2014年夏の北海道旅行最後のエントリーです。
羅臼沖でシャチを追いかけた我々は北海道旅行最後の泊地、釧路へ向かいます。
ホエールウォッチング中は夢中で気づかなかったのか、クジラ船から下船後、私も妻も疲労困憊に加え全身が極度の筋肉痛に襲われるようになって来ました。昨日の羅臼岳登山がメインの原因だと思いますが、諸々疲労がたまっていた感はあります。この午後から急に筋肉痛が出てきました。知床のアクティビティが終わって気が抜けたからでしょうか。
肉体的な筋肉痛もさることながら、精神的にも磨耗してしまい、好奇心の飽満感はマーライオン並みに戻しそうなくらいぱんぱかりんで、どこに寄る気もせず本日の泊地の釧路に直行。
釧路市は言わずもがなの道東第一の都市。そして学生時代に何度も来た街で、平野の河口に開ける街の感じが新潟に似ています。それと食い物は道東の旨い魚や肉や野菜が集まる場所、また孤独なフィールド調査から生還して久しぶりに文明に抱かれるのが心地よかった覚えがある、なんとも懐かしい街でなんとなく無意味にうろうろしたくなるのですが、今回は疲れすぎてうろつく気にならないぞ・・・。
釧路到着後、美味しい寿司屋に入ったのですが、疲れすぎたせいか寿司もよく食べられず、なんと二人で25貫で店を出てきてしまうありさま(我々夫婦二人は通常でも40貫は食べるし、空腹で手加減しなくて良いなら70貫はいきます)。疲れでご飯が喉を通らないというのは初めての体験でした。そしてこのとき思うように寿司を食えなかったというのは今でも後悔の種の一つになっています。
今夜は釧路駅前の釧路ロイヤルイン泊。スーツケースを車から下ろしそれを引きずってホテルの中に入るのすら辛い筋肉痛。夫婦揃って変な体付きで苦痛に顔を歪めながらチェックインしていたので不審がられなかったかな。
部屋に入って明日の帰京・帰宅のために荷物を整理して、妻はあっという間に20時半に就寝。
私は一杯飲みたかったものの、筋肉痛のためホテルの外、セイコーマートにすら行く気にならず、ホテルの自販機でビールを買ってきて一人寂しく乾杯、北海道旅行最後の夜を過ごします。
街の灯を眺めながら、今現在の夜の羅臼岳の登山道や羅臼沖のクモヒトデやシャチに想いを馳せる、、、というような感慨に浸る間もなく、ビール一缶であっという間に就寝(多分21時半頃)。翌朝、布団も被らず右手に空のビールの缶を握ったまま死んでいる自分を発見することになるのです。
さて北海道最終日。今日は午後の釧路空港発の便で帰京です。帰りたくないけど、人が全く亡くならず、物も壊れない大災害でも起きて3年くらい帰ることができなくなることを期待しますが、そんなことが起こるわけもなく。
まずは朝食。今日は釧路ロイヤルインの売りは朝食バイキング。私なんぞは北海道内ではセイコマ至上主義なので、朝飯はセイコマ(ホットシェフがあればなお良し。さらに朝からホットシェフでカツ丼(無ければ親子丼でも可)が並んでいればさらに良し)で満足なのですが、妻はやたらホテルの朝食バイキングが好きなのです。客室のアメニティや立地やなんやらよりとにかく朝食バイキング、特にパンが旨いか、これが重要。
この日の宿泊は北海道の最終日、私の我がまま満載のハードスケジュール知床旅行に付き合ってくれた妻への感謝の念も込め、朝食バイキングの評価が高い釧路ロイヤルインを用意しました。
とにかく朝になって妻を起こして朝食会場に。さすがに二人とも疲れきっていて起きたのは8時くらい。私も釧路の街中の宿泊なので、戦闘モードを解除してこの日は早朝の出歩きはしません。
朝食は道東産の魚・肉・野菜・乳製品にあふれていて美味しい。今回の旅行で初めて物質的な贅沢を味わっているかも・・・(^^;
焼き魚が釧路から根室沿岸で採れた魚たちを使ってあるのが良いです。朝からザンギとか阿寒ポークのカツといったガッツリメニューがあるのも素敵。小技ですが地元産野菜を使ったメニューもちらほらあり嬉しいです。
普通の白米飯も北海道米で美味しかったですし、ヤッコとか大根おろしとか地味だけど胃袋にはやさしいメニューもあります。私は米好きなので、このバイキングの売りであるパンはあまり食べなかったけど、某サイトの口コミでも高評価なのできっとパンも美味しいのでしょう。
朝食と同じメニュー+刺身・炉端(道東産のホッケ・牡蠣・ホタテ・サケ・サンマ・カレイ・ツブ・ホッキくらいの種類数は増やさなくて良いけど道東産には絶対こだわる)を出して、一人3000円(アルコール別会計)くらいで、夜もバイキングをやればいいのに、とか思ってしまいました。このメニューならその辺の居酒屋に行くより絶対こっちにきます。3000円じゃ安すぎるかな。。。ワンドリンク付きで4000円でもいい。それでも安すぎるか、と言うくらいの充実振りです。
優雅な朝食を終え、北海道滞在最終日の行動を開始いたします。この日の行動は13時発の東京行きの飛行機で帰京、その前に9年ぶりの訪問となる釧路動物園も訪問しようと思っております。
ホテルを名残惜しくチェックアウトして、釧路動物園へ。
、、、しかし、相変わらずひどい筋肉痛で思うよう動けない。走れないしよく歩けない。少しの荷物が重いのも難儀なので、広角レンズをつけたカメラだけを持って車から降ります。
駐車場近くの西門から、釧路動物園に入場です。
入場したのは、10時。帰りの飛行機やレンタカーを返す時間から逆算して動物園は11時半くらいには出ないとまずい。ですので1時間ちょっとの滞在時間です。一方、釧路動物園の面積は国内最大級で、とにかく広い。ひどい筋肉痛でうろつくにはちょっとには辛い。
よって短時間で見るポイントを絞ります。
せっかく北海道の動物園にいるので、北海道の動物を中心に見ていきたい。なかでも釧路動物園の目玉のひとつになっているのがシマフクロウの展示。一昨日、昨日の夜とシマフクロウは見てきたけど、昼間のシマフクロウの様子も見たいところです。他のフクロウ類の展示も充実しているので、これは押さえておきたい。一方でとっかりブログの本来の趣旨であるアザラシの展示は9年前に来た頃と比べてもそれほど目新しい物はなさそうなので、優先順位は低くてもいいか。。。。
そこで動物園の最奥部にいるシマフクロウをめがけて一直線に進み、帰りがけにアザラシを見て出てくることにしました。その他、特に海外産の動物は基本的には無視します。
早速入場して歩いていきますが、釧路動物園は湿原の縁というか原野と山の境のような場所に位置し、文字通り土地には困らず造られているので、本当に広い。
足を上げるのも苦痛なくらいの筋肉痛なのでノロノロ進みますが、なかなかシマフクロウの展示にはたどり着かない。普段なら何てことの無い坂が太ももに牙を剥きます。
ようやくたどり着いたシマフクロウの住処。なかなか奥の方にあります。広めのゲージに緑が溢れた本来の生息地である森の環境に近い形で飼育されていました。とても静かな位置で、大事に扱われていることがとても良くわかります。さすがシマフクロウ。
シマフクロウは止まり木の上でじっと寝ています。広角レンズしか持ってきていないので顔の表情までは写せなかったのが心残り。
シマフクロウの餌。オスなんてそんなもんさ、、、(;ω;)
シマフクロウを見たら、もう西口に引き返すような形で移動。
北海道にいる小型の肉食獣のエゾクロテン。これも一度野生のものを見てみたい。かわいい顔をしていますが牙は獰猛です。
北海道を代表する大型肉食獣のヒグマ。ずいぶん近くに寄ってくるので迫力があります。飼育している動物園ならではの迫力。
ここまでガラスに近づいてくるのは訳があります。
ヒグマの説明板の脇にはヒグマのおやつを投入できる口が。子供たちがおやつを投入するとひぐまがガラス越しの近くにやって来る仕組み。アクティブなヒグマを見るのは楽しいです。
エゾフクロウ。止まり樹に仲良く並んでいました。シマフクロウより手頃なサイズでかわいい。目も昼間のせいかつぶらですし。
シロフクロウ、地べたにすわる。こいつは北海道にとっては北極圏からの食客。日本のフクロウより精悍な顔つき。地べたに座っているけど。人間の近くにいるけど。
思わず動物たちを見るのに時間がかかってしまったのと、筋肉痛で動くが鈍いのとで、なかなかアザラシプールにたどり着きません。
しかし体が思うように動かないので走るわけにもいかず、焦るけどあまり早くない早歩きの変な状態。
ようやくたどり着いたアザラシプール。2005年以来9年ぶりの訪問ですがこんな感じだったかな?
メンバーはゼニガタアザラシのみのモノクラス編成。
アザラシプールで暮らす面々。面々は9年前と比べれば大分入れ替わったか。ゼニガタアザラシの飼育下の寿命は25~30年と言われています。ですので超大雑把に言うとアザラシの年齢×3が人間の年齢くらい。人間界の9年はアザラシ界の27年~30年。そう考えると時間がたったな、と思います。
、、、感慨に更ける間もなくアザラシプール滞在時間5分で出口へ。たぶんアザラシを水族館・動物園に見に行って最短の観察時間だったと思います。無念ながら飛行機の時間が迫ってきているのと自分が素早い動きができないためです。
レンタカーのガソリンを入れて返却し、釧路空港へ。釧路空港から羽田空港へ。
夏の入り口らしい積乱雲を抜けて東京へ。世間は海の日の3連休。
これから夏の大冒険に向かうと思われるおおはしゃぎの子供たちでごった返す羽田空港に到着です。
もっと北海道にいたかったなー、と思う一方で体も筋肉痛でズタボロ、心も好奇心が磨耗しつくすほどはしゃぎまくってきた5日間で、これ以上のアクティビティには耐えられなかったし心も追い付かなかった気もします。
一回で全部味わうにはもったいない。
振り返ってみると知床の世界遺産の心意気である、山から陸まで一体となった生態系を文字通り羅臼岳のお花畑から山から流れる川に生息するシマフクロウ、海岸の豊かな昆布の森から海底のウニやホタテやホテイウオ、沖合いのシャチのジャンプまで見て、実物に触ることができた旅でした。知床の山が霧に巻かれがちなこの季節にしては天気にも恵まれた旅でしたし、日頃の運の悪さを貯めて幸運を放出したような知床滞在にできました。
超ハードだったけど。富士山や八ヶ岳やベルギーよりハードでした。。。
しかし帰って落ち着くと、困ったことに知床の秋の海、冬の海の様子も見てみたくなりました。。
これはまた行かないといけません!その時はまたここで紹介したいと思います。
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