東京都墨田区のスカイツリーの真下にあるすみだ水族館では「いいえ それはオットセイ展」を2025年3月5日~4月25日の期間で開催中です。

展示に先立つ内覧会にお声がけいただき、さっそく拝見してきましたので様子を紹介したいと思います。
※メディア向け内覧会に招待いただいた内容なので、公開時には異なる内容の可能性はあるかもです。内覧会の様子はサイトやSNSで紹介してよいとの許可は頂いております。
すみだ水族館は大変恐縮ながら私は今回が初めての訪問でした。アザラシがいない水族館なので、これまで訪問先の候補になることがなかった、、、のは否めません。また私自身もアザラシやアシカ(トド)に比べて、オットセイの野生個体を見かける機会は少なかったし、若干これまで縁遠かったな、、、と思いながらすみだ水族館へ向かいました。
多くの日本人のオットセイへの意識はこんなものかも?この辺りのオットセイへの意識の低さを変えるべくの今回の企画展であることを後ほど思い知らされることになります!
~エントランス~すみだ水族館に入館してみると…
すみだ水族館に一歩入り込んで、そのエントランスにびっくり!とても大きな企画展の横長の看板(?)がありました!

この超でかい看板、大きさもさることながら、左上と右下の小さな文字にも注目です。左上には『飼育スタッフ「中島有奈」プレゼンツ』の文字があります。中島さんはすみだ水族館のミナミオットセイの担当スタッフさん。水族館や動物園の企画で飼育スタッフさん個人名を前に出すことは少ないように思いますが、今回は飼育スタッフの中島さんを前面に出した企画。すみだ水族館さん、攻めています。
右下には「すみだ水族館にアシカは、いません。ましてやアザラシも、いないのです。」の文言。企画展のお名前自体が「いいえ それは~」という否定的な言葉から始まりますからね。これと相まってオットセイの立ち位置、これまでのオットセイの扱いなどが透けて見えます。
飼育スタッフさんの名前を前面に出すこと、若干自虐的な企画展名や説明と思いますが、そこからも飼育スタッフの中島さん・すみだ水族館さんの「オットセイを取り巻く世界を何とかしたい!」という想いが伝わってきます。
館内のデジタルサイネージもオットセイに染まっていました。


すみだ水族館のミナミアメリカオットセイたち
まずは企画展の主役のすみだ水族館のオットセイたち。種類としてはミナミアメリカオットセイになります。





こんな具合です。すみだ水族館は館内は暗めなので、撮影難易度はとっても。肉眼の観察がおすすめです。
オットセイたちもプールから外に出てきてくれました。

アザラシに比べると、足の構造に違いがあり、耳たぶがある。アザラシ・アシカに比べて下毛が多い。この写真撮影時にはスタッフさんが毛を逆立ててくれているので、オットセイの特徴がとても分かりやすいです。

ミナミアメリカオットセイと本展示を企画した中島有奈さん。
すみだ水族館のミナミアメリカオットセイたちの動画。やはりアザラシに比べて後足の使い方が器用に見えます。
すみだ水族館のオットセイの紹介パネル。「いいえ それはオットセイ展」に合わせて設置されたようです。


泳ぎのコースで個体を見分けるのはマニアックすぎるぜ。。。
↓も「いいえ それはオットセイ展」に合わせて設置されたもので、オットセイの全頭見分けチャレンジ。難しすぎるっ!


私のような新参者はもはや勘で押すレベル。「すみだのオットセイたち!」パネルに個体ごとの特徴が書いてあるので、それはヒントになったはず。あと当たり前?ですが、中島さんは全問正解されていました!
「いいえ それはオットセイ展」の本丸!オットセイに掛ける熱い想いが込められた展示の数々
「いいえ それはオットセイ展」を拝見して最も感銘を受けたのが、中島さんを含むすみだ水族館のスタッフさんたちのオットセイに対する想いとそれを受けて製作された展示パネルの数々。全部は紹介しきれませんしネタバレにもなってしまうので、その一部を紹介したいと思います。



『全国緊急意識調査「オットセイ2025」』の調査結果から浮かび上がる数々の真実たち・・・。






なかなかの衝撃な調査結果とそれに対する飼育スタッフ・中島さんのコメントが今後のオットセイのポテンシャルを信じているコメントで、そこが楽しいです。これはなかなか眺めているだけで結構時間が経ってしまいました。
カフェメニューもオットセイが前面に!
水族館の楽しみ飼育している生きものだけではなありません。カフェテリアの食事やドリンクも楽しみのひとつ。すみだ水族館のカフェも「いいえそれはオットセイ展」に合わせてオットセイを前面に出した限定メニューが登場していました。

それぞれのオットセイにしっかり”耳たぶ”が付いているところにこだわりを感じます。細かいところですが、担当としてはどうしても譲れないところと推測します。
カフェの隣のアクアアカデミーコーナーも”オットセイアカデミア”コーナーになっていました!オットセイにまつわる本が展示されていて、手に取って読むことができます。『混声合唱とピアノのための おっとせい 感傷的な三つの奏鳴曲』まで置いてあるのは驚いたけども。

このオットセイアカデミアの向かって右側の黒板に「知るべきアシカとアザラシとの違い!」が表になってわかりやすくまとめられています。

見ての通り、オットセイとアシカは同じアシカ科でアザラシはアザラシ科。なので、体の作りも相当違うのでオットセイ・アシカとアザラシの区別はとっても簡単です。
問題はオットセイとアシカの違い。一番わかりやすいのは毛の量でしょうかね。アシカよりオットセイの方が下毛が10倍多いとあるので、もこもこしている。上のすみだ水族館の実物オットセイでも毛を逆立てると上の写真のような感じですし。ただ水の中に入ると体毛はピタッと体に張り付いているように見えるので、もうわからない。。。
他の特徴は「アシカと比較してオットセイは、、、」というものが多いので、オットセイかアシカが単体でいた場合には判別に迷いそう。これの見分けは相当難しいと思います。まぁ日本近海に限れば、アシカ科で通常観察できる種はトドとオットセイ(キタオットセイ)なので色味も大きさもだいぶ違うので見分けられるか、という気はします。
でも英名はアザラシはseal、アシカはsea lion、オットセイはfur sealで、オットセイはアザラシ寄りだったりします。漢字表記の”膃肭臍”はもう読み方どころか字レベルでわけわかんないし。この辺りの海獣の鰭脚類の扱いは生物学的というより、社会学というか人間との関係の中で整理されてきたのでしょうね。。。
さて、アクアアカデミーでは「いいえそれはオットセイ展」中の期間限定ワークショップもあるようで「ぱたぱたオットセイ」お面づくり。参加費は無料と太っ腹です。

お面にもきちんと耳たぶが付いているのが外せないポイント。
ショップや出口を出てもオットセイ
ショップにも「いいえ それはオットセイ展」のロゴが飾られてオットセイグッズが一か所に固められていました!

茶色いぬいぐるみはオットセイの下毛のもこもこ具合を反映しているのでしょうか。クオリティが高い。
水族館の出口にはフォトスポットも完備。


何といいますか、ピンク系統のド派手LEDとハートとオットセイの取り合わせの妙。こういうのは好きです。夜だったらもっと映えたかな。
スカイツリーのお膝元という場所柄、海外の方も多くやってきて、ここで写真を撮って母国に帰って欲しいですね!その写真を帰国後にいつか知り合いの日本人に見せて欲しい。その時の日本人の頭には「なんで日本でハートの”オットセイ大好き❤”で写真を撮ってきたんだ???」となるのがとても楽しみです。
まとめ・公式サイトへのリンク
すみだ水族館の「いいえ それはオットセイ展」内容を中心に紹介しましたが、水族館自体が、2012年にオープンした比較的新しい施設。ですので、都市型水族館として大変よく出来ていまして、企画展以外の展示も面白そうで、ゆっくり滞在したいものです。個人的にはオットセイ以外では小笠原の海を再現した水槽のギンガメアジの勢いが好きでした。



「いいえ それはオットセイ展」は2025年4月25日までの開催。ぜひこの機会にオットセイの深い世界に浸ってみてください。
・すみだ水族館公式サイト

・公式サイト中「いいえ それはオットセイ展」の案内を掲載したサイト

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