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実家の湧き水の水質検査をしてみたら、驚きの結果が出た!

外出制限のない夏。今年のお盆には久方ぶりに新潟の母方実家の祖父母の家に帰りました。祖父母の家は築70年の農家の家で、現役で囲炉裏が稼働しており、田畑の耕作のほか、山菜採りやらキノコ採りと、絵に描いたような田舎暮らしをしています。

囲炉裏は火やエネルギーを産み出す場。ガスや電気が止まっても、煮炊きをしたり暖をとることもできます。そして、家庭でガスや電気並みに重要なインフラは

この築70年の家にも上水道、さらには下水道も完備されているのですが、水の伝統的なインフラも備わっており、それは湧き水。マイ湧水があるというのもなかなか素敵なこと。

中越地震で電気もガスも上水道も止まった時も湧き水+囲炉裏のコンボで暖かい食事を作って事なきを得ていたようです。。

もっとも今の築70年の家を建てる前から、わが祖先たちは同じ場所に家を建てていたようですし、湧き水はもっともっと昔からあったはず、、、。この湧き水があったから我が家の先祖がこの地に住んだのかもしれません。

我が家の湧水の状況を紹介

この我が家の湧き水の状況を少し紹介します。湧き水は家の裏手に水源があって、現在は水源から家の前までホースで水を引いており、24時間かけ流されています。

我が家の湧き水。

井戸のように地面を深く掘って、水が必要な時にポンプや動力で汲み上げているのではなく、常時かけ流しで、ホースから出た後は側溝から流れていって農業用水などの流れ込む用水につながっています。水道の水を強めに出している程度の水量はあるので、夜に家の中で寝ている時に耳を澄ますと水が流れている音が聞こえます。

今の我が家ではこの湧き水を飲んだり料理に使ったりすることはありません。食事や飲用水、風呂や洗濯には水道水です。湧き水は畑で採れた野菜の土を落としたり、長靴や農機具についた泥を落としたり、冬は敷地内の消雪パイプの水にして雪を溶かしたりとかそんな使い方が中心です。

夏場に足を泥だらけにして遊んだため、湧き水で祖父に足を洗ってもらっている娘。湧き水は冷たいのでキャーキャー言ってました。

この湧き水は、透明で清澄、口に含んでも臭いや変な味もなく、多少飲んだこともあるのですがお腹を下したことも無いです。なので”飲める水質をクリアしているのでは、、?”とひそかにずっと思ってきました。とはいえ、私が飲んだ時もたまたま腹を壊さなかっただけかもしれず、万人が飲めるほどの水質かどうかはずっともやもやしておりました。

今年の夏でこの長年のもやもやに終止符を打つべく、この湧き水は飲めるのか&どのような水質なのか、調べてみようと思います。

水道の基準に照らし合わせて飲用可なのも気になりますが、そのまま飲用できないにしても煮沸したら飲めるレベルの水なのか、とか、水源の上には田んぼがあるので、農業の影響は受けて肥料などが混入しているのかなども気になります。

自宅の湧水や井戸水の水質検査は、ネット通販感覚で専門機関に依頼

水質測定は、一般に簡単なのは市販されている簡易的な検査キットで測る方法でしょうか。共立理化学のパックテストシリーズが有名だと思います。水を汲んで試薬を入れて、その反応色から、ある程度の水質の傾向を見る、というものです。

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しかし、簡易的な水質検査キットでは、飲用可否の判断に肝要な「細菌数」「大腸菌」は測定できない(細菌や大腸菌が多い水を飲んだらお腹を下す確率は高くなる。)し、水道の水質基準との比較もできません。(水道の水質基準は各成分が「〇mg/l以下」などと数字で決まっている)
なので、今回は飲める水なのか白黒つける&水道の水質基準と比較したいので、水道法第20条の登録を受けている水質検査機関に分析を依頼することにしました。

インターネットで水質検査機関をリサーチすると、インターネットで申し込むと採水ビンや採水手順を説明した紙など一式送り届けてくれて、自分で採水後に検査機関に、水を送付すると分析報告書を送ってくれる、、、というサービスをいくつか見つけました。検査員が採水に出動する手間が無いので、かなりリーズナブル。

今回はその中でも、株式会社環境測定サービスさんが展開する「宅水検」というサービスを利用することにしました。

「宅水検」に依頼したのは、以下の理由になります。
検査項目が「飲用井戸等衛生対策要領に基づく水質検査項目」の11項目(一般細菌・大腸菌・塩化物イオン・有機物・pH・味・臭気・色度・濁度)を網羅していて、類似サービスに比してもお安めな価格設定だったこと。
・検査項目には、上述「飲用井戸等衛生対策要領に基づく水質検査項目」11項目に加えて、鉄・硬度・マンガンの3つが検査項目に入っており、合計14項目であり、さらにお得感が高かったこと。特に硬度が項目入りしているので、硬水か軟水かがわかるのはうれしいです。
・楽天さんを通しての発注なので、いつもの通販と変わらない感覚で発注できたこと。
・楽天さんのサイトで「商品レビュー」確認できて、レビュー評価が良く、安心感が高かったこと。

我が家の湧き水を採水して、水質検査に出す

宅水検に申し込むと数日で以下のような採水ビンや採水方法の説明書、送付用の宅急便の伝票が送られてきました。

このセットを夏の帰省時に新潟に持っていき、祖父母の家の湧き水を採水しました!

ホースの流出口に汚れが付いている可能性もあり、きれいにしてから採水したいところですが、絶えず水が流れ出ているので、流出口の清掃はあきらめました。瓶の中に指が入ったり、指にかかった水が入らないように気を付けながら、採水します。とはいえ、素人の採水なのである程度の汚染は仕方ないか。。。

季節は真夏。この日の気温は32度!細菌の繁殖には絶好な条件なので、採水後はすみやかにヤマト運輸さんの営業所に試料水を持ち込み、環境測定サービスさんに発送しました。

我が家の湧き水の水質検査の結果発表!

採水・発送から約10日後、環境測定サービスさんから水質の検査結果が届きました。

ドキドキしながら結果を拝見します。

まずは一番わかりやすいのがこれ。

すべての検査項目が水道法の水質基準をクリアしていました!

さらに、、、環境測定サービスさんのコメントとして「そのまま飲んで問題ないよー」というコメントもありました。

思ったよりも好成績で驚きました。そのまま飲めるレベルの水質だったとは嬉しいです。

水質検査結果の各項目ごとに紹介

せっかくなので、水質検査結果の各項目ごとに紹介したいと思います。

一般細菌

我が家の湧き水は36CFU/ml。水道の水質基準は100CFU/ml以下で、この基準はクリアしていますが、0ではなかったので、多少検出されたといったところでしょうか。そのまま飲用できる出来るレベルですが、湧き水は殺菌処理は行っていませんし、採水時にホースの流出口をきれいにしたわけでもなく、また真夏の素人採水なので、むしろ健闘した数字か。。。

大腸菌

動物の糞便などに由来する大腸菌。こいつが検出されると一発で水道の水質基準不適合とされる恐ろしい項目ですが、不検出でした。家の周辺はタヌキやネズミなどもうろうろしているので、もしかしたら検出されるかも、、、と思っていましたが、湧き水は汚染されておらず、よかったよかった。

亜硝酸態窒素・硝酸態窒素及び亜硝酸態窒素

名前の通り、窒素関係の項目。窒素は農業用肥料に含まれているので農業用水の流入があると数値が跳ね上がる項目ですが、我が家の湧き水は亜硝酸体窒素は検出限界の0.004mg/l以下。硝酸態窒素及び亜硝酸態窒素は1.0mg/lで基準値の1/10の数値。これも天然水・湧き水・井戸水あたりの標準的な数値。水道水も大体0.5~1mg/lくらいが多いと思います。

鉄・マンガン・全有機炭素(TOC)

この辺りは工業汚染や特異的な地質がある場合に異常値が出る項目。山間の我が家の湧き水は問題ないだろうと予想していました。予想通り水道の水質基準はクリア。鉄・マンガンは、基準をクリアするどころか、検出限界以下の低い数値になるとは驚きです。TOCも検出可能な下限値。

塩化物イオン

塩(塩化ナトリウム)由来の塩化物イオンを測定するもので、塩っ辛い水は当然水道としては問題ありになります。井戸水・湧き水でも海が近いと高めの数値になる傾向ですが、祖父母の家は海からも遠い山の中なので、問題ないだろうと思っておりました。200mg/l以下の水道基準に対し、我が家の湧き水は7.6mg/l。余裕でクリア。

pH(水素イオン濃度)

pHはアルカリ性か酸性かの基準で、数値が低いと酸性で高いとアルカリ性。7が中性です。高校化学でやりましたね、懐かしい。
我が家の湧き水はpH5.9と弱酸性な結果でした。水道の水質基準がpH5.8以上8.6以下なので、結構ぎりぎりですね。pHが低めになる原因はよくわかりませんが、そのような地質なのかも。
ちなみに人間の肌のpHは4.5-6の弱酸性で「素肌と同じ弱酸性」を売りにしたビ〇レがあるくらいですから、pH5.9というのは飲んだり、料理に使ったり、風呂や洗濯に使う分には全く問題ないものです。ビ〇レの売り言葉から考えると、むしろ肌には良いのかしらん??

味・臭気・色度・濁度

飲んだ時に人間の感覚に影響するこの辺りの基準も問題なし。色度・濁度は検出下限値以下レベルなので、澄み切った水なのでしょうね。

硬度(カルシウム・マグネシウムの含有量)

興味深かったのがこの硬度。我が家の湧き水は硬度26でした。水道の水質基準は300以下。
硬度はwikipediaによると

軟水:0 – 60未満
中程度の軟水(適度な硬さの水、中硬水、中軟水):60 – 120未満
硬水:120 – 180未満
非常な硬水:180以上

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A1%AC%E5%BA%A6_(%E6%B0%B4)

なので、我が家の湧き水は軟水になるようです。分析をお願いした環境測定サービスさんの報告書にも以下のようなコメントがありました。

湧き水をずっとかけ流していたのが、もったいないと思えてくるような結果でした。軟水の中でもかなり硬度が低い水で、弱酸性。お肌には良さそう??

水質検査結果を見ての所感

以上が、我が家の湧き水を水質検査をした結果でした。それにしても予想以上に良い水で驚きました。次に帰省したら湧き水で米を炊いたり(我が家の田んぼの米。そろそろ新米ですし)、コーヒーを入れたりしてみようかなと思います。ご先祖様たちの仏壇にもお備えしようかな、と思います。

(おまけ1)湧き水の水温も測りました

水質検査用の採水時に一緒に水温を測っておきました。

湧き水は17.3度。

地面の上に気温計を置くと30度以上。気温は32度くらいのようでした。

ほぼ同時に水道の水温も測りました。

家の中の洗面所の水道の水温は29.3度。気温とあまり変わらない。真夏では水道水より湧き水のほうが相当冷たいことが分かります。

(おまけ2)湧水量の測定はうまくいかなかった

湧き水の湧水量も調べたいと考えました。一般的には”毎分〇リットルの湧出量”とかそんな感じで表現されます。

1分間の湧水を全部汲むのは大変なので、10秒間で湧出する水をペットボトルに詰めて重さを測って、6倍すれば1分間の湧水量になる、、、という頭で、私が水量測定用に持って行ったのは家庭の台所用のスケール。測れる量は最大1kg。

写真の再掲になりますが、我が家の湧き水はこんな具合。

、、、10秒もあれば測定限界の1kgは軽く超える量が湧いていました。。。この勢いの水をペットボトルに入れるのも難しくバシャバシャ飛び散るし。バシャバシャこぼしながらも5秒間で測ったところ、700~800ml/5秒くらいは湧いているようでした。

、、、水量はバケツと体重計を用意して改めて測ろうと思います。

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