北海道旅行2日目。天売島の続きです。
昨日は天売島の雄大な風景と久しぶりの野生のゴマフアザラシの群れ、夜のウトウのナイトツアーで興奮したのか、どうもうまく寝付けず、目が覚めたのもAM。遠足が楽しみ仕方ない小学生のような。もうおっちゃんの道に入ってを何年だよ、という話ですが、眠れないほどワクワクしているのはしょうがない。
再度寝ることはできなさそう&天気は悪い予報が出ているのですが、5月の北海道の夜明けは早く、さらにまだ雨は降っていないようなので、朝食の時間前に天売島を一回りすることにしました。
カメラ一式だけ持って、するりと宿を抜け出し、原付バイクで出発です!
夜明け前の天売島メイントリート
時刻は午前4時ころ。外に出てみると徐々に明るくなってきてはいるものの、まだ夜明け前。ですが、天売の漁師さんはすでに海で漁をしていました。さすがに朝早い。
メインストリートはひっそりとしています。まだ夜明け頃ですから。
信号のあたりが小学校のある辺り。天売島の交通量では、信号の設置はおそらく不要、と思いますが、子供たちの教育のために信号が設置されてあると思われます。地方の集落では交通量は多くないのに学校の近くの道路に信号というのは、ちょいちょい見かけます。
ウミネコの大繁殖地となっている黒崎海岸へ
この朝の散歩でまず向かったのが島の南側にある黒崎海岸。昨日のウトウのナイトツアーの帰りにも通ったのですが、ウミネコがたくさんいて、道路にはみ出ていて、車が進むのに難渋したほどでした。
明るい時に自分の目でも見てみたいと思ったのです。
メインストリートから原付でぶいーんと走ること数分。黒崎海岸に到着。
なんだこの数のウミネコは!!というくらいいっぱいいました。下の写真では、海岸の石とウミネコが同化して分かりにくいですが、海岸の石の上にもびっしりと。。。
営巣中かな?あまり近づくのもかわいそうなので、草を分け入って近づくことはしませんが、あまり逃げません。
海岸沿いのイタドリの中にも無数のウミネコ。生物の数の力を実感できます。人間一人VSウミネコ数百(千?)羽。圧倒されます。
カメラ目線のウミネコ。ウミネコも結構な大きさな鳥なので、囲まれてミャーミャー泣き叫びまくられると怖い。この時の黒崎海岸ではウミネコ側から私に向かってくることはありませんでしたが。
黒崎海岸を後にして、赤岩灯台方面に向かおうと思いますが、、、
道路もこんな具合にウミネコがはみ出してきます。徐行して慎重に。天売島は人間の数の数千倍の数の海鳥が暮らす海鳥の楽園であることを実感します。
朝の海鳥とゴマフアザラシたち・荘厳な天売島の夜明けの風景
黒崎海岸をすっかり堪能した後は赤岩灯台方面へ。
赤岩灯台は島の西側。つまり日の出と逆方向なので、まだ夜の雰囲気が濃いのですが、それでもゴマフアザラシたちが昨日と変わらず転がっていて、朝っぱらからボーボー、ガーガー叫び声をあげていました。
双眼鏡では見えるのですが写真では到底写せない距離。。。
改めて展望台から海沿いの崖を眺めてみるとたくさんの海鳥たちが営巣している様子がわかります。
人間の感覚ですと、足がすくみあがりそうな断崖ですが、翼をもっている彼らにとっては、とても安全で安息の地なのでしょう。
ちょっとした崖のくぼみにはウミウが営巣しいる様子が見えました。
昨夜じっくりとナイトツアーで堪能したウトウの赤岩周辺にある巣穴。
ウトウは夜明けころに巣を飛び立って海に出ている(と思われる)ので、この朝の時間帯は留守にしている(はず)。
赤岩展望台を離れ、観音崎展望台方面に向かうと、朝の光に包まれた焼尻島が見えました。神々しい天売島の夜明けです。
こんな光景を一人で独占できるのが旅の醍醐味。早起きした甲斐がありました。
焼尻島の奥には北海道本土。この日は暑寒別方面の山やさらに積丹方面の山まで見ることができました。
朝の光の中、天売島の北側道路を散策。
ガードレールも設置されていない細くて頼りないけど人工物が最小限なこの道が素敵なんですよね。
この道沿いの草地からもにぎやかな小鳥の声が聞こえます。草地性の小鳥がたくさんいる様子です。
しかし、原付を運転しながら小鳥を撮るというのは、とても難しかったです。鳥を見つける→原付を止める(この段階でほぼ鳥に察知される)→望遠レンズ付きのカメラを取り出し、構える、とやっているうちに、だいたい小鳥は飛び去って行くのです。。
↓は何とか撮影したアオジの写真。がっつり枝が体の前に入ってしまっているけど、これが一番まともな写真だった。
写真に撮れなくたっていいさ!と開き直ってカメラはカバンにしまって、気持ちいい朝の原付ドライブを終えて、宿に戻ります。
天売島、大荒れになって五里霧中。。。
宿に戻り、朝食をとって、宿の方と話していると、本日はこれから大荒れの見込みで、私が乗る予定の午後のフェリーは欠航になるかもしれない、とのこと。実際テレビの天気予報もネットの天気予報も北海道日本海側は大荒れの予報が出ています。
本日の予定は、天売島発10:25のフェリーに乗って、焼尻島に10:50着。焼尻島を散策して焼尻島発16:25のフェリーで北海道に戻る予定だったのですが、この午後のフェリーが欠航になるかもしれないということです。
焼尻島に閉じ込められるわけにはいかないので、天候の様子を見ながらですが、天気が崩れたら焼尻島には上陸せず、午前中のフェリーで北海道に戻ろうか、、、と思います。
まぁ天気のことは考えても仕方ないですので、朝食後、フェリーの時間までまた天売島をもう一回りしてアザラシを見てくることにしました。
しかし雨が降ってきそうなので、宿を出る前に雨対策を一つ。
この旅行中の北海道の天気は悪い予報が出ていたので、我が家を出るときにダイビングでの水中撮影用のカメラのハウジングケースをザックに入れてきていたのです。水中撮影用の機材なので雨などいくら降ろうが、撮影はできます。カメラをハウジングケースにセッティングしてザックの中に入れておきます。
そして宿を出発して5分で、もうやってらんないくらいの土砂降り。。。雨が落ち着くまで宿で待機するため、引き返そうかと思ったのですが、宿につく前に荷物の中も濡れてしまいそうなくらいの雨模様です。天売島メインストリートをうろうろしていたら、天売小中学校が目に入ったので、軒を借りて雨宿り。この日は土曜日で授業はしていないので。。。
雨宿り中にザックから雨具を出して着ます。この天候では一眼レフカメラ+望遠レンズは使えなさそうなので、ビニール袋の中に退避させてザックの奥底にしまいます。ザックにはレインカバー。水中撮影用のハウジングケースに入れたカメラを取り出しやすい場所に。
15分くらい雨宿りしていていたら雨も小降りになったので再度島一周に出発!
悪天候の中、」たどり着いた赤岩灯台。
天気が悪い上に霧に覆われていました。赤岩の駐車場から灯台が見えないくらい。こんな天候なので人っ子一人いない。
天気が悪くても小鳥は元気にさえずっていました。↑はノゴマ。繁殖期に見られるのは、北海道くらいらしいです。
ここまで霧深くなってくると、この細い道が本当に頼りない。朝は「この細さが素晴らしい」とか思っていたけども。
自分の原付のエンジン音くらいしか聞こえない霧の中を走ります。すれ違う人も全くおらず。。。「まさに”五里霧中”だなー」とか思いながら、走りますが、私が余裕があるのは、昨日、今朝とこの辺りを走っているから。初見の道なら、なんとも心細くて引き返したくなっただろうと思います。
集落や港がある標高が低い島の東側にたどり着たら霧はなくなりました。島でも標高が高い辺りに霧が出ていたようです。
↑の写真は島の北側の周回道路がメインストリートに交わる交差点にあった道路標識なのですが、道道5548号線の標識。”道道(他県でいう県道ですね。北海道なので道道(どうどう))って5000番台なんてあったっけ??妙に古い標識だな。”と思って撮影した写真です。(帰ってきて調べたら、ちゃんと解説されている方が。その筋の専門家というのはいらっしゃるものです。気になる方はこちらをご確認ください)
天売港を出港する
10時くらいになって、フェリー”おろろん2”が天売港に入港してきます。悪天候に若干しょんぼりしていたのですが、悪天候でも定時運行をする船の力強さに励まされます。
昨日の天売島に渡る前の羽幌港の時も書きましたが、船首の赤字の「天」のマークが本当にかっこいい。ひらがなと算数字の組みあわせの「おろろん2」の黒フォントも雰囲気があります。
さて、天売島のフェリーターミナルで乗船券を購入。購入したのは、天売→羽幌の北海道直行チケット。天候が悪いので焼尻はスキップすることにしたのです。午後便が欠航になるか、出航になるかは、これからの天候次第によるのでこの天売出航時点では何とも言えないとのことと、仮に焼尻に渡ったとしても、この雨ではフィールドをうろつくのも大変だろう、、、ということで。
乗船前に羽幌港のフェリーターミナルを撮影。到着時は早く島を回りたくて港では撮影はしなかったので。
このターミナルは最初に私が天売島を訪れた2006年から変わらない姿ですし、何なら昭和のころから使われているような建物。入り口前の公衆電話とか水道の流しが良い雰囲気。また再び来るときも変わらない姿であってほしいな、と思います。島の方は新しい方がいいかもしれないので、観光客の勝手な想いでもあるのですが。
全国各地の観光地で昭和の香りがする建物が姿を消し、最近のおしゃれな建物に建て替えられるケースを目の当たりにすることが増えてきており、この旅でも何度かそのようなケースを見ましたが、こちらは頑張ってくれています。
さて、フェリーおろろん2に乗りこみ、天売港を定刻10:25に出港しました。
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