さて佐渡の野生トキの捜索の続きです。
先回のエントリの最後で紹介した怪しい鳥の写真を再掲します。
左右の2羽は明らかにサギですが、真ん中の小さめの鳥はなんでしょう。
気持ちとしてはこんな具合でした↓
( ゚д゚) ・・・
(つд⊂)ゴシゴシ
(;゚д゚) ・・・
(つд⊂)ゴシゴシゴシ
もう少し大きく見たい…。気づかれないように慎重に車を動かしてもう少し近くまで移動します。
やっぱりトキでした!
ついに発見です。
気づかれない、、、というよりトキが気にしない距離を保って、車中から観察します。田んぼの中でドジョウ?を食べている様子。長い嘴はなかなか器用に動いています。
よく見たらもう一羽近くにいました。
顔近くまでどろっどろになりながら一生懸命餌を食べています。
さらに周りを見たら3羽が塊になって飛んでいました。
一度見つかりだしたら、目が馴れて見つけやすい。どうやらこの田んぼの周辺には、それなりの数のトキがいるようです。
佐渡の山をバックに飛ぶ3羽のトキ。飛ぶときにトキは首をまっすぐ伸ばして飛びます。これがサギとの違い。
羽を広げているトキに日光が当たると本当に美しい「朱鷺色」の羽が見られます。朱鷺色は私がこれまで見た生物の色の中で最も美しい色だと思いました。この朱鷺色は汚れきったおっさんの心にも響くものがあり、これだけでも佐渡に来た価値があったなぁと思います。
飛び立ったトキの写真。息を呑む美しさですが、飛んでいるトキにピントを合わせるのは至難です…。
上空を飛ぶトキの写真。逆光気味でピントも甘めですが、羽の朱鷺色がよくわかる写真なので載せます。
しばらく田んぼで遊んでいましたが、どこかへ飛びさっていくトキの後ろ姿。
もうちょっと見ていたかったけど相手も気まぐれです。なお人間の見物人は私と妻以外はあまりおらず、ときどき農作業をしていると思われる地元の農家のおっちゃんが運転する軽トラが通る程度でした。
トキが去ったので私も緊張を解きます。そんなに長くない時間でしたがなんか妙に疲れました。
トキを見ていると、こんなに美しい鳥がかつては北海道から沖縄まで日本中におり、どこでも美しさを見ることができたのに、今はそれが全くできない、、、というお金にはかえられない損失や生物の価値を後世に伝えること大切さ、一度失われたものを回復する難しさ、など色々考えてしまいます。
かつてトキは稲作にとっての害鳥扱いをされていました。トキを手厚くして保護すればするほど、個体数は増え、単純に考えれば農業被害も増えることに。しかし佐渡ではトキの増加を農業被害として考えるよりもトキが生息する環境で作られた農産物という付加価値をつけて(例えば朱鷺踏んじゃった米)売りだそうとしています。上手くいってほしいものです。
しかし何百年か後、トキが再び日本中で膨大な数になり、今のアオサギ位の数になったら・・・と考えます。かつて激減した鹿が今は爆発的に増えているのを見るとそんなことも起こるかもしれませんね。
さて、トキを見つけたのがAM11時頃。トキが飛び去ったのは12時過ぎ。昨晩から口にしたものは朝食のバタートーストと牛乳くらいなもんで、さすがに腹が減ってきました。街に戻ってお昼御飯を頂いた後、佐渡の文化の象徴でもある能舞台(佐渡は江戸時代に天領だったおかげか能が盛んなのです)を見たいと思っていたので、佐渡で最も古い能舞台がある大膳神社へ。
これがなかなか素敵な茅葺き吹きさらしの能舞台。静かな農村の片隅に位置する佇まいが美しいですし、集落の中に溶け込んでひっそりと建っている様子も生活に密着している感が出ていて良いです。毎年、薪能も開催されるとのことですので、ぜひ見てみたいものです。
能舞台のあとは、どこに行くかというのも決めておりませんでした。正直なところ、午前中だけであっさりとトキが見つかると思っておらず、午後もトキ探しを行うつもりでしたので。。。
とはいえ、トキを見つけたとしてもやっぱり朱鷺色の美しさを帰る前にもう一回見たい、、、ので、午後も再びトキの捜索に出ることにしました。
午後の様子はこちら。
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