吟味に吟味を重ねて選んだダイニングチェアのDC09を先日紹介しました。
このDC09を作った宮崎椅子製作所さんは徳島県の会社です。私も徳島に多少の縁があるのですが、知り合いの徳島人に”宮崎椅子製作所”を知っている人はいませんでした。
海外の家具の賞を受賞するような椅子を作る会社ですし、また製品を取り扱っている店も全国に散らばっています。徳島県は人口も少なく面積もそれほど大きな県ではないので、話が拡がりそうですが、地元では案外知られていないという、ちょっと不思議な状況です。
■ショールーム
工場併設のショールームにて、ほぼ全ての椅子をお試しいただけます。
とありますので、”行ってみたいな、、、”と思っていました。我が家にやってきたDC09がどんなところで作られているか、という点でも興味があるのですが、素晴らしい椅子を作っているのにあまり地元で知られていない宮崎椅子製作所さんそのものに興味があったのです。
2015年末、徳島に帰省するのに合わせ行ってみることにしました。関東を朝の4時くらいに出て、東名・新東名高速を一路西へ。愛知の辺りで日が昇ります。天気は快晴。さらに西へ向かい、京都大阪を過ぎ、年末の帰省ラッシュに巻き込まれながらも明石海峡大橋を渡り、13時くらいに徳島県に入り、ほどなく鳴門ICで高速を下りた辺りで、宮崎椅子製作所さんに電話して、ショールームを拝見したいと申し出ます。この日は宮崎椅子製作所さんも御用納めのため、通常より早く閉めるけど15時くらいまでなら対応可能です、とのことでした。早速向かいます。
住所をナビに入れて、車を進めますが、旧吉野川と住宅街と畑の間のようななんとも長閑な風景の細い道に迷い込みます。正直なところ”ここに椅子を作る工場があるのだろうか。。。”と不安になってくるころ、控えめな表札と年期の入った工場にたどり着きました!
良いですね。渋い雰囲気です。正面は工場。写真に写っていませんが工場の右手に小さいけど新しい事務所があり、来訪の旨を告げるとショールームを開けてくれました。
ショールームの中には宮崎椅子製作所の椅子たちがたくさん!
これはNo42。もともとはカイ・クリスチャンセンが1960年代にデザインし、販売された椅子ですが、宮崎椅子製作所が復刻したもの。これがすごいのは、ただのコピーや復刻ではなく、実際にカイ・クリスチャンセンが来日し宮崎椅子製作所と対話をしながら復刻させたということ。安易なコピーではありません。世界で唯一宮崎椅子製作所が新しいNo.42を作っています。これもとても座り心地が良い椅子でした。私の購入候補にもなった椅子です。
我が家のDC09もいます。彼は床の上ではなく、壁際の棚の上にいました。
DC09の座面の裏には製作所の宮崎椅子製作所の銘が入ったシリアルナンバーが刻印されています。我が家の椅子はシリアルナンバーは700番台でしたが、宮崎椅子製作所のショールームにあるものなら1番とか2番とかかなー、と思いながら座面の裏を覗き込むと、、、番号の刻印なし!
宮崎椅子製作所にあるものはシリアル番号を超越していました。これはこれで、いかにも”生産地”っぽい。
これまで製作・販売された宮崎椅子製作所さんの椅子が展示されています。
中でもDC09と同じイノダ・スバイエさんのデザインしたDC10は気になります。DC10は下段、右から二つ目、座面に白い布地が張られている椅子で、赤い革の椅子の隣にあるものです。宮崎椅子製作所の椅子は座り心地もデザインも素敵なものが多く、ここまで来るとあとは好みの世界な気がします。
宮崎椅子製作所さんの工場では椅子の販売はされていないので、営業を受けることもなく、それどころか御用納めの日でお忙しかったこのか、ショールームには我々しかおらず、好きに見てくださいという雰囲気(^^) 好き勝手に椅子を座り比べられるのがとても良い。
静かな徳島の田園の中で椅子に囲まれる幸せな時間です。
しかし、冒頭の写真で紹介した年季の入った工場の中でどのように椅子が作られているかも気になります。ちらっと遠目で見られるくらいで良いのですが、一方で素人が工場の中をうろうろしたら絶対に嫌だろうな、、、と思いますので、工場の周りをきょろきょろして、どうしたものか迷っていたところ、声をかけられました。
この話には続きがありますが、長くなったので続きは次回にします(^^)
我が家のDC09の様子はこちら。
宮崎椅子製作所さんの製品で個人的に特に気になる製品ベスト3は↓
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