「寝ても覚めてもアザラシ展」が明日ついに開幕です!前のエントリーのとおり、私も微力ながら協力したので、どんな展示会になるのかとても楽しみです。
「寝ても覚めてもアザラシ展」は元オホーツクとっかりセンター飼育員の岡崎雅子さんの著書である「寝ても覚めてもアザラシ救助隊」の出版記念イベントですので、こちらの本もネタバレしない程度に紹介したいと思います。
本書は岡崎さんがオホーツクとっかりセンターで勤務されたご経験・活動を軸に執筆されているので、読み手のとっかりセンターに行った経験や知識によって、受け取る印象が変わるかもしれません。
私自身で言えば、北海道在住時代にとっかりセンターには何度も足を運んで、その様子をこのサイトで紹介していたので、施設の位置関係など一通りは理解できるのですが、私が最後にセンターに行ったのは2008年。当時は今の”アザラシランド”だけしかなかったですし、本書の中に拡がる今のとっかりセンターを見て”浦島太郎”状態を体験できました!(なお、岡崎さんがオホーツクとっかりセンターで勤務を始めたのは2012年4月なので、私は岡崎さんが勤務されているとっかりセンターには行ったことがないのが残念・・・。)
本書で私が最も惹かれたのは、岡崎さんがとっかりセンターにたどり着くまでの過程の紹介(主に第1章)でした。アザラシに向き合って、獣医を志し、センター飼育員にたどりつき、そしてセンター勤務に取り組まれる真摯な姿勢には惹かれるものがあります。そして第1章以降に出てくるアザラシの保護活動をめぐる様々な現実や飼育スタッフとアザラシたちの関係への想いなどなどを含め、動物関係の進路に進みたいと思っている若い大学生や高校生に手を取ってほしいな、と切に思います。
おっさん・おばちゃんになってしまった読み手は若いころに目指した者や夢と今の自分を重ねて、ちょっぴり切ない気分になるかもしれません。私自身、若い頃には野生動物に関わる仕事で飯を食っていこう、と思っていましたし、それからの自分の越し方を振り返ったりして、趣深いものがありました。。
とっかりセンターは、学生時代によく通った懐かしい場所であり、本書のいたる場所でかつてのシーンがよみがえるので、なかなか客観的に読むことは無理だったのですが、個人的体験も踏まえ、琴線に引っ掛かったところを、何個か紹介します。
・岡崎さんが初めてとっかりセンターを訪問されたのは、2006年の夏。この時に岡崎さんは『「働くならここしかない」と心に決めた』そうです。この年の夏は私もアザラシマニアな方々とセンターに行って楽しんだりしていたので、ニアミスしていたのかも?と思いつつ、当時のとっかりセンターは学生だった私とそれほど年も変わらない(と思われる)若いスタッフさんたちが試行錯誤しつつ精一杯頑張られていて、暖かく応援したい雰囲気に満ちていたことを思い出しました。なので、岡崎さんが「センターで働きたい」と思われたのは共感するものがありました。
・その2006~2008年頃にとっかりセンターで暮らしていたアザラシたちが本書にもちらほら出てきて、いまだに存命個体が多いことに驚きました。当時でさえ10歳~20歳程度の個体たちが主力で、年寄り、、とは言わないまでも若くはないよね、という年齢だったので。本書に出てきたアザラシの名前で私の記憶にあるアザラシの名前は1/3~1/2くらいでしょうか。ただいまとっかりセンターのサイトで飼育アザラシリストを確認しところ、カズキより年上の個体の名前は憶えています。みんな30歳前後になっちゃって~。。。これだけ長命のアザラシがいるということはとっかりセンターの飼育技術や環境がとても良いのでしょうね。
・そんな老アザラシの中でも、当時好きだったコムケが本書の最後の最後で「唯一無二の奇跡のアザラシ」として名前がちらっと出てくるのに、ニンマリしたり。コムケや他の老アザラシたちに会いに行かねばなー、と思いました。(なぜコムケが「唯一無二の奇跡のアザラシ」とされたのかは、本書の記載を確認し、さらにとっかりセンターにて答え合わせができる、、かな。)
私は飼育アザラシの個体名を覚えたり、個体に執着したりすることはあまり無いのですが、とっかりセンターだけは別。聖地ゆえの魔力、、もあるとは思いますが、よく考えると通っていた頃のスタッフさんのご対応(対飼育アザラシでも、対お客さんでも)が素晴らしく、惹かれて何度も行きたくなる、、、ということで、つきつめると「人」だったのだろうな、と思います。
(※2008年以降、センターに行っていなかった理由は、北海道から遠くに離れた地に移住したことやコロナなどの完全に私(+社会的)側の事情です。念のため。)
当時のスタッフさんたちが岡崎さんをセンターに誘い、その岡崎さんが書かれた本の出版記念イベントに携われたことはとても光栄ですし、多くの方の紋別訪問につながれば、と思います。
さて、”「寝ても覚めてもアザラシ展」に行く前に、「寝ても覚めてもアザラシ救助隊」を読んでおいた方が楽しめるはず。もし未読の方がいたらお早めに、、”的なことを書いて、締めようか、とか思っていたのですが、悩ましい問題を一つ見つけました。
書店やAmazonなどのネット通販でも本書は買えるのですが、「寝ても覚めてもアザラシ展」会場では、本書のイラストを担当された秋草愛さんが描かれたワモンアザラシしおり付きで売られるようです。↓の寝ても覚めてもアザラシ展のチラシ右上ご参照。
読んでからアザラシ展に行ったほうが楽しめるような気もしますし、でもせっかくなら限定しおりも欲しい、と悩むところ。近くの方は初日に会場で本書を入手して、読破してから再度行く手もあり?もしくは会場で読破してしまうという力業も??お金持ちの方は会場でもう一冊購入する!?
最後に明日11月10日からの5日間の「寝ても覚めてもアザラシ展」のチラシを貼っておきます。
会場のGallery Cafe Kirinさんは天王寺動物園近くで、通天閣の根元という楽しい立地にあるようです。私は大阪の土地勘はほぼゼロなのですが、それでも面白そうな場所、というのは何となくわかるので、そういった意味でも行ってみたい場所です!
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