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【クジラは飲み物】新潟のくじら汁用皮クジラの鯨種と値段をまとめる&東京・関東で新潟のくじら汁を自分で作る方法【2024年版】

新潟の夏の食べ物といえば、枝豆くじら汁2024年もくじら汁の季節が巡ってきました。お盆の帰省のついでに地場のスーパーマーケットを廻り、最盛期を迎えているくじら汁のメイン食材である塩皮クジラの品ぞろえぶりを点検しつつ、たらふく食べてきました。今回はクジラの種ごとの味や調理方法を基に紹介したいと思います。

なお、「新潟のくじら汁って何ぞや?」という方は以下に詳細をとりまとめてありますのでご参照ください。

ナガスクジラでくじら汁

まず最初に取り上げるのはナガスクジラの塩皮クジラです。ナガスクジラは現生のクジラの仲間ではシロナガスクジラに次ぐ2番目の体長となる大型種であります。

ナガスクジラの塩皮くじらはこんな具合です。まずはパッケージ上面から。

「なつかしの味」とシールにはありますが、今現役で食べているので、どういうことだろう?昔は捕鯨が盛んで、今よりナガスクジラが流通していてたくさん食べられていたとかそういう意味なのだろうか。

蓋を取るとこんな具合です。

この白と黒のツートンがくじら汁に入れるクジラの見た目の特徴です。

裏のラベル。

アイスランドからの輸入物。アイスランドも捕鯨国です。100g辺り579kcal。タンパク質14.3g、脂質57.8g、炭水化物0.4g、食塩相当量5.8g。

値段はこちら。

新潟県中部の長岡市が本拠地の地場スーパーの原信さんで購入です。1パック580円で80g入っているので、100gあたり725円です。

ナガスクジラの皮を購入して帰宅。数十年くじら汁を作り食べ続けている母に料理してもらいました。

この日は野菜などがあまり無くて、ナガスクジラの他の具はユウガオのみのシンプルなくじら汁になりました。ユウガオはかんぴょうの材料になる大きな瓜なのですが、新潟県の中部辺りでは夏のくじら汁に欠かせない重要な具です。新潟では「ゆうごう」と呼ばれることが多いです。新潟県の新潟市のある北部地域ではユウガオはくじら汁に入れず、代わりにナスを入れます。

ナガスクジラはヒゲクジラで味も上品。独特のくじらの癖も比較的抑えられた食べやすいくじら汁ができます。我が家はクジラの下茹ではしないストロングスタイルですが、全然食べやすいくじら汁でした。

ミンククジラでくじら汁

続いてはミンククジラ。ラベルにある通りノルウェー産。昨年食べたミンククジラもノルウェー産でした。

値段は100gあたり580円。ナガスクジラより少し安いです。そして注目頂きたいのが「保存温度10度以下。加工日が8/10で賞味期限が9/8」と通常の冷蔵保存(4度以下)より若干高い温度でも賞味期限が約一カ月もある点です。これは脂の多いクジラ皮を塩漬けにしているので、傷みにくいからだと思われますが、このようにクジラは保存食でもあるのです。

新潟にはもともと捕鯨基地は無いので、北前船で塩漬けにされたクジラ肉が運ばれて、夏場のスタミナ食としてくじら汁が食べられたという背景もあります。冷蔵設備のない昔の船で長時間かけて運搬されてきたので保存性も重視されたのでしょうね。

パッケージの裏面。

100gあたり645kcal、たんぱく質9.5g、脂質68.4g、炭水化物0.1g、食塩7.62g。

このミンククジラは新潟県の中越・上越地方(中部~南部)に店舗が多いピアレマートさんで購入。なお新潟県下越地方(新潟市周辺・北部)に店舗が多いウオロクさんでも全く同値段(100g580円)でミンククジラの皮が売られていました。

ナガスクジラと同様、購入して母に調理を依頼。

この日はユウガオの他、ナス、ジャガイモ、豆腐、ネギが入っていました。具としてのクジラ皮自体は鯨種が変わっても見た目はあまり変わりません。

クジラの味はナガスクジラと似ていて、上品な味のくじら汁です。

ツチクジラでくじら汁

続いてはツチクジラ。上のミンククジラと同じピアレマートさんでゲット!北西太平洋産ということなので、おそらく日本近海で獲れたものでしょう。ツチクジラは日本近海、千葉県産の物も見かけます。

こちらのツチクジラ、冊の切りがでかい!こんなに大きく切り分けられたクジラ皮は初めて見たぞ。ツチクジラはハクジラに分類され、かなり味の癖も強いクジラで、脂肪分が黄色くなったり茶色っぽいやつは癖強になるのですが、こちらのクジラ皮は脂肪部分も白くて新鮮。美味しそうです。

裏のラベル。100gあたり68kcal、、、というカロリー表示は絶対誤記だと思いますが(上のナガスクジラ、ミンククジラと比較ください。)、たんぱく質7.4g、脂質72.4g、炭水化物0.1g、食塩10.23g。

こちらも購入して母に調理を依頼。

ユウガオ、ナス、ネギのくじら汁にしてくれました。やはりツチクジラはツチクジラ味のくじら汁になります。当たり前なのだけれども。この時のツチクジラ皮はとても新鮮だったので癖もきつくなく美味しかったです。

東京で「新潟のくじら汁」を自分で調理する方法

さて、くじら汁は新潟の夏の定番料理なのですが、関東や東京で作ろうとすると塩クジラ皮の入手がとても大変です。普通のスーパーマーケットでは白黒ツートンのくじら皮を見ることはまずないと思います。

しかし、東京近郊や関東地方でも新潟のくじら汁で使われているくじら皮を手に入れることができる場所を見つけました。

新潟という地名×くじら皮はスーパーマーケットでは魚コーナーに並ぶ≒魚屋が取り扱う、、、とここまで書けばピンとくる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

関東でもくじら皮が手に入る場所は、、、角上魚類さんです。

角上魚類ホールディングス株式会社
角上魚類は、新潟県寺泊にある「魚のアメ横」に拠点を置く、日本一を目指す鮮魚専門店です!

角上魚類さんは新潟の寺泊町の海岸にある「魚のアメ横」発祥の会社で、関東各地に支店を出している鮮魚店です。

そのようなルーツを持つ鮮魚店なら、新潟の定番のくじら汁の材料の肝の塩皮くじらを置いているのでは?と思って、見に行ったら本当に置いてありました!

こちらの写真は2024年8月に角上魚類さんのつきみの店で撮影したものです。置いていたのはミンククジラの皮。確かノルウェー産。新潟県のスーパーマーケットより少し高いけど、許容範囲内の値段です。そしてこちらを撮影したときの塩クジラコーナーですが、ラスト1パックだけの在庫でした。実は人気商品なのかな?

関東地方在住の方で新潟のくじら汁を再現したい方、新潟出身でくじら汁が恋しい方はぜひ角上魚類さんへっ。新潟県の他、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、長野県に支店があります。

店舗一覧|角上魚類ホールディングス株式会社
角上魚類は、新潟県寺泊にある「魚のアメ横」に拠点を置く、日本一を目指す鮮魚専門店です!

新潟のくじら汁の調理方法は農林水産省の郷土料理紹介コーナーでは、以下のように掲載されています。

○材料(4人分):
【材料A】塩クジラ 30g 小麦粉 大さじ1
【材料B】水4カップ 煮干し 15g
 丸なす 1個
 たまねぎ 1/2個
 みょうが 2個
 酒 大さじ2
 味噌 大さじ2と1/3

○作り方:
1. 鍋に分量に材料Bを入れ、30分程度おく。
2. 塩クジラは薄く切り、小麦粉をもみ込む。水で洗い流し、たっぷりのお湯で2~3回ゆでこぼす。
3. 丸なすは食べやすい大きさに切り、たまねぎは薄切りにする、みょうがは千切りにする。
4. 1の鍋を中火にかけ、煮立ったらアクを取る。弱火にし、5~10分煮て、煮干しを取り出す。
5. 4に酒を加え、クジラ、丸なす、たまねぎを入れ、火を通す。
6. 味噌を溶き入れ、煮立つ直前に火を止める。お椀に盛り、みょうがをそえる。

我が家の場合、
材料はユウガオ、(あれば)ネギ、豆腐、ジャガイモがIn、みょうが、たまねぎはOutですね。くじら汁に玉ねぎと茗荷は入れないなぁ。。。
作り方でも、2.の下茹で?工程はクジラの癖や味が抜けるのでやりません。クジラの脂の癖が強いので2.工程を入れて、万人受けの味になると思うので意図はわかります。が、その癖もくじら汁の魅力の一つではありますので、我が家は直接くじら皮をぶちこみます。

考えるのがめんどくさかったら、いつものナスの味噌汁を作って、そこに具の一つとしてくじら皮をぶち込めばそれっぽくなります。

くじら汁2024年のまとめ

郷土料理は若い世代に食べられなくなる傾向はどの地方でもあると思いますが、新潟のくじら汁も同様傾向にあるかことが以下の研究でもわかっております。

新潟県の郷土料理‘くじら汁’に関する調査研究
J-STAGE

くじら汁が今の時代の子供たちや若い世代の嗜好に合わなくなってきているのか、仕方ないか、、、と私も思っていたのですが、最近では「そんなこともなさそう。まだまだくじら汁行いけるんじゃね?」と思い直してきました。

というのは、2024年の夏は新潟市地場スーパーの鮮魚コーナーではくじら皮がたくさん売られているのを確認できましたし、関東の角上魚類さんでもくじら皮が売られているのを確認できました。

また超個人的な経験ですが、夏の帰省の際にナガスクジラ、ミンククジラ、ツチクジラのくじら汁を↑の写真で紹介しているとおり、母が作ったくじら汁を食べてきました。これは横浜で育った小学生の娘が新潟のくじら汁を気に入って、彼女のリクエストにより毎晩祖母にくじら汁を仕立ててもらって、食べまくっていたのです。普段はカレーやシチュー、ハンバーグ、マクドナルドのポテトが好き!と言っているうちの娘ですが、新潟のくじら汁はとても気に入っていたのが意外でした。良いクジラをきちんと料理すれば若い世代にも魅力的な食べ物になりそうです。

捕鯨の状況も含め、鯨食自体と接する機会が減っている状況で、若い世代がくじら汁と接する機会が減っているのは仕方ない面もあるとは思いますが、クジラの持続的な利用(持続的な!というのが本当に大事)を目指し、クジラを使った郷土料理も引き継がれていってほしいな、と思います。

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