PRO TREK黎明期(1990年代~2000年代前半)のモデルを愛でる(PRT-40・PRG-50・PRW-1000 etc…)

カシオから販売されているアウトドア向け時計のPRO TREKシリーズ。発売から25年以上経過するロングセラーのシリーズです。公式サイトにはその歴史を紹介している以下のコーナーがあります。

歴代プロトレックの軌跡 - コンセプト - プロトレック - 腕時計 - CASIO
本物の道具を追求してきた進化の軌跡 プロトレックの歴史をひもといてゆきます。

この公式の歴史を追うサイトでは主なモデルは載っているのですが、この他にもたくさんの魅力的なモデルが発売されています。このPRO TREK黎明期ともいえる1990年代~2000頃のを彩った各モデルの情報について、手持ちのPRO TREKを元に自分でまとめてみました。

DPX-500


公式サイトの「歴代の軌跡」で”プロトレックブランドの初搭載”とされている1995年発売モデルです。このモデルがすごいのはブランド名初搭載という最初期モデルなのに、現行モデルでも基本となっている「高度・気圧・温度・方位(電子コンパス)の計測機能」がすでに搭載されていること。もちろん各種計測機能の他に時計表示やアラーム、ストップウォッチ機能も搭載されています。
このようなフィールド情報の計測+通常の時計機能がプロトレックのコンセプトですが、最初期モデルから変わっていません。2020年現在のモデルでは計測情報の精度や省エネ性能、信頼性、操作性などで進化はあると思いますが、”その時計で出来ること”はあまり変わっておらず、誤解を恐れず言えば、「PRO TREKシリーズは最初期ですでに方向性は完成していた」と言えるのではないでしょうか。
DPX-500はバックライトが豆球ですし、西暦の設定可能幅は1990年-2029年なので、以下のモデルたちに比べれば古いところもあるのですが、初代から機能面ではこのように飛ばしていたのはすごい。なお公式サイトの「歴代の軌跡」には”プロトレックブランドの初搭載”とありますが、時計の正面にも背面にも”PRO TREK”の文字はない。。。ベルトにでもあったのかな?(DPX-500のデフォルトベルトは私は持っていない)

DPX-500の裏蓋。現行モデルにあるようなPRO TREKとシンボルの山マークの刻印はなくシンプルな感じです。

PRT-11

プロトレックは気圧・高度計測機能を持つ”山”を志向したモデルが多いですが、本機はアウトドアPRT-XX二桁モデルで唯一海を志向した異端児モデルです。潮の満ち引きを示すタイドグラフ・月の出と入りの時刻と月齢、日の出と日の入り時刻の表示機能を持ちます。日の出・日の入り表示は山でも参考に使うので他のモデルでも搭載しても良い機能のように思います。これらの情報を計算するため、緯度経度時差を設定するモデルです。緯度経度は1度単位での設定になるので、そこまでピンポイントではないのですが、まぁそこまで厳密な必要な数字が必要ならもっとちゃんとしたところで調べるべきかなと。その他、温度センサーが付いているので温度計測は可能なモデルです。
写真は左からタイドグラフ+温度計測画面、月の出と入りの時刻+月齢表示、日の出日の入り画面となっています。

PRT-30


高度・気圧・温度計測機能が搭載されたモデルがPRT-30です。方位計測機能がないのでツインセンサーと書かれてあり、このあと出てくるPRT-50やPRT-70もツインセンサーモデルになります。なお、見た目もほぼ一緒なPRT-311などの派生モデルもあります。

PRT-30はPRT-XX二桁系統の中では最小・最薄クラスになります。また操作ボタンがキノコ型の金属製ボタンである点はポイント高い。金属ボタン採用はこの世代のPRO TREKでは唯一。何気ないですが、かっこいいですね。

↑の写真は裏蓋とベルトがチタンのPRT-311になりますが、機能は通常のPRT-30と変わりません。

PRT-35


PRT-XX2桁番台モデルは基本的は10刻みでモデル番号が変わっていくのですが、こいつはPRT-35です。PRT-30ともPRT-40とも違いますし、若干中途半端&変わり種なところがあるモデル。センサーは温度と方位(電子コンパス)。PRT-XXの2桁モデル番号の中で唯一、気圧計測センサーが付いていません。一方、ワールドタイム機能がついていたり、タイマー機能がついていたりして、珍しい存在です。PRO TREKの代名詞ともいえる気圧・高度計測機能が搭載されていないせいか、あまり売れなかったのかな?今の中古品市場でも他モデルよりマイナーです。

PRT-40


PRT-40は公式の「歴代の軌跡」サイトに掲載されているもので、高度・気圧・温度・方位(電子コンパス)の計測機能を備えています。90年代のPRO TREKの型番PRT-XXシリーズの中では計測機能は最も充実しているモデルと言えるでしょう。このサイトでは型番順に載せたのですが、”プロトレックブランドの初搭載”とされた上述のDPX-500の直系進化モデル。ただ機能はDPX-500と同等で、PRT-40ではライトが豆球からオートELバックライトになったのが進化した点。あと西暦の設定が1995-2039の設定可能となりました。見た目のそっくりさは以下の写真を参照ください。

左がDPX-500、右がPRT-40。そっくりです。中央の液晶の日付の配置などが若干異なりますが。ただDPX-500では右上にあったライト点灯ボタンと中央下部のBEARING(方位計測)ボタンがPRT40では位置が入れ替わっています。

裏蓋にはDPX-500にはなかった、PRO TREKのロゴとシンボルの山のマークが入れられました。このロゴは2020年現在も使用されているロゴになります。

このモデルはある意味90年代プロトレックのフラッグシップとも言えるので、2020年現在でも中古品販売サイトなどでよく見かけるモデルです。20年以上前の時計がまだ現役で動いており、取引される価値があるということです。

このモデルもPRT-400など派生モデルがあります。機能は全く一緒です。

PRT-41

PRT-40と機能は全く同じなのですが、サイズが少し小さいモデルがPRT-41。PRT-40は横幅が大きめなので、PRT-41のほうが取り回しやすいといえます。

少しわかりにくいですが、PRT-40の上にPRT-41を載せた写真。2周りくらいPRT-41が小さいです。

PRT-50


気圧・高度・温度計測可能なツインセンサーのPRT-50(写真はチタンベルトのPRT-500です)。PRT-500など派生モデルがあります。

本機種はアナログ時計と太陽の方角からおおよその方位が計測できるので、ベゼルに方位目盛りが付いています。

このPRT-50の最大の特徴はアナログの文字盤が下にあってその上にデジタル情報が浮かび上がる形式の2層表示。90年代後半にカシオは、このようにデジタル時計とアナログ時計の同時表示可能なモデルを「TWINCEPT」と銘打って売り出しました。この後、後述するPRG-60やその他2020年までにデジタルとアナログの2層表示可能なPRO TREKモデルは多数出ておりますが、全てアナログ時計の下にデジタル情報が表示されるので、長針や短針の場所によってはデジタルの情報が読みにくかったりします。PRT-50のような2層表示を見直しても良いと思うのですが。。。

本モデルは私が最初に買ったPRO TREKで、かつ最も好き&実際に着用する日が最も多いPRO TREKのモデルで、以下で熱く語っています。

90年代CASIOの時計の傑作機・プロトレックのPRT-50/PRT-500を追求したい
今回の話題は腕時計の話で、CASIOが出しているアウトドア時計のプロトレック(PRO TREK)。プロトレックは公式サイトによると1994・1995年辺りに初代モデルが売り出されて、新モデルが今でも投入され続いているロングセラーシリーズです。 アウトドア用なので防水機能は当然として、気圧計・温度計・方位計などが搭載され、最近のモデルでは電波時計...

PRT-60

PRT-50からまた雰囲気や機能がガラリと変わったモデルです。
気圧・標高・温度の計測機能があるのはPRT-30やPRT-50と同じ。PRT-40にはある方位計測機能はありません。そしてPRT-60ではトレッキングカウンターを搭載しました(写真左)。これは歩数カウントし、歩幅と掛け合わせ移動距離を出す機能です。この機能をPRT-60以降搭載されたPRO TREKはほぼ無いと思われ、非常に珍しい機能です。その他、世界各地の現在時刻を知るワールドタイム機能(写真真ん中)が搭載され、また液晶の濃さの設定を変えるコントラスト調整(写真右)が可能になりました。一方でこれまでの全モデルに搭載されていたストップウォッチ機能は省かれ、デジタル時計としての機能は退化しました。

PRT-600など派生モデルがあります。

PRT-70

PRT-70はデジタルとアナログの同時表示モデルで、PRT-50とも様子が違うデジタル/アナログ表示機種です。アナログの文字盤にデジタルの小窓を作って表示するのは2020年現在のPRO TREKのアナログ機の主流に通ずるものがあります。
写真左がPRT-70、右がPRT-71。見た目は若干違いますが機能は一緒です。
気圧・高度・温度計測可能です。これらの情報は文字盤下部の小窓に表示されます。本体も子ぶり気味のモデルで、かなり小さい文字でデジタル情報が表示されるので老眼の方には辛いか。。。PRT-60では省略されたストップウォッチ機能は再登載され、さらにタイマー機能が搭載されました。

本体の小ささはPRT-30と良い勝負の小型モデルで、デザインも洗練されていると思います。個人的にはPRO TREKの各モデルの中でベスト5に入るくらい好きなモデル。

PRT-XX2桁モデル最後のモデルです。PRT-700など派生モデルがあります。

PRG-50

90年代のPRT-XXモデルは幕を閉じ、2000年代からはPRG-XXモデルになりました。公式の「歴代の軌跡」サイトによると、2000年にPRG-XXモデルの最初としてPRG-40が発売されます。これまでのPRT-XXシリーズからがらりと雰囲気を変え、視認性の高い大型2層液晶を採用し、また各種フィールド情報をダイレクトに計測可能なようにボタン配置がなされました。これ以降、PROTREKは非常に大きくてごつい時計になっていきます。またPRG-XXになっても計測できる情報は気圧・高度・温度・方位という点は初代DPX-500から変わっていません。

PRG-40はそういった意味でも重要なモデルなのですが、残念ながら私は所有しておりません。。。というのは、PRG-40の後継モデルで腕時計技術の一つの”ブレイクスルー技術”を搭載したPRG-50を所有しており、今さらPRG-40を購入しても出番はないだろうな、、、と思いまして、購入していないのです。

その一つのブレイクスルー技術とは「ソーラー充電」機能です。2002年発売のPRG-50はPRO TREKシリーズ初のソーラー充電機能が搭載されました。


ベゼルの下の「TOUGH SOLAR」の文字が誇らしげ。↑は方位計測画面。大型の文字表示と、方位を示す青い線が2層表示であることを示しています。また見た目ではわかりませんが、公式の「歴代の軌跡」サイトによると、本モデルからトリプルセンサーver.2が搭載されたとのこと。計測機能の精度が上がったのかな?
本機は2002年度のグッドデザイン賞を受賞しているほど、最先端を行くモデルでした。一方で、ストップウォッチやタイマー機能は省略されています。時計としての機能は後退しているのは残念。

PRG-60

公式の「歴代の軌跡」サイトによると、”トリプルセンサー初のアナログムーブメント搭載”と歌われているモデル。確かにこれまでのPRO TREKでアナログ時計が搭載されたPRT-50PRT-70はツインセンサーモデルでした。個人的にはデジタルアナログが共存するPRT-50が大好きなので本機も期待して入手したのですが、、、。
アナログの文字盤の上にデジタル情報が表示されるPRT-50と違って本機はデジタルの上にアナログ針が出てきて、デジタル情報の読み取りに干渉する場合があり微妙なのです。うーん、、、。
↓こんな感じ。。。

このような状態では上の窓の気温表示が読みにくいのです。針の視認性を優先したのだと思いますが、針が太目な事も相まって、デジタル情報の上にアナログの針が来ると見にくいときがあります。個人的にはデジタルアナログ共存ならPRT-50のほうが好きですし、ごついモデルなら上述のPRG-50か以下のPRW-1000を持っているので、あえて本機を持ち出す理由がない機種になりつつある…。本機は高度・気圧・温度・方位計測機能が搭載され、タイマーやストップウォッチ機能は省かれたままです。

PRG-70

PRG-70はPRG-60のデジアナモデルから再度デジタルのみのモデルになりました。計測機能はPRG-50、60と同じ気圧・高度・温度・方位です。ただしPRG-50、60で省かれていたタイマー機能とストップウォッチ機能が搭載されました。個人的にはあまり使わないけどアラームの設定本数も5本に。また本体も小型化し、一回りくらい小さくなりました。基礎的なデジタル時計としての機能が強化されたモデルとなりました。

PRW-1000


このPRW-1000(写真はチタンベルトモデルのPRW-1000TJ)は、2000年代半ばを代表する機種で、本機をもってPRO TREKは一定の完成に至ったと私が考える機種です。PRG-50の紹介時に、私が考える腕時計技術の一つのブレイクスルー技術としてソーラー充電機能を上げましたが、本機ではもう一つのブレイクスルー技術と考える”電波時計機能”が搭載され、PRO TREK初の電波ソーラーモデルとなりました。気圧・高度・温度・方位計測機能はもちろんこれまでと同様に搭載され、さらにPRG-50や60で省かれたストップウォッチ機能やタイマー機能も搭載され、アラームも5本設定可能になるなど、時計としての基本機能も復活・充実しており、まったくスキが無いモデルで、万能な優等生という印象です。逆に言えばとんがっているところはないのかもしれません。良くも悪くも「優秀なPRO TREKだね。」というモデルです。

本機種以降もプロトレックの開発は続いており、2020年現在でも新機種は生み出されているのですが、基本的にはセンサーの性能向上や小型化、操作性の向上に向かって進化してきた印象です。なので、時計に持たせる基本性能はある意味、突き詰めてしまったのではないかと考えますし、これが「一定の完成に至った」と考える理由です。なおフィールド情報の計測項目は初代のDPX-500とPRW-1000で同じ項目です。

各モデルの機能比較

各モデルの機能比較表です。

アナログ時計
気圧測定
高度測定
温度測定
方位測定
月齢・月の出・月の入時刻
日の出・日の入り時刻
タイドグラフ
トレッキングカウンター
ワールドタイム機能
液晶濃度調整
アラーム機能設定数
ストップウォッチ機能
タイマー機能
ソーラー充電
電波時計
DPX-5005
PRT-111
PRT-301
PRT-353
PRT-405
PRT-415
PRT-501
PRT-601
PRT-701
PRG-501
PRG-601
PRG-705
PRW-10005

方位の「△」はアナログ時計と太陽とベゼルを使って、太陽の位置から方位が計測可能なモデル。

おわりに

PRO TREKシリーズが発売された当時、私はまだまだケツの青い少年だったわけで、自分で山に行ったり沢を登ったりするわけもないのに、この各種計測機能が付いた多機能の時計に、憧れていたのを覚えています。野郎というのはその機能は使いこなさないくせにハイスペックなものを欲しがる生き物なのです。もちろん当時の子供のお小遣い程度では手が出るわけもなく、ただで手に入るCASIOのカタログをワクワクしながら読んだのを覚えています。

時は経ち、私もおっさんになって、大人の経済力を身に付け&IT・ネット販売の発展のおかげで、当時憧れていたPRO TREKシリーズを簡単に入手できるようになりました。

もちろん当時のノスタルジーから集めたのもありますが、いざ入手してみると、各モデルごとに個性的であり、また発売当時のモデルの時点ですでにPRO TREKの方向性が明確で、かつ機能が確立されていることに驚嘆しつつも、各モデルごとに試行錯誤している当時の熱いCASIOの技術者の思いが詰まっているようで非常に面白いものでした。

上述した通り公式サイトのコーナーは主なモデルは載っているのですが、この頃の各モデルの情報をまとめているサイトも見つけることができなかったので、それならと思い自分で作ってみました。

ここに紹介したモデルでは高度や気圧など山を指向したモデルが多いですが、PRO TREKにはムーングラフやタイドグラフなどを搭載して海を指向したモデルやGPS搭載モデルなどもあります。また最近ではPRO TREKのスマートウォッチも出てきており、違った進化もありそうで、楽しみでもあります。

本コーナーはひとまず入手したモデルで私の手によって機能の確認をしたものなので、見落としなどあるかもしれません。また本情報は公式サイトではないので、誤りなどがあるかもしれません。悪しからずご了承ください。まだ気になるけど入手していないモデルもあるので、適宜追加していこうと思います。

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