道東の太平洋側では唯一の水族館です。アザラシ保護に積極的に取り組んできた施設でアザラシファンには結構知られてイル施設の一つではないかと思いま す。北海道のアザラシ通ならおたる水族館、とっかりセンターと並びぜひ訪れたい施設です。
しかし残念なことに2005年度の営業を持って閉館することが決まっております。アザラシ保護に大いに貢献してきた施設が消えていくとはすこぶる寂しい 事です。
管理人によるお勧め度 A
営業期間・休業日
(2005年度で閉館)4 月29日(金)~11月 (無休)
営業時間
AM9:00~PM4:30
アクセス
水族館までの公共交通機関はないのかな?まず公共交通機関 で広尾に行くだけでも結構大変です。車の免許がある方にはレンタカーの使用をお勧めします。
公式サイト
ひろお水族館のホーム ページ
独断による評価
総得点
19点
評価理由
入場料
3点
大人900円と道内基準から言うと若干高めですが、アザラシは充実してるのでそれなりに。駐 車料金は無料。
アザラシ
5点
ゴマフアザラシを中心にゼニガタアザラシもいます。また2005年の春に保護されたクラカケ アザ ラシの赤ちゃんを見ることができました(2005年8月)クラカケアザラシを見ることができるのは国内では唯一です。
展示
5点
地上からのプールの眺めは一般的ですが、水中の様子を見ることができ、これが面白い。私が 行った際には水も綺麗で水中のアザラシの様子をじっくりと見ることもできました。
企画
4点
アザラシショーをやっております。また野生のアザラシ保護の草分け的施設なので春先のアザラ シ出産シーズンになるとたくさんの赤ちゃんアザラシが保護され子供アザラシを見るには格好の施設です。 施設
2点
施設自体は小さな水族館ですね。アザラシ以外にはトドも飼育しております。お土産屋さんは大 きくはありませんが道内の施設としては平均的かな。夏休み期間に行ったせいかアルバイトがやたら多かった印象があります。
水族館の入り口。正確には併設されている遊園地と共通の入り口。
水族館は遊園地の奥にあります。
十勝地方南部の太平洋側にある小さな水族館です。施設は小さいです が、アザラシ保護には力を入れており、アザラシファンにはある意味聖地ともいえるような所です。おたる水族館、オホーツクとっかりセンターと共に北海道の アザラシ3大聖地の一つとも言える施設だったのですが、2005年度の営業を持って閉館することが決まっており非常に残念です…。また絶滅危惧種でアザラ シの中では日本に唯一定住しているゼニガタアザラシの国内最大の繁殖地、襟裳岬からもっとも近いアザラシ保護施設で襟裳のゼニガタアザラシに関しても積極 的な活動をしていた施設だっただけに、襟裳のアザラシにとっても残して欲しい施設でした。 アザラシに関しては数も多く、また水中の様子を見える水槽が楽しかったです。これは一見の 価値ありです。水中のアザラシの動きはとても素早いのが実感できました。とっかりセンターやおたる水族館など水面上もしくは陸上のアザラシの動き(悪く言 えばもぞもぞのろい動き)に慣れていた私には新鮮でした。アザラシという生き物は陸上では必死に歩いているくせに、水中ではほとんど動くこともなく泳いで いて、鰭の一掻きでびゅーと加速していました。この水中のガラス窓にばいーーーんと体が当たり弾むアザラシもいたりしました。
また、ひろお水族館のアザラシは爪が長い!他の施設のアザラシに慣れている身には気持ち悪いくらいに爪が長いアザラシもいました。他の施設では爪切りを しているのでしょうか。もしくは陸上を歩かせているうちに擦り減っているのでしょうか。ひろおのアザラシはほとんど水中のプールにいるようでしたし。
水中ガラス窓がずらずら並んでいる廊下の反対の壁にはこれまでのアザラシ保護の様子や、飼育アザラシの特徴などが展示されていてそれも興味深いです。
動画(4.7MB)
大人メスゴマフアザラシ。爪長いです。
動画(3.4MB)
クラカケアザラシの子供のクララ(♀)
ひろお水族館は国内の施設で唯一クラカケアザラシを飼育しています(2005年8月現在) このクラカケアザラシはずっと飼育されているものではなく2005年の春に保護された子供です。クラカケアザラシの特徴である帯状の模様はあまりはっきり していませんでしたが、模様も見えないことはないのかな。ただこの子供はメスで、図鑑を見るとクラカケアザラシのリボン状の模様はオスの大人に顕著である とあります。メスの子供のこのこの模様はクラカケの特徴的な模様なのか個体差の模様なのかまではわかりません。私にできるのは、右のスペースに写真を張る ことだけです(笑)なおこの子はお腹に傷があったのですが魚網等に引っかかっていたのを保護されたのでしょうか。何にせよ、元気に生きていって欲しいです ね。
他のアザラシのほとんどはゴマフアザラシで、中にゼニガタアザラシが混ざっているようでした。
最後に閉鎖に関することですが、スタッフさんなど内部の活動ではアザラシ保護のためにすば らしい活動をしていても水族館自体は小さな施設で特に際立った特徴がなかったのも事実です。逆にウンコで適当な活動をしてきた施設ならつぶれて も仕方ないかなと思 えるのですが、ひろおの場合まったく逆なのでこのように残念に感じるのでしょう。
ハード面で際立った特徴が少なく、また道内のアザラシ飼育施設中最も厳しいともいえる立地条件(空港も鉄道もかなり離れており都市も付近にありませ ん)、また立地している自治体も市ではなく小さな町、とかなり厳しい立地です。
旭山動物園も閉鎖の危機に陥ったものの、展示方法を見直しハード面も改善し現在成功を収めています。ひろお水族館も国内のアザラシ保護に関しては中心的 存在、内部では爆発する力はあると思いますが、旭川市のように人的にも経済的にも体力のある行政区に立地していたならば(旭川市は人口36万人に対し広尾 町は8000人ですから…。)、ソフト面の持ち味をハード面にも出せるような施設に改修し、また違った結末になったかもしれません。事実、道内の公営動物 園を持つ自治体(すべて人口15万人以上の北海道内では地方を代表する都市です)では旭山動物園の成功を見て施設の改修や展示の見直しを行いはじめまし た。
プールの様子
中央の台はショーのとき使います。
動画(23MB)
ショーの様子
イルカのようにわっかをジャンプで飛び越えます。
これもショーの一コマ
冒頭にも少し書きましたがこのひろお水族館の閉鎖によって襟裳岬のゼニガタアザラシの保護 には少なからず影響がでるかもしれません。襟裳岬近くにアザラシの保護や見学を目的とした施設があるといいかもしれませんね。もちろん従来のような遊園地を併設するような大きな動物園・水族館施設は要りませんが、とっかりセンターのようなコンパクトな施設くらいはあっても良いかなと思います。
コメント