を持ったりしているのと同じように。昼のヤリカタギの写真も載せたいのですが手元にはデータがないので、googleのイメージ検索へリンクを張っておきます。
夜の海は生き物も昼間と表情を変え、なかなか興味深いのですが、残念ながら一時間ほどで浮上。
ぼんやり光っている船の上の雰囲気も新鮮です。船も夜は表情が変わります。
何が出てくるかわからず、心細いような、一方でワクワクするような、不思議な気分です。
明日は西表ダイビング3日目。早いもので、そして残念ながら今回の八重山ダイビングの最終日となります。
楽しい時間はあっという間に過ぎます。最後を締めくくるような素敵な一日になりますように・・・。
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